「いいとき生まれた!昭和30年代」

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第69号 蕎麦屋の出前


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        いいとき生まれた!昭和30年代  第69号     


                    2006. 11. 14      


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  改めて今思うと、
  すごいことだったなーと思うのが、
  日本蕎麦屋の出前です。
  あまりに普通の光景だったので、
  全然感じてませんでしたが、
  蕎麦の入った器が載った盆を片手で持つなんて、
  重さも、バランスを取るのも大変なこと。
  さらにそれで、自転車にすいすい乗っていくのですから、
  曲芸師並みの芸だったのではないでしょうか。
  
  
  コントにもこんなそば屋の出前持ちが登場して、
  ぶつかって、こけるパターンがよくありましたね。
  実際の街中では、そんなおそば屋さん、
  いませんでしたけど。
  もっとも、コントだって、
  そば屋の技術が未熟でこけるのではなく、
  不可抗力にまきこまれてこけてしまうパターンが、
  多かったです。
  
  
  それくらい、当たり前の風景。
  あの姿、外人さんは、感心してくれていたでしょうか。
  日本蕎麦屋さんだけではありません。
  ラーメン屋さんの出前だって、
  今よりすごかったですよ。
  だって、今みたいに、ラップなんてなく、
  おかもちに入れるだけで、
  そのまま持ってきたのですから。
  それをゆらさずに、自転車に乗ってくるというのも、
  技術を要します。
  
  
  我が家に来ていたラーメン屋さんは近かったので、
  歩いて持ってきてくれてましたが、
  それもまた、すごいことです。
  まあ、多少こぼれて、スープで容器が汚れていることはありましたけど、
  微々たるものでした。
  私だったら、着く頃には、
  スープがあらかたなくなってるでしょう。
  
  
  お蕎麦屋さんが、バイクで配達するようになり、
  片手にのせて運転するわけにはいかないので、
  クッション付の配達台がとってかわり、
  ラーメン屋さんも、ラップのおかげで、
  安心して?ゆらせるようになりました。
  そのかわり、あの達人技は消えていってしまいました。
  
  
  仕事の達人というと、
  今ではテレビネタになるくらい珍しく、
  すごいもののように扱われるけれど、
  昔は、その道に入ったら、
  そのくらいになってあたりまえ、
  というものは多かったのではないでしょうか。
  蕎麦の出前にも、プロ意識は欠かせなかったというわけです。
  いい加減な気持ちでは、なかなかできません。
  
  
  身近なところでは、
  駅員さんもそうでした。
  ラッシュ時で、人が押し寄せる時でも、
  入る人の切符を切りながら、
  出て行く人の切符や定期のチェックは見逃さない。
  こちらの能力も、今は不要のものになってしまいました。

  
  確かに、便利になると助かるけれど、
  それは反面、人間が本来持ってる能力を育てることも、
  使うこともしなくなることです。
  最近の若者が、無気力だったり、自分を見失ったり、
  生きてる実感がないと感じたりするのは、
  そこに原因があるのではないかと思うのです。
  つまり、人間の側がすることがなくなってきてる社会で、
  育ってきたからではないかということです。
  また、すべてお膳立てされていて当然ということに慣れているから、
  ことがあると、すぐ人のせいにするのでは、という気もします。
  これは、私の持論なんですが、
  皆さんはどう思われますか。
  
  
  この間、たまたまついていたテレビで、
  こんなことをやってました。
  生産部門で働く若い社員が、
  注意書きにあった「差異」の意味がわかってなくて、
  会社に大損害を与えてしまったのです。
  そこで、この会社が調査した結果、
  他にも、理解していない言葉がある若い社員が続出だったそうです。
  
  
  本を読まない、
  パソコンや携帯電話で文字を書く、
  しかも、わかりやすいように言葉が短くなるので、
  語彙が増えない、などで、
  若者の日本語能力が低下している実態をテーマにしたものでした。
  
  
  しかし、仕事に関わることです。
  わからない言葉があったら、
  調べるか聞くかしないでしょうかね。
  これって、日本語能力がどうのこうの言う以前の問題だと思うんですけど。
  もちろん、プロ意識を育む姿勢も感じられません。
  
  
  番組内の実験で、
  耳で聞いた言葉を、筆記具で紙に書くのと、
  携帯電話に打ち込むのとでは、
  脳の働きに大きな差が出ることも判明しました。
  もしかして、今の若者は、
  すでにそこまで頭が働かなくなってるとか?
  
