「いいとき生まれた!昭和30年代」

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第76号 日本のおばあちゃんがいた時代

  
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        いいとき生まれた!昭和30年代  第76号     


                    2007. 4. 14      


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  お団子頭に着物姿と言えば、
  典型的な日本のおばあちゃんスタイル。
  おばあちゃんの知恵とか言う場合も、
  必ずこういうおばあちゃんの絵が描かれていたりします。
  
  
  でも、この間、ふと思いました。
  これは大人の感覚で、
  今の子供達は、こういうおばあちゃんを
  実際にはほとんど知らないのではないかと。
  私達が子供の頃までは、
  おばあちゃんといえば、
  ほぼ間違いなくこのスタイルでしたけどね。
  

  たとえ、普段は洋服を着ているおばあちゃんでも、
  ヘアースタイルは決まったように、
  白髪交じりの長い髪を後ろにまとめたお団子。
  今風に言うと、シニョン?
  
  
  そして、出かけるときは、ほとんど着物。
  私の祖母も、田舎から我が家へ遊びに上京して来るときは、
  この定番スタイルでやってきました。
  
  
  当時のお年寄りといえば、
  明治生まれの人ばかりでしたから、
  まだまだ着物を着慣れている世代。
  洋服より、着物のほうが楽だといって、
  普段でも着物姿のおばあちゃんだって、
  まだ、たくさんいましたよね。
  
  
  襟元をゆるめに着たり、
  日本手ぬぐいを肩にかけたりしていても、
  なぜかだらしなく見えないし、
  着崩れてもこない。
  おばあちゃんたちの着こなしは、
  今の人が簡単に真似できないほど、
  板についてました。
  
  
  もはや、今の子供は知らないでしょうが、
  杉村春子さんとか沢村貞子さんなど、
  明治生まれの女優さんたちの着物姿を思い出してください。
  普段着の木綿の着物でも、粋に着こなしてました。
  (ちなみにこの二人、
  私は一瞬考えてからでないと区別ができませんでした。)
  原ひさ子さんなども、日本のおばあちゃんそのものでしたね。
  
  
  あのくらいの着物の着こなし力を、
  当たり前に持っていたのが明治の女たち。
  当時はそれが普通のことと思ってましたが、
  今、考えるとすごいことだったんだなと思います。
  着物が体に馴染んでいて、気負いがなく自然体。
  これは、子供の頃から着ている人にしか出せないものでしょう。
  着物でなんの不便さも不自由さも感じずに、
  日常生活を当たり前にできる人が、
  まだたくさんいたのが、あの頃です。
  
  
  子供の頃の私は、
  おばあちゃんになると、
  みんな、この日本のおばあちゃんスタイルになるのだと
  思ってました。
  だから、母も年をとったら、
  お団子頭と着物姿になるんだな、
  いつ頃から変身するんだろう、
  自然になるのかなあ、
  孫が生まれたら、突然変わるのかなあ、
  などと考えてたくらいです。
  でも、母のそういう姿は想像もつかず、
  本当にそういう変身をとげるのか、
  半信半疑だったことも事実です。
  
  
  そして、その疑いを裏切らず、
  母は、お団子頭と着物姿のおばあちゃんにはなりませんでした。
  でも、それはうちの母だけのことではありません。
  日本のおばあちゃんを踏襲する人は、
  ほとんどいなくなりました。
  
  
  私達の親世代は、
  まだ着物は身近な存在だったとはいえ、
  やはり洋服のほうが比重が高かったせいでしょうか。
  それとも、おばあちゃんの定番スタイルだったゆえに、
  あの格好をすることで、
  おばあちゃんになってしまうというイメージができてしまい、
  かえって敬遠されたのでしょうか。
  

  ともかく、当時のような、
  着物が馴染んだ着こなしをしている
  日本のおばあちゃんにお目にかかるのは、
  今は至難の業です。
  
  
  そんなわけですから、
  今の子供たちのおばあちゃんのイメージは、
  どう考えたって、
  あの典型的な日本のおばあちゃんになるわけがありません。
  
  
  それでも、着物姿のおばあちゃんにはならなかったとはいえ、
  母世代は、まだ私達より着物を着てくれました。
  
  
  入園・入学式、卒園・卒業式などでは、
  母親のほとんどが、着物に羽織で参加してましたね。
  うちの母も、ふだんは、どうでもいいような格好してるのに、
  この日ばかりは馬子にも衣装そのものの変貌ぶり。
  決して、着物美人というわけではないのですが、
  いつもとは、違う母になるのが、楽しみでした。
 
   
  そういう着物姿もいつしか消え、
  今やスーツが圧倒的。
  歩いている親子とか、
  校門で記念写真をとっている風景とか見ても、
  着物のお母さんは皆無。
  私が会わないだけで、多少はいるのでしょうか。
  
  
  もっとも、昭和30年代生まれ世代の女性の皆さんも、
  親として参加した時には、
  既に、着物よりスーツで参加したという方が多いでしょう。
  私の妹たちもそうでしたし、
  私に子供がいたとしても、
  たぶん着物は着なかったと思います。
  正直言って、面倒くさい、が先にきてしまいます。
  その面倒くさいことをしてくれていた母親には
  感謝しなくてはいけません。
  
  
  式のもう一つの違いは、父親の参加率の増加。
  こちらも、男性の皆さん、当たり前に出席したという方が、
  多いのではないでしょうか。
  でも、当時は、ほとんど母親だけで、
  父親も一緒に出席する家は、少なかったですね。
  
