「いいとき生まれた!昭和30年代」

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 第81号 郵便局は変わった


  
 
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        いいとき生まれた!昭和30年代  第81号     


                    2007. 7. 26      


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  昔と今と、一番大きく変わった公的機関は、
  郵便局だと思います。
  民営化が決まる前から、
  サービス改善に努めて目に見えて良くなり、
  公社になってさらによくなってきていました。
  
  
  私は郵便局関係者ではありませんが、
  そう感じてただけに一番民営化しなくてもいいところではないか、
  と思ってたほうです。  
  確かに、電電公社も国鉄も、
  民営化でましになったけれど、
  郵便局は、既に変わってきていたところが違います。
  だからというわけでもないでしょうが、
  民営化本格始動を前に出てくるのは、
  やっぱりサービスが低下する話ばかり。
  
  
  経費節約という話も、
  これを推し進めた前の総理は、
  国の借金は増やしてるし、
  今の総理は、防衛庁を格上げして省にし、
  これまでより多い予算を請求できるようにしてしまったのですから、
  どの程度の節約効果になるのか疑問です。
  やっぱり、本音は国民のためと言うより、
  外資参入を目論むアメリカの意向を汲んだというのが、
  一番のところなのではないかなあと疑ってます。


  もっとも、私が民営化に乗り気でないのは、
  政治的なことより、
  国が保障してくれる金融機関が、
  一つくらいあったっていいではないのという超個人的な思いだけなので、
  いい方向に向かうならかまわないのですが。
 
 
  いかんいかん。
  今日は、昔のほうがひどかった、というほうの話を、
  久しぶりにしようと思って、
  郵便局のことを取り上げようと思ったら、
  いきなり、脱線から始まってしまいました。
 
  
  今の郵便局だって、お役所仕事でだめだ、
  と感じる人がいるのも事実ですが、
  昔の郵便局から比べたら、
  雲泥の差ですよ。
  
  
  たとえば昼休み。
  これは郵便局に限らず、
  当時の公的機関すべてに言えることですが、
  昼休みになると、
  シャッと窓口のカーテンを閉めて休憩に入ってしまいましたよね。
  その時代を知らない人から見たら、
  「信じられな〜い。」と言われそう。
  いや、知っていても、やっぱり言ってしまいますが。
  
  
  小包を送るにしても、
  大きさがどうのこうのとか、
  ひもがゆるいのなんだのと厳しいチェックを受けました。
  職員が、運び込んだ荷物の紐をぐいぐいひっぱって、
  「これじゃだめだよ、直して。」
  なんて言ってる光景も、普通にありました。
  そのくせ、到着するのは遅かった。
  食べ物などは、時間がかかりすぎて、
  中身が腐っていたなんて話もありました。
  箱がぼこぼこになってたりすることも。
  逆に言えば、そのくらい手荒に扱われるから、
  発送する前のチェックが厳しかったともいえますが、
  宅急便が登場しなかったら、
  この体制は今でも変わらなかったかもしれません。
  
  
  それが今は、
  家まで取りにも来てくれるし、
  配達したことを葉書で知らせてくれたり
  するまでになりました。
  安く手軽に送れるサービスも出てきてます。
  あの時代、郵便局がここまで変わると、
  誰が想像できたでしょうか。
  
  
  窓口の職員の愛想も、
  格段に良くなりました。
  決して全部が全部とは言いませんが、
  当時は無愛想、高ビーな職員がいても、
  ちっとも不思議ではありませんでしたから。
  
  
  ちょっとここでまた脱線してしまいますが、
  郵便局に限らず、議員でも役人でも、
  日本の公僕にはおかしな特権意識が、
  潜在的にありましたが、
  (ここは現在形にしたほうが、いいのかな?)
  民の方も、潜在的にそれを受け入れているところがありました。
  
