「いいとき生まれた!昭和30年代」

メールマガジンバックナンバー



 第91号 便利社会か贅沢社会か



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        いいとき生まれた!昭和30年代  第91号     


                    2008. 2. 24      


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  この間テレビで、
  乾燥機で早く乾かすための節約法として、
  乾いたバスタオルを2本入れるといいと紹介していました。
  でも、乾燥機を使うこと前提の節約法って、
  なんか変じゃないですか?  
  

  と思ったのですが、
  そういう私も、
  「それなら、冷蔵庫や洗濯機や掃除機などだって、
  使わないのが一番の節約法ではないか。」
  と言われたら、返す言葉がなくなります。
  けれど、そんなのがなかった時代の人から見たら、
  当然そう思われても不思議ではないですよね。
  
  
  洗濯機が普及しだした昭和30年代当時、
  我が家でも、ご近所の家でも、
  洗濯機を次々と購入していきました。
  それでも、最初の頃に書きましたが、
  夏になると、母もご近所のおばちゃんたちも、
  たらいと洗濯板を玄関先に出して、
  じゃぶじゃぶ洗ってました。
  それまでは、それが普通だったわけですから、
  夏くらいは、贅沢は我慢しようという気にもなれたのでしょう。
  
  
  当時の洗濯機は、
  極端な話、
  水をまわすだけみたいなもので、
  脱水も人力でローラーをかけるのですから、
  省エネ設計ではなくても、
  今のものより電力消費は少なかったのではないでしょうか。
  それでも、
  洗濯機を使うことは贅沢と感じていたのです。
  
  
  でも私たちは、
  洗濯機は使って当然のものと思います。
  実際、数年前の冬に、
  洗濯機が壊れたことがあって、
  数日間、手で洗うはめになりましたが、
  あれは本当に大変でした。
 

  大家族で、お湯も出ない時代に、
  井戸端で毎日手で洗っていた祖母たちを
  心底尊敬いたしました。
  

  それで気がついたのですが、
  自分が子供の頃からあったものなら、
  そこまでは必需品と思ってしまうのではないかということです。
  だから、今の子供たちなら、
  乾燥機や食器洗い機は必需品という意識になっていくのかもしれません。
  
  
  そして、最初は洗濯機は贅沢という気持ちが残っていた世代も、
  やはり便利さに慣れると、
  たらいと洗濯板から離れていき、
  夏の朝の玄関先の光景は、
  いつのまにか消えてしまいました。


  ということは、
  今は乾燥機や食器洗い機が必需品とは思えない私も、
  それがある生活に慣れてしまえば、
  やがて戻れなくなるのかも。


  便利になったの裏側には、
  贅沢になったが隠れていることを、
  つくづく忘れてはいけないものだと思いました。
  

  省エネの意識がなくても、
  自然に省エネをしていた昭和30年代に比べて、
  今の省エネは、
  一度覚えた便利さは手放したくないところで
  行われています。
  だから、節約しているつもりでも、
  どんどん程度が甘いものになっていくのは当然。
  
  
  事実今も、原油高騰の影響があちこちに出てきてますが、
  本気で省エネしようという声より、
  値上げへの抗議の声だけが先行しています。
  中には、ガソリン代が高いので遊びにいけなくて困る、
  なんて言ってる人もいるくらいですから、
  省エネ気運が高まるわけありません。


  でも、かつてオイルショックがあった時は、
  テレビの放送時間まで短縮されました。
  まだ24時間放送にもなっていなかったのに、
  そうしたのです。
  24時間放送となった今ならなおのこと、
  そういう声も出てきていいはずなのに、
  気配すらありません。
  それどころか、スタジオはかなり暖かいとみえて、
  真冬でも夏みたいな格好の出演者が珍しくなくなりました。
  テレビ局に限らず、
  夏は寒く冬は暑いくらいの冷暖房が効いてるところなど、
  ざらにあります。
 

  また、オイルショック時は、
  街中のネオンも自粛されてかなり消えましたが、
  今はネオンどころか、
  クリスマスのイルミネーションすら、
  自粛しようという気運はありませんでした。


