「いいとき生まれた!昭和30年代」

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 第94号 テレビCM創世記



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        いいとき生まれた!昭和30年代  第94号     


                    2008. 4. 26      


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  昭和20年代〜40年代にかけてのCMソングCDを持っているのですが、
  これが、けっこうほのぼのします。
  知らないもの、覚えてないものもありますが、
  歌詞が楽しかったり、ほんわかしてたりして和みます。
  

  そのCDの解説の中に、
  こんなことが書いてありました。
  江戸金魚売りの売り声、「きんぎょーえ、きんぎょー」
  はCMソングの真髄だと。
  
  
  確かに、売ってる品を連呼するだけでありながら、
  雰囲気があってイメージがわきやすく、
  耳にもすっと入ってきます。
  金魚売りに限らず、江戸の物売りの声は、
  優秀なCMソングの元祖だったわけですね。 
  自然体で生まれたものの、強みでしょう。
  
  
  昭和のCMソングは、
  歩きながらのものではなく、
  テレビやラジオの放送で流すものなので、
  江戸と同じわけにはいきませんが、
  それでも昔のCMソングは、
  明るく、のんびり、ほんわか調、
  素朴でわかりやすい、歌詞が楽しくて思わず聞いてしまう、
  など、江戸の基本の要素をふまえたものが多いです。
  

  今はCMソングには既存の曲を使うことも多く、
  オリジナルのCMソング自体が、
  かなり減ってしまいましたが、
  本当にCM効果を狙うなら、
  やっぱりオリジナルのほうが、
  頭に残りやすいでしょう。
  なんといっても、商品名や企業名の連呼をしても、
  くどく感じず、
  自然に頭に入ってしまいますから。

 
  その証拠が、   
  武田製薬のスポンサー番組放送時に流れた歌。
  タケダ、タケダ、タケダー
  と、ただタケダを8回並べただけの歌詞。
  
  
  作詞者がいたとしても、
  名前を出すのにすごい勇気がいりそうですが、
  なんとなく、聞いてしまいますよね。
  これにメロディーがついてなくて、
  タケダの連呼8回だったら、
  行方不明のタケダさんを捜索しているみたいに
  なってしまいます。
  
  
  ロート製薬は、少しひねりました。
  こちらは7回連呼ですが、
  最初の6回は、ロートだけを小出しにし、
  最後に、ロートせーいやーくーと全貌を現します。
  でも連呼には変わりありません。
  これも、メロディーがなかったら、
  ロート、ロートの連呼で耳障りがピークに達したところに、
  ロート製薬と来るわけですから、
  うるさいのはおまえかー!と間の悪いことになってしまいます。
  
  
  ただの連呼に節をつけただけで、
  頭にすっと入ってきてしまうのですから、
  音楽って、偉大なものですね。
  
  
  CMの添え物程度にしか感じてなかった
  オリジナルのCMソングは、
  CMに欠かせない認知度、好感度、親近感アップに
  かなり貢献するものなのだなあと、
  今さらながらに思います。
  昔は、CMをあまり邪魔に感じなかったのは、
  子供だったせいだと思ってましたが、
  それだけの理由ではなかったのかもしれません。
  
  
  対して、今のCM。
  まず商品認知させる力。
  単純でわかりやすかった昔のCMと違い、
  今のCMは凝っているので、
  商品よりCM内容の記憶のほうが残りがちです。
  
  
  しかも、昔は価格を出すCMがけっこう多かったのに対し、
  今はほとんどありません。
  価格も複雑化したので一概に示せないこともあるかもしれませんが、
  価格が売り!という場合以外は、
  あえて表示するCMはまずないです。
  
  
  高度経済成長と共に、物価が高騰しだして、
  表示しにくくなってきたためなのか、
  お店に足を運ばせて見させようとする魂胆なのかわかりませんが、
  いつのまにか、ないのが普通になりました。
  でも、消費者にとっては、重要な商品情報です。
  その不便さに慣らされてしまいましたが、
  すぐ価格の目安がわかったほうが便利だったし、
  購買意欲も持続しやすかったと思います。
  
  
  次に好感度。
  お色気モードで注意をひこうとするCM、
  耳障りな言葉遣いなど、
  不愉快になるCMは、今は珍しくありません。
  商品購入層に受ければいいという、
  安直な視点で作られたものに多いです。
  
  
  また、内容そのものではなく、
  別のことで不愉快になることも多いです。
  食事時にもろに便器やゴキブリなどを見せられるCMに、
  腹がたった経験、
  どなたもおありじゃないでしょうか。
  
  
  視聴率が高いゴールデンタイムを狙いたい気持ちはわかりますが、
  企業姿勢が垣間見えてしまいます。
  
  
  昔はタブーだったお墓や葬儀会社のCMも、
  やはりいい気はしません。
  正月から、いきなり葬儀会社のCMを見せられた時には、
  テレビを壊してやろうかと思いました。
  (消せばいいだけ)
  
  
  これらすべてに共通しているのは、
  企業側の都合が優先されたCMになっていることです。
  だから、莫大な広告費をかけて、
  イメージを悪くするようなことにもなるのです。
  

  当時は、CMを見て、
  こういう嫌な思いをすることは、まずありませんでした。
  この、見る側を無視した自己満足型CMがなかったことが、
  3つめの親近感につながっていたと思います。
 
  
  CMが変わりだしたのは、
  なんと言っても、あの
  「オー、モーレツ!」
  からだと思います。
  今にしてみれば、なんてことはないものですが、
  当時は話題になりました。
  あれ以後、CMは、
  商品より、まずインパクトを狙うものに走り出した気がします。
  今は逆に、
  モーレツ以前のCMを意識して作ったほうが、
  強烈なインパクトが感じられそうですが。
  