  
  動かぬ証拠が、公的機関をお上と呼ぶこと。
  「お上の言うことには逆らえない」なんてのまであります。
  昭和30年代には、
  江戸時代の名残がけっこう残っていたと、
  何度か取り上げましたが、
  なんとこれも士農工商制度の名残だとか。 
  明治維新以後、公務についたのは元武士が多く、
  知事などは、殿様が横滑りでなるパターンも、
  珍しくなかったことで、
  こういう意識が根付いたらしいです。
  (一方で、公務員は固いという信用もあって、
   「お上の言うことだから、間違いない。」ともされてきましたが、
   こっちは、今回の年金騒ぎで完全に消え失せましたね。
   今は、「お上の言うことだから、信用ならない。」
   のほうが、実感わくかも。)
 
 
  そういうお上意識が潜在的にある社会だったゆえ、
  民より、公の都合が優先されて、
  窓口カーテン、シャッ!なんてのが、
  当たり前にまかりとおっていたのでしょう。
  
 
  ぎりぎりに行って間に合わないならまだしも、
  混んでいて待たされた挙句、時間切れで、
  無情に閉められるカーテン。
  「あー、閉められちゃった。」
  と悔しそうにしぶしぶ立ち上がるお客たち。
  しかもそれは、郵便局だけでなく、
  役所など他の公的機関もそうだった。
  (記憶が定かではないけど、
  確か国鉄の長距離切符とか定期券の売り場も、
  そうだったような気がする。)


  当時の国民は、
  気が大きかったのか小さかったのか?  

     
  そういう意味では、
  政治機関や公的機関の悪しき慣習が
  どんどん指摘、弾劾、批判され、
  裏の不祥事も、膿のように出だしてきた今は、
  士農工商をひきづったまま、
  民主主義社会へ移行したゆがみが是正されてきている、
  と言えるのかもしれません。
  ただ、民の意識は変わってきましたが、
  公の意識はまだまだ。
 
  
  読者さんの中で、公の立場にある方もいらっしゃるかもしれませんが、
  気を悪くなさらないでください。
  悪い人は、民でもいい加減、
  きちんとした仕事をするかは、
  公も民も関係なく本人の人間性の問題ですので、
  公務員は、すべてだめと言ってるわけではありません。
  税金を給料としてもらうと認識してる人もいれば、
  自分が得た特権としてもらえると勘違いしてる人もいる。
  それはその人の人間性の問題なのですから。
  
  
  ただ、外からはわかるけど、
  公務員の社会の中からは、
  見えないものがあるということだけは確かです。
  公の世界しか知らないと
  なかなかそれが見えませんので、
  私は、民間経験を積まないと、
  公務にはつけないようにしてもいいと思ってるくらいです。


  これまで、なぜか不思議と、
  現役公務員、元公務員などにかかわることが多い私は、
  理解不能な公務員世界の姿を垣間見てきました。
  特に国家公務員はすごいです。
  もし自分が国家公務員になってたとしても、
  こんな摩訶不思議な世界にはいられなかった、
  いや、いたくないと思いました。
  あまりに世間の感覚からずれています。
  (国家公務員の方、いらしたらごめんなさい。)
  ここで例をあげていたら、
  しばらく本来のテーマに戻れなくなるくらい、
  いろいろ見たり感じたりしてきました。
  
  
  公的機関独特の、なにか緊張感が足りないのっぺりした空気も、
  苦手です。
  これも、中にいるとわからないと思います。
  唯一、その空気がなくなってきて、
  むしろ居心地のいいものに変わってきていたのが、
  郵便局だと思っていました。
  この点は、民営化することで、
  さらに継続されていくとは思いますが。
  
  
  以前、勤務先の近くにあった郵便局で、
  一人だけ、昔の郵便局を思い出させてくれるような、
  感じの悪い人がいました。
  とにかく、態度がでかい!
  しかも、お客さんにため口。
  
