「いいとき生まれた!昭和30年代」

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第78号 昔の浮浪者と今のホームレス


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        いいとき生まれた!昭和30年代  第78号     


                    2007. 5. 24      


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  ここのところ、見かけなくなった人たちの話が続きました。
  実は、こんな人もそうだよなあ、と思ってたのですが、
  取り上げようかどうか迷ってました。
  なぜなら、これまでと違って、
  「そうそう、懐かしいね〜。」
  というところに結びつく人はあまりいないと思うからです。


  でも、今の若い人たちの姿を見てると、
  そういう人をあまり知らない世代だからかな、
  と思えることもあるので、
  取り上げることにします。


  それは、ホームレス。
  「いやあ、懐かしいですよ〜、昔を思い出します!」
  という方、
  いらっしゃらないですよね、やっぱり…。


  もちろん、ホームレスは今でもいます。
  でも、今のホームレスと、
  昔のホームレスは様変わりしてます。


  今のホームレスは、一見してもわからないくらい身奇麗な人も、
  たくさんいますが、
  昔は、一目でわかりましたよね。
  薄汚れたぼろ服を身にまとい(冬は幾重にもして)
  ぼうぼうに伸びた髪はごわついて、だまになり、
  皮膚は垢と日焼けで真っ黒。
  そして、そばを通ると、強烈な臭い。
  そんな人が、何かの間違いで、電車に乗ってるとあらば、
  いくら電車が混んでいても、そこだけは空いて、
  VIP待遇になってました。  

  
  20年くらい前頃までは、そんなホームレスを、 
  まだ見かけたりしました。
  中でも印象的だったのは、
  女性のホームレス。
  お定まりのものすごい風体ながらも、
  デパートのショーウインドウに自分の姿を写して、
  髪の毛の乱れを直してました。
  

  ごわごわ、ばさばさの髪になっても、
  髪の乱れは気になる女心が、
  悲しいような、寂しいような、哀れなような…、
  同じ女性として、複雑な気持ちになりました。
  最近も、女性のホームレスを見かけましたが、
  もちろん、ごわついた髪の毛はしてませんし、 
  私よりいい皮靴を履いていました。
  思わず、
  「あっ、いい靴。こんな靴欲しい。」
  と目がいってしまいました。


  こういう人たちは、
  昔は、浮浪者と呼ばれてましたが、
  これも差別用語として、
  英語のホームレスに置き換えられました。
  でも、英語にしたからいいってもんじゃないと思います。
  日本語に直したら、家無し、宿無し…って、
  もっとひどい言い方になってません?
  さすらう者という意味の浮浪者のほうが、まだましなような。
  もっとも、浮浪者と言うと、
  そんなロマンあふれるイメージにはならないのは、
  あの姿から来るマイナスイメージのなせる業かな。
  
  
  昔は、浮浪者と言えば、
  怠け者で働かないから、
  ああなったんだと後ろ指を指されたものです。
  もちろん、自分の意に反して家を失い、
  やむなく転落してしまった人もいたでしょうが、
  汚い格好で、昼間から道端で寝っころがっているような姿から、
  そう決めつけられたのでしょうか。


  今のホームレスでも、
  働く気のない者や、
  社会に適合できないで、不自由(本人はそう思ってないかもしれません)
  という名の自由を選ぶ人もいるのでしょうが、
  やむなく転落組は、昔よりずっと増えたのではないでしょうか。
  昔のように、怠け者だから、
  とばかりは言えなくなりました。

  
  ホームレスが変わったのは、
  豊かな社会になって、捨てられる物が贅沢になったり、
  支援体制も昔より整ってきたりしたこともあるでしょうが、
  豊かな社会になったのに、
  やむなくホームレスに追い込まれた人の増加も、
  あると思います。
  そういう人たちは、
  最初から働く気がない人よりは、
  前向きに頑張る気持ちが強いでしょうから。


  そのせいかどうかはわかりませんが、
  今は、道端で乞食なんかしてるホームレスはいません。
  道端にいるのは、
  集めてきた雑誌を安く売ってたりするホームレスです。
  昔と違って、そういうものが、
  集めやすくなってることもあるでしょうが、  
  わずかな日銭でも、
  頭と体を使って稼ごうとする姿は、
  乞食よりは、前向きな姿を感じます。
      

  もっとも、今は、乞食として座っているだけで、
  お金を恵んでくれるような人も少なくなっているでしょう。
  嘘か本当かわかりませんが、
  乞食の後を追ったら、
  大きな家に入っていったとかいう話もあるくらい、
  昔は乞食って、それなりに稼げたようです。
  でも、今は無理でしょうね。
  (やってみないとわかりませんが)


  昔の浮浪者と、今のホームレスは、
  呼び方が変わっただけではなく、
  質も違ってきてると思います。
  

  昔の強烈な風体の浮浪者は、
  目も死んでました。
  あの格好で、そんな目をして、
  ゴミ箱をあさってる姿を見たら、
  ああはなりたくないと、
  一生懸命働くようになる、
  ということはあったかもしれません。


  そう考えると、あの究極のどん底の人間の姿も、
  反面教師的役割として、
  社会に貢献していたのかもしれません。
 
  
  そして現代、ああいう死んだ目をしているのは、
  ホームレスより、
  まだ社会にも出ていない中高生の中に、
  見られるようになった気がします。
 

  中には、
  まだ親のすねをかじっているくせして、
  わずかな日銭でも労働で手に入れているホームレスを、
  社会の屑だと、ゲーム感覚で殺し、
  お金を奪う子供も現れるようになりました。
  腐った社会の屑とは、おまえらのことを言うんだ〜!
  