  24時間営業のお店も増える一方。    
  この24時間営業の先駆けとなったコンビニだって、
  当初は、朝7時から夜11時までやっているということが、
  大きな売りとなった社会だったこと、忘れかけてきてますね。
  昭和30年代に比べたら、贅沢になったと思えた時代でさえ、
  今に比べたら、ずっと省エネモードだったのです。
  
  
  近年、盛り上がってきているのは、エコバックでしょうが、
  新聞紙にくるまれて渡されるだけの、
  土つきの野菜や、
  水からあげたもやしまでクリアした
  昔の買い物かごのようなわけにはいきませんから、
  結局、中に入れるものは、
  昔にはなかった包装がされます。
  リサイクルとして回収されるのはその一部だけ。
  

  ここでちょっと、今まで言ってきたことと逆行しますが、
  このエコバックを使って、レジ袋を有料化にする運動は、
  私は、どうもすっきりしたエコ活動として受け入れられないのです。


  ごみ袋としても再利用できるレジ袋より、
  ただ捨てるためだけの、
  自治体指定のごみ袋をわざわざ作るほうが、
  よっぽどもったいない気がします。

  
  自治体指定のゴミ袋方式は、
  ごみを出した量に応じての費用を調達するためには、
  都合のいいシステムです。
  そのために余分なごみ袋が増えるので、
  レジ袋を悪者にしたのではないかと思ったりしてしまいます。
  袋を有料にできたり、
  エコバックという商売チャンスが増えるとあらば、
  業者も反対するわけないし。
  

  それに、エコバックを作るほうが、
  よほどエネルギーの消費になっているという話も
  聞いたことがあります。
  
 
  とはいえ、レジ袋が、
  必要以上に使われてきたことは確かですので、
  エコバック自体は悪いことではないと思っています。
  だから、袋を有料にするという形ではなく、
  いらない人にはポイントなり割引で還元するという形が、
  一番いい気がするのです。
  だから私は、完全有料化のところより、
  そういうスーパーを利用しています。
  だって、私にとってのレジ袋は、
  いろいろ使えて必要な物なんですもの。
  そのうえで、いらないときはもらわない、
  という選択肢をとってるのです。
  

  あ、また得意の脱線が始まってしまいましたね。
  
  
  そんなわけで、本気で省エネするというのなら、
  せめても昭和30〜40年代くらいまでは戻す覚悟にならないと、
  おっつかないでしょう。
  あなたは、できますか?
  レジ袋は有料化にしないでほしい、
  なんて言ってる私は、ちょっと怪しいです。
  
  
  とはいえ、冷暖房なら大丈夫です。
  クーラーが苦手な体質ゆえ、
  今だに夏は窓を開けて扇風機の昭和30年代風。
  クーラーを使うのは、
  暑い中を来てくれた人のためだけです。
  冬も、部屋の温度が10度以上ある時は、
  暖房は使ってません。
  暖かい着こなしをしたり、
  ひざ掛けや湯たんぽなど、
  ちょっとしたものがあれば、
  冬が苦手な私でも、さほど寒く感じません。
  むしろ寒く感じる時は、
  体調が悪いから気をつけよう、
  というバロメーターになってます。
  この点は、昭和30年代より勝ってるくらいです。
  (いばれるのは、こんなところくらいなので言わせてください。)


  電気も、コンセントも小まめに消したり抜いたりする方だし、
  節約も好きです。  
  でも、当時の電化製品だけになったら、
  これまた困ります。
  パソコンも使えなくなってしまいますから、
  このメルマガも出せなくなります。
  電子レンジもなくなりますから、
  簡単に温められなくなります。
  (温めるだけかい、という声も聞こえてきそうですが)
  
  
  便利になった生活を変えずに省エネするって、
  そうそう簡単なことではありません。  
  また、当時の省エネ生活は、当時の社会構造だったからこそ、
  成り立っていたともいえます。
 

  なんでも気兼ねなく放り込める買い物かごも、
  専業主婦がほとんどで、
  買い物のためだけに外出できた時代だから、
  活躍できたかごです。
 
  
  働く主婦が増えた今、会社帰りに買い物するために、
  あのかごを持って通勤しなくてはならなかったら、
  大変なことです。
  混雑加速、トラブル多発で、
  かご所持者専用列車を作らなければなりません。