  
  あの時代、子供の式などのために、
  仕事を休むなんて風潮は、
  ほとんどありませんでした。
  子供の式が重なって、
  手分けして出るためとかいう事情でもなければ、
  父親が仕事を休むまではしませんでしたね。
  それが、高度経済成長を支える原動力にも
  なっていたのでしょうが。   
  両親そろって参加している家は、
  自営業などで時間の融通がつくという人などが多かったです。
  
  
  もっとも、うちの父も、自営業でしたけど、
  そういう式には出たことないです。
  亭主関白でもないし、子煩悩な父ですが、
  男は仕事を、女は家庭のことをという分業意識は、
  強かったのでしょう。
  特に昭和一桁世代は、こういう意識が強いようです。
  ということで、暗黙のうちに、
  式に参加は母親の役目みたいになってました。
  
  
  子供だった自分も、両方に来てもらうことなんて、
  考えたこともなく、
  母親が参加するものと思い込んでた節がありますが。
  
  
  でも、そんな風潮の子供時代だったわりに、
  自分達が親世代になってみると、
  スーツ化も、父親参加も、
  当たり前にしているのですから、
  親世代が、日本のおばあちゃんにならなかったのも、
  似たようなものです。
  それが、時代の流れというものなのでしょうね。
  
  
  母親たちは、日本のおばあちゃんの定番スタイルをなくしたけれど、
  入学式の定番スタイルは死守してくれました。
  そこを、今度は私達がなくしてしまいましたから、
  お詫びに、年取ったら、
  日本のおばあちゃんスタイルを復活させるのはいかがでしょう!
  
  
  ひとみさんだけやれば、って?
  やっぱり?
  
  
  
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    あれこれ後記
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   ◇前号でお知らせした、かっちゃん情報です。
  
  
    大分の豊後高田市にある商店街昭和の町に行かれたことのある方は
    いらっしゃいますか。
    商店街がテーマパークになったみたいなところで、
    私もいつかは行きたいと思ってます。
  
  
    この町が新聞記事に載っていたことを教えていただいたのですが、
    HPも調べてくださいました。
   
    豊後高田市 昭和の町
   
    http://www.showanomachi.com/index.html
  
  
    そして、もう一つ、ビッグ情報を見つけてくださいました。
  
    なんと!
    この町には、ミゼットが3台もあり、
    しかも!
    レンタカーとして貸し出しているというではありませんか!
  
    http://plaza.rakuten.co.jp/showanomachi/diary/200701100000/
  
  
    子供の頃見ていたミゼットを、
    大人になって運転してみるなんて、夢があるではないですか。
    ペーパードライバーになりさがってる私みたいなのは、
    こんな貴重なものを運転することは、
    やめといたほうが無難でしょうが、
    運転してみたい方、いらっしゃるのではないですか。
    私も、行ったら座るくらいはしてみたいです。
  
  
    反面、ちょっとがっかりすることも。
    がばいばあちゃんで使われていたミゼットは、
    かっちゃんさんが送ってくれてアップした、
    大阪の展示会に出てたミゼットかも、
    という期待があったのですが、
    ここのミゼットの可能性が高そうだということ。
    確かに、佐賀までの距離は、大分のほうがずっと近いですからね。
  
  
    とはいえ、現役ミゼットが、
    1台だけでないということですから、
    喜ばしきことですね。
    かっちゃんさん、ありがとうございました。
  
  
  
  
   ◇杉村春子さんと沢村貞子さんを混同しやすい私。
    名前も、年恰好も似てるでしょ。
    この二人をようやく克服したと思ったら、    
    また現れたのが、
    原田知世&石田ひかり。
    こちらは、前の二人と違って、
    同意してくれる人は減りましたが、
    私はよく混同してました。
    しかし、この頃はまだましでした。
    だって、今は、
    若い女性が皆同じに見えるようになってきてしまいましたもの。
    蛯原友里と押切もえの区別ができるようになるには、
    一瞬置いてどころか、
    数ヶ月かかりました。
    もう末期症状です。
   
  
   
  
   ◇今日のおばあちゃんの話で、改めて気がついたこと。
    当時は、お年寄りといえば明治生まれでしたので、
    いまだに、その感覚が抜けてなくて、
    高齢者は明治生まれだと思い込んでました。
    が、よく考えたら、
    今は昭和初期生まれでも80歳前後、
    明治生まれとなると、
    100歳前後のご長寿さんクラスになっているわけで、
    ちょっとショック。
    いつのまにか、明治生まれの人が、
    減ってしまっていたのですね。
  
  
    まあ、自分の年を考えれば、当たり前のことですけど。
    そういえば、当時のご長寿さんとなると、
    江戸時代末期生まれの人たちで、
    慶応だの元治だの文久だのと、
    聞き慣れない年号が飛び出して、
    格の違いを感じさせていました。
    今は、そのクラスが、明治末期生まれにとってかわっているわけです。
    時の流れでいたしかたないとはいえ、
    なんだか、複雑。
  
  
    私達は、昭和中期の生まれですから、
    貴重な昭和生まれの生き残りにはなるためには、
    130歳以上くらいまでは、生きねばなりませんので、
    ちょっと大変です。
    でも、そのくらいまで生きるとしたら、
    余生はまだまだたっぷりあるということになります。
    頑張ってみましょうか。
  
  
    人間は本来、150歳くらいまでは生きられるそうですから、
    今回のミゼットや、前回の10円遊具の木馬みたいに、
    しっかりしたメンテナンスを施し、大事に使って、
    丈夫で長持ちを目指しましょう!
    あるいは、憎まれっ子世にはばかるという手もあります。
  
  
    (そういえば、意地悪ばあさんも、
     日本スタイルのおばあさんに入るな。
     一挙両得で、これでいくか。
                     ひとみ)
  
  
  
  
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