  今より冷たい目で見られていた時代でさえ、
  そんなことをする人間はいませんでした。
  物質的には、豊かになった一方、
  政治も心も、貧弱化してしまったようです。
  ホームレスより暗い目をしている一般人が増えていく、
  そんな社会になっていくことだって、
  ありえないことではありません。
  
  
  でも、改めて若い人たちを見渡してみると、
  目以外にも、
  あの強烈な風体のホームレスの伝統が、
  しっかり受け継がれてるではないですか。
  

  風呂に入らない汚ギャル。
  一番、素顔がきれいな時代の顔を、
  黒く塗りたくり、汚れた化け物顔にする顔グロや山姥メイク。
  髪の毛ぼさぼさのヘアメイク。
  新品は格好悪いと、
  わざと破いたり、色を落としたり、
  ぼろぼろにするファッション。 
  そして、道端でもなんでも、平気で座り込む。
  み〜んな、昔の浮浪者、乞食と一緒だ〜。
  このまま行くと、昔の浮浪者の姿そのものも、
  一つのファッションに行き着くのではなかろうかと思います。
  それは、あの姿をほとんど知らないから、
  屈託なくできるのかなあとも思うのです。

 
  新品を、ぼろ風にするファッションだって、
  物が豊かな時代だからこそ、
  受け入れられるわけです。
  物が古くなっても、
  使い込むことが当然の時代だったら、
  ファッションとしての生彩は出てきません。
  だから、そういう時代を知っている世代には、
  理解不能になるのでしょう。
 

  昭和30年代世代は、その境目ではないでしょうか。
  私はできあがった新品を、
  わざとぼろにする加工を見たとき、
  「せっかくの新品をもったいな〜い!」
  と思ってしまいましたから、
  限りなく、昔人間のクチみたいです。  


  みなさんのお子さん世代なら、
  穴あきジーンズを履いてる方もいらっしゃるでしょう。
  私の甥や姪たちも、中高生になってきたので、
  そのうち履いてくるようになるのかなあ、
  とは思ってましたが、
  ついに姪の一人が
  おばあちゃんのところに、
  履いてきました。
  でも、母はもっと昔人間ですから、即座に拒否反応、
  「お願いだから、おばあちゃんちに来る時は、
   そういうのは履いてこないで。」
  と言われたそうです。 
  でも、それは姪の趣味で選んだ物ではありませんでした。
  で、正直に言いました。
  「これ、お母さんが、
   履けって買ってきたんだよ。」


  あとは、ご想像にお任せします。  
  

  その晩、母に叱られて、
  まいったまいったと私に電話してきた妹は、
  「自分が履けないから、履かしたいんだよ。」
  と言ってました。  
  同じ30年代生まれでも、
  妹の場合、自分は嫌だが、
  子供にはぼろを着せたい?母親のようです。
  


  
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    あれこれ後記
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   ハンバーガーショップのCMで、
   「さよなら三角〜」
   で始まるしりとり歌を使ってましたね。


   あれを聞いたとき、
   こういうようなしりとり歌はあったけど、
   出だしはこんなだったかな?
   と釈然としないままでいました。

 
   でも、ようやく、思い出しました。
   回路の老朽化で、出てくるのに時間がかかっていたようで、
   突然、浮かんできました。


   私が歌っていたのは、
   やはり出だしが違って、
   「いろはにこんぺいと」
   から始まりました。
   そして、最初を思い出したら、
   芋づる式に、その後に続く歌も思い出してきました。


   これが、脳にいいんだろうなあ、
   と思いつつ、
   合ってるか自信がないので調べてみたら、
   なんと、このような歌は、
   数限りないバリエーションがあるようです。


   きっと、伝言ゲームじゃないけれど、
   子供同士で伝わるうちに、
   創作された部分も混じったり、
   いいかげんに伝わったりで、
   どんどん変わっていったのだと思います。


   ちなみに私が歌っていたのは、
   こんなの。


   「いろはにこんぺいと
    こんぺいとうは甘い
    甘いはお砂糖

    お砂糖は白い
    白いはうさぎ
    うさぎは跳ねる

    跳ねるはのみ
    のみは赤い
    赤いはほおづき

    ほおづきは鳴る
    鳴るはおなら
    おならはくさい

    くさいはう○こ
    う○こは黄色い
    黄色いはバナナ

    バナナは高い
    高いは二階、
    二階はこわい、
   
    こわいはおばけ
    おばけは消える
    消えるは電気

    電気は光る
    光るは親父のはげ頭」


   一部、下品になるところは、
   子供ゆえお許しを。
   もっとも、子供だった私らも、
   ここのところを歌う時は、
   声をひそめて、照れ笑いしながら、
   恥ずかしげに歌ったものです。


   しかし、バナナは高いってのが、
   時代を表してますね〜。


   それと、
   高いは二階はともかく、
   二階はこわいは、よくわかりません。
   最初は、高いはこわい、
   で思い出したのですが、
   二階というのもあったような気がして、
   入れるとしたら、そこしかありません。
   当時もそこが疑問で、
   いつしか勝手にはしょって、
   高いはこわいと歌ってたのかもしれません。
   こんな調子で、どんどん変わっていくから、
   バリエーションも増えたのでしょうね。
   

   皆さんの覚えているものも、
   私のとぴったり一致する、
   という方はいないのではないでしょうか。
   きっと、隣町でももう違う、
   というくらいの差があったかもしれませんね。


   いずれにせよ、
   この歌の真の歌詞があるとして、
   私の歌ってたのが、
   正統派でないことだけは、
   一部の歌詞からして、
   間違いなさそうです。

       
                           (ひとみ)


  
        





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