  千葉から都内まで、何十キロという大きな行李を担いで、
  行商に来るおばちゃんたちのために、
  専用車両を設けた私鉄がありましたが、
  同じようなことをしなくちゃなりません。
  しかも、頑張って持って行っても、
  会社が終わってから買い物に行っていたら、
  昔の営業時間では、お店は閉まってるか、
  開いていても、生鮮品はほとんど売り切れ状態。
  
  
  こう見てみると、
  昔の省エネ社会は、
  専業主婦の力があってこそ成り立っていたとも言えます。 
  また、当時の環境で働いていた主婦や、
  一人暮らしの人たちが担ってた負担も、
  大きかったと。
  やはり、省エネと便利さを、
  どちらも両立させるのはむずかしいようです。


  でも、便利さを追求していくのは人間の文化だけど、
  それで贅沢ができるようになったのを、
  当たり前のことと思うのは人間の堕落、
  そこを明確に意識して、
  省エネに取り組むことは、より必要とされることです。
   
  
  当時、母と買い物に行く時、
  水がたれる心配のあるもやしを買う日は、
  八百屋は最後でした。
  これも、前に書きましたが、
  もやしは、木の樽の中で流水につけてあり、
  八百屋のおじさんがザルですくって水を切ってから、
  新聞紙の袋に入れてくれたからです。
  その袋をかごに入れていくと、
  やはり時たま、途中で水がたれてくることがありました。
   
  
  「あら、水がたれてきちゃった。」
  そう言いながら歩いていく母の後ろを、
  ぽたぽた垂れる水跡を追って足を運んでいくおもしろさ。
  そんなたわいもないことで、
  喜んでいたりしたことは、
  今の子供は味わえない思い出。
  
  
  そんなことを思い出すと、
  素朴ゆえに味わうことができた贅沢もあったのでは、
  と思うことがあるのですよ。
  




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    あれこれ後記
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  ◇前号を出した後の読者さんの増加率がいつもより多いなあ、
   江戸しぐさの威力か?と思ったら、
   前号でメールをくださったNoboruさんが、
   ご自身のブログでこのメルマガを紹介してくださっておりました。
   しかも、パソコンの前で平身低頭してしまうくらいの、
   ありがたいお言葉で…。
   Noboruさん、
   本当にありがとうございました。
  

   シックなデザインの
   Noboruさんのブログです。
    『PEG-UX50で作るblog』
     http://knoboru.livedoor.biz/
  
 


  ◇以前も書いたかしれませんが、
   (別のメルマガだったかな?もう記憶が定かでない…)
   私は道を歩いているときに、
   老若男女、国籍人種を問わず、
   道や場所を尋ねられやすいのです。
   多いときには1ヶ月に2,3度、
   少ないときでも、3ヶ月に1度くらいは聞かれます。
  
  
   特に、外人比率は年を追うごとにアップしてるんですが、
   英語は受け付けそうもないことはわかるのか、
   幸い、皆、日本語です。
   この間も、東南アジア系の若い女の子から、
   片言の日本語で、駅に行く道を聞かれました。
  
  
   その場所から駅までは、まっすぐ行って左に曲がるだけ。
   で、即座に、
   「まっすぐ行って突き当たったら…」
   と言ったまでは良かったのですが、
   「左に曲がる」の、左がとっさに出てこなかったのです。
  
  
   で、「あの…、あの…」
   と言いながら、
   手だけ左に曲がるというアクションをしていたら、
   その女の子、にっこり笑って、
   「ヒダリガワ、デスネ。」
   

   「そうそう!」
   と私が言うと、 
   その女の子は、爽やかな笑顔でお礼を言い、
   自転車で走り去っていきました。
   久しくこういう人を見たことない、というくらい
   雰囲気のとてもいい、素敵な笑顔の女の子でした。
   生きることが楽しいですみたいなオーラを発散していて、
   彼女より美しい人はたくさんいそうですが(失礼)、
   あんな雰囲気美人には、なかなかお目にかかれないな、
   と思いました。
   

   それにしても、
   片言の外人から日本語を教えてもらってる私って、どうよ。
   まともに簡単な道すら教えられない私は、
   ひょっとしてぼけ街道を歩いている?


                       (ひとみ)
 




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