  
  それでは、ここで、
  昔のCMソングを少し思い出してみませんか。
  以下の商品のCMソング、
  歌えますか?
  子供としては関心を持つ品のほうが覚えていそうなので、
  これでまいりましょう。
  
  
  マーブルチョコ
  チャオ
  キャンロップ
  シトロンソーダ
  
    
  歌の全部は思い出せない場合も、
  商品名のところだけは、歌えませんか。
  CMソングの威力です。

  
  今度は歌いだしに続けて歌えるかです。
  こっちのほうが簡単でしょう。
  
  
  「ぶたぶたこぶた…」(エースコックCM)
  
  「だーれもいないと思っていても…」(森永エンゼルCM)
  
  「ワワワ 輪が三つ…」(ミツワ石鹸CM)
  
  「うちのテレビにゃ色がない…」(三洋電機CM)
  
  「ドライブウェイに春がくりゃ…」(レナウンCM ワンサカ娘)
  
  
  パソコンの前で、
  元気よくCMソングを歌っているみなさんがいてくれたら、
  とても幸せです。
    
  
  CMキャラクターも、
  昭和2,30年代頃から、急速に生まれ出しましたが、
  その裏話もいろいろあります。
  
  
  ロゼット本舗(今はロゼット)の洗顔パスタの
  白子さん黒子さんは、
  白子さんが創業者の妻、
  黒子さんは姪がモデルとなって誕生したそうです。
  白子さんはともかく、
  黒子さんのモデルにされた姪っ子さんは、
  複雑ではないかい?
  白子さん黒子さんはお見かけしなくなりましたが、
  このロゼット洗顔パスタは、
  いまだにロングセラー商品として売られています。
  
  
  今も不二家の顔、ぺこちゃんの名前の由来は、
  子牛の「べこ」を西洋風にしたもの。
  人間の子供だったら、本人には由来を話せませんな。
  

  これに対し、ペコちゃんが女の子なので、
  男の子のキャラとして生まれたポコちゃんの名前は、
  室町時代の言葉で幼児を表わす「ぼこ」を西洋風にしたもので、
  由来としてはまずまず。
  しかし、そのポジションは、
  常に、ペコちゃんのサブ的存在であり、
  しかも今じゃ、ほとんど忘れ去られたようになっております。
  

  この前の、不二家の不祥事では、
  会社への批判は高まっても、
  ペコちゃんには同情が集まり、
  「ペコちゃんが泣いている」とまで言ってもらえましたが、
  ポコちゃんのポの字も出ませんでした。
  (私ごとですが、あの騒ぎでは、
  16号の思い出話に登場した、
  銀座の不二家がなくなってしまったことが、
  ショックです。)
  
  
  この二人は、
  昭和25年と26年に生まれたキャラクターですが、
  年齢が決まったのは、昭和33年の公募で、
  永遠の6歳と7歳ということに。
  でも、人間の年にしたら、
  いくら可愛い子ぶっても、あんたら58歳と57歳よ。
  
  
  ヤンマーのヤン坊マー坊は、
  私より一ヶ月早いだけの、
  1959年6月に誕生したキャラクター。
  薬局の前によくあった佐藤製薬のサトちゃんも、
  1959年4月生まれ。
  (名前が決まったのは、同10月。絵だけは昭和30年からあり。)
  あんたらも、可愛い子ぶっても、
  人間の年にしたら、私と同じ24歳ね。
  (何か気になることでも?気のせいよ、気のせい。)


  黄桜のカッパたちも、昭和30年に誕生。
  名なしの権兵衛さんながら、
  親しまれているキャラです。
  こちらは、昔とくらべて、色っぽくなってきます。
  下記のギャラリーで昔からのCMの変遷を見ることができます。
  幼い頃見ていたなあと思い出したCMもありました。

  http://www.kizakura.co.jp/gallery/jidai/cm.htm
  
  
  リボンちゃんは昭和32年生まれ。
  こちらも、下記で、
  昔のCMを見ることができます。
  いろいろな種類があるけれど、
  ほとんどのCMで
  同じパターンのセリフ。
  リボンちゃんを呼ぶお母さんの声、
  今のCMなら使われないかも。

  http://www.ribbon-chan.com/cinema/index.html


  昭和30年代に生まれたCMキャラクターが、
  けっこう多いのは、
  やはりテレビCM創世記ということが、
  影響しているのでしょうか。


  そんな時代のCMソングを聴いていると、
  今の子供が、何十年後かに、
  今のCMを見たり、CMソングを聴いたりして、
  同じような気持ちで和めるのかなあ、と思えてきます。
  テレビCM創世記だからこそ、
  素朴なCMが多かった時代に子供時代が重なっていることも、
  これまた、ついていた一つかもしれません。
 



  ★☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    あれこれ後記
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  昭和40年代に放送されていた、
  旭化成の「愛を育てる」というCMソングが好きでした。
  ただでさえ、いい曲だと思っていたところへ、
  「小さな恋のメロディ」とタイアップして、
  その映像と共にCMが作られた時には、
  マーク・レスターにも、はまってしまいました。
  この映画は、日本でのみ大ヒットしたそうですが、
  ひょっとしたら、
  このCMがかなり貢献していたのかもしれません。
  
  
  このCM見たさに、
  「スター千一夜」を欠かさず見ていたものです。
  ゲストまでもがマーク・レスター登場の日なんて、
  朝から浮き足立ち、かつ気合も入りまくってました。
  まだビデオすらありませんでしたので、
  なんとしても、
  その時間はテレビの前にいようとする意気込みは、
  今とは格段の差でしたなあ。


 
                             (ひとみ)




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