  
  もっとも、この損害を出した張本人、
  実名顔出しで明るく出ていたところをみると、
  クビにはならずにすんだようです。
  なかなか、ふところが大きい会社です。
  この失敗をバネに、
  頑張ってプロ意識を育てて、
  会社に恩返ししてくれ、若者くん。
  君にも、あの蕎麦屋の出前持ちが、
  普通に走っていた街を見せてあげたかったよ。
  
  
  ところで、ラーメン屋の出前で、思い出したことがあります。
  ある日私は、出前のラーメンを食べていて、
  スープの中に、
  ごく小さな金色のワッカが浮いているのを見つけました。
  指ですくってみたら、手にはついてこなかったけど、
  ワッカはなくなったので、
  再び食べようとすると、
  また別のところに浮いています。
  そんなことを何回か繰り返して、
  よーく見ると、なんとそのワッカ、
  あちこちにたくさん浮いてるではないですか。
  ぎょっとして、恐る恐る箸でつついてみると、
  そのワッカは変形したのです。
  それを見て気がつきました。
  なんのことはない、それはスープに浮いている油のワッカでした。
  
  
  いつも食べていて、
  その時になって初めて気がついたとは、
  まさに、脳が発達した瞬間だったとか?
  いや、猿が人並みになった瞬間というべきか。
  でも、人間が脳を使わなくなってきたら、
  こういう馬鹿な疑問すら持たなくなるかもしれないではないですか。
  (自己弁護)
  
  
  しかし、異物が入っていると思っても、
  黙って取って食べ続けようとする、
  意地汚い根性のおかげで、
  この出来事は、私の中で自己完結することができました。
  
  
  万一、
  「これ、ワッカが入ってる〜」
  なんて親に訴えてたら、
  「この子の将来、大丈夫?」
  といらぬ心配をかけ、
  妹たちからも、
  「この人が姉で大丈夫?」
  と思われてたかもしれません。
  そうでなくても、思われてるのに。
  
  
  ちなみに、あのころのラーメンは、
  一杯50円だったのを覚えてます。
  
  
  
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    あれこれ後記
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  ◇しかし、脳の退化、
   人のことは言えないなあ。
   かつて、ワープロ機が登場して、
   筆記具以外で文を書くようになったときは、
   違和感があって、文体まで変わってしまったのですが、
   校正の便利さを知ったら、やめられなくなりました。
   いちいち、消しゴムで消す必要もないから、
   片っ端から打ち込んどいて、
   後で、直したり並べ替えたりすればいいのですから。
   今は逆に、筆記具で文を書こうとすると、
   文が出てきません。
  
  
   しかし、その見返りは、しっかりあります。
   漢字が書けなくなりました。
   皆さんも、これはわかりますでしょ。(無理矢理お仲間に)
   たまに、筆記具で書く時は、
   短い文でも辞書が欠かせません。
   必ず、書けない漢字に突き当たるといってもいいくらい。
  
  
   手で書くということをしてきた世代の自分でも、
   このざまですから、
   パソコン世代の日本語能力低下が、
   すさまじいのは当然でしょう。
  
  
   昨今の脳トレブームは、
   危機感を感じた本能が巻き起こしているのかも。
  
  
  
  
  ◇以前、かっちゃんさんが、昔風物干しの写真を撮ってきてくれました。
   その時、物干し竿だけが現代風だったので、
   今度は昔の物干し竿まで見つけてきてくれました。
   またまた、アップさせていただきました。
  
    http://wa.hitokiwa.com/photo.htm
 
  
   実は、怪我の功名で、
   もう1枚、送ってもらった写真があります。
   66号で、とほほほドクターさんの手紙を紹介したときに、
   最後にカッコ書きで、
   タイガース時代からジュリーのファンだとありました。
   それが、私がコメントを入れたようにも見えるんです。
   その部分は、公表しなくてもいいかなと思ってたのですが、
   はずし忘れてました。
   やはり、人のことは言えないようです。
    
  
   で、かっちゃんさんも、私のコメントと思ったようで、
   わざわざ、当時の、タイガースのレコードジャケットの写真を
   送ってくれたのです。
   画像が悪いから、
   掲載は見合わせてくださいとのことでしたので、
   紹介はできませんが、
   昭和30年代生まれの私たちって、
   本当につくづくいい人ばかりですよね!
  
  
   (他世代から、非難の嵐の問題発言で、今回はお開き。  ひとみ)
  
                               
  
  
  
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