  
  大きな郵便局なので、窓口はいくつもあり、
  この人が窓口に出ているときは、
  ここに当たらないことを願っていました。
  
  
  ある時、定期積立の契約をしたのですが、
  後々のことを考えて、定額積立にすることにして、
  そちらを新たに契約しました。
  が、さすがに2つはきついので、
  最初の定期積立を解約に行ったのです。
  ところが、そういう用事で行く時には、
  その人に当たるのが、
  世の中の常ってもんです。
  
  
  「これを、解約したいんです。」と
  通帳を差し出すと、
  そのおっさん職員、ちらっと通帳を一瞥して、
  「やめといたほうがいいよ。」
  手も動かさず、薄ら笑いであらぬ方向を見ている。
  「定額積立に契約しなおしたので、
  こっちの定期積立は解約したいの。」
  「なら、両方やっておきなよ。」
  
  
  おー、この態度、子供の頃見ていた、
  昔の郵便局みたいだー、
  こんなでかい態度の人がいることもあったなあ。
  思わず懐かしくなって、口元がほころびかけましたが、
  喜んでる場合ではない。
  サービス悪いと言われていた時代でも、
  利益がからまないからこそ、
  解約する時だけは、銀行のようにぐだぐだ言わずに、
  やってくれたことが、郵便局の取り柄ではないか。
  おっさん、態度の悪さは昔並みのくせに、
  そこだけは、銀行を見習おうってのかい。
  ここは、おとなしく引き下がるわけにいくか!
  とこちらも臨戦体制に。
  
  
  が、昼休みに行ったもので、
  そんなにねばる時間がなく、
  惜しくも時間切れで撤退。
  まあ、昔の郵便局なら、
  そもそも昼休みには窓口が開いてなかったことを思えば、
  まだ許せる…わけがねえ!
  結局、勤務先に来ていた、
  外回りの人に頼みました。
  
  
  その人に、
  窓口で拒否されたことを話すと、
  「もしかして、この人ですか」
  と即座に頭に手をやりました。
  
  
  実は、その人、
  かつらなのか、地毛なのか、
  思わず悩んでしまうような、
  個性的なへアースタイルをしていました。
  文で説明するのはむずかしいのですが、
  強いて言えば、頭にベレー帽をかぶっているような感じ。
  細い癖毛なのに、薄いネットでもかぶせてるのか、
  と思うくらい、見事に整っていて、
  面と向かって話していると、
  この頭はどうなっているのだろう?と
  つい目がいって身が入らないという、
  強力な武器を持っておりました。
  私を撤退させたもう一つの理由は、
  ここにもあったのです。
  
  
  また、別の日は、
  その人の隣の窓口にあたり、
  安堵しておりました。
  その日、その人の窓口で手続きしていたのは、
  口座を開きにきたとおぼしき若い男性。
  すると、びっくりするような、
  そのおっさんの発言が聞こえてきました。
  
  
  「暗証番号がいるけど、何番にする?」
  
  
  え?口頭で言わせるのかあ?
  それをあんたが書き込むのかあ?
  おっさん、サービスする所が違うって。
  思わず、隣を見てしまいました。
  でも、人の良さそうなお兄さんは、
  素直に答えておりました。
  隣にいたのが、
  すぐ忘れてしまう、いや、
  善人のお姉さんだったから良かったものの、
  油断も隙もない世の中なんだし、
  ありえないと思いました。

  
  もっとも、外回りの人も、
  すぐピンと来る窓口係なのですから、
  苦情はよくある人なのでしょう。
  その人も、ついに敬語を使うようになってきて、
  さらには板についてないながらも、
  「ありがとうございました」まで言えるようになった姿を見たときには、
  おっさんも成長したのお、
  と感激いたしましたっけ。
  私はこれで、郵便局は公的機関のお手本になっていくに違いない、
  と確信したのですけど、
  逆に、公的機関らしさを失っていくところが、
  民営化に拍車をかけたか?
  
  
  一方、配達の郵便屋さんは、
  今より大変だったですね。
  昔の郵便局の制服は紺でしたが、
  配達員も、紺の制服制帽で、
  がま口の親分のような郵便バックを肩から提げて、
  自転車で配達してました。
  通信手段がまだまだ限られていた当時は、
  郵便物も今より多かったでしょうし、
  あのカバンは、かなり重いものだったでしょう。
  重いから、早く配達してしまおうという気になって、
  職務に励む仕組みだったのかもしれないけど。
  

  あの、肉体労働派のがま口カバン姿の郵便やさんは、
  けっこう親しまれて、絵本や歌にもよく登場してましたね。
  そういえば、私も
  ♪郵便やさん、おはいんなさい…
  で始まる歌で、大なわとびをしましたっけ。
  この間、なんとなくイラスト集を見てたら、
  あのスタイルの動物の郵便やさんがありました。
  絵は可愛いくて若者受けするけど、
  描いた人は若くないなと、
  ひそかに思った私です。
  
  
  昭和30年代当時は、
  北海道では、馬に乗って配達していたところもあったようです。
  ロバのパン屋ならぬ、馬の郵便屋さん。
  自転車にせよ、馬にせよ、  
  まだまだ、車やバイクを導入できる時代ではなかった、
  ということなのですけど、
  地球環境には良かったですね。
 
    
  
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    あれこれ後記
  ★☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  
  
  
  ◇このメルマガも、おかげさまで、
   3年を超えました。
   3年間でたった81号とは、
   情けないですが、
   このペースだからこそ、
   長く続けられたとも言えます。
  
  
   最初のころは、
   週1回くらいのペースで出してましたが、
   文は、今よりずっと短めでした。
  
  
   それが、多忙で発行回数が少なくなってくるのと同時に、
   そのお返しというわけではないのですが、
   1回の量が長くなってきてしまって、
   申し訳なく思っております。
  
  
   本当は、短くて、回数を多く出すほうがいいのでしょうが、
   思い入れはあるけど、時間がないので、
   作成するときには、ついが〜っと、
   あれこれ暴走する思いを書いてしまってお許しください。
   そこへ来て、あちこちに話が脱線していくおばさん現象も、
   激しくなる一方で。
  
   
   一応、気にはして、
   これでも短くしてるのですが、
   ゆっくり推敲していたら、
   いつまでたっても出せないので、
   適当なところで出してしまうのも
   いけません。
    
  
   こんなしょーもない私とメルマガですが、
   懲りずに、これからも
   おつきあいいただければ、幸いです。
  
  


  
  ◇メルマガは3歳になりましたが、
   投票日になりそこねた7月22日に、
   私も48歳になりました。
   
   
   自分と誕生日が同じ有名人って、
   ちょっと気になるじゃないですか。
   私の場合、スポーツ界では、
   江本孟紀、巨人の原監督、薬師寺保栄。
   お笑い系では、うっちゃんなんちゃんのうっちゃん。
   歴史上ではメンデルとか孝明天皇(明治天皇の父)。
   クラシック界(?)では、森公美子。
   彼女とは、生まれた年までぴったり一致、
   まさに同じ日です。
   (私の親友も、偶然まるっきり同じ誕生日なので、
    少なくとも、同じ日に生まれた人が
    二人はわかった。)
  
  
   女優では、中原ひとみ。
   実は、私の名前は、当時活躍して人気があった、
   この人の名前からつけたらしいです。
   ただ、私はもちろんですが、
   そんなミーハーなノリで名前をつけた親も、
   まさかその人と誕生日までが一緒だったとは、
   最近まで知らずにいたので、
   これにはびっくりしました。 
   そして、去年知ったのが、
   長谷川京子。
   来ました、美人系!やったね!という感じ。
   
  
   そして、今年も新たに、
   同じ誕生日とわかった人が。
   でも、こういう有名人は、
   知らないほうが良かったんだけどなあ……林真須美容疑者。
  
  
                                (ひとみ)
   
  
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