「いいとき生まれた!昭和30年代」

メールマガジンバックナンバー

 


第66号 アニメで培った想像力


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        いいとき生まれた!昭和30年代  第66号     


                    2006. 9. 14      


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  この間の日曜日の気温が34度近く、
  そして昨日の水曜日は19度、
  3日で3ヶ月分の季節移動をしてしまった東京です。
  いくらなんでも、これじゃ寒く感じてかないません。
  今日も寒いよ〜。


  こういうときは、今は春だと思えばいいのです。
  「19度か、暖かくなったよなあ。」
  ね、寒く感じなくなるでしょ。
  なんて、相変わらず馬鹿なことばかり考えている発行人です。 


  さて、今回ですが、
  後記で紹介するつもりのメールに
  コメントをつけていたら、
  どんどん肥大化していってしまいました。
  そんなわけで、予定変更で、
  後記をそっくり本編とさせていただくことにしました。
  皆さんも童心に帰ってみてください。
  
  
  これは、前号の最後でちょっと触れた、
  年取るまでに、
  乗ってるだけで目的地に連れて行ってくれる車ができるといいな、
  という私の夢の車の話題に対して、
  とほほほドクターさんがくださったメールです。
  
  
   『こんばんわ。
    今回のメルマガの感想。
    21世紀になったら、自動車は空を飛ぶと思っていませんでしたか?
    私はそう思っていました。
    透明の筒状の道路(?)が空中に張りめぐらされていて
    その中をすべるように進む自動車。
    スーパージェッターなどの影響でしょうね。
    しかし、それが無理だとわかったのは自分が運転免許を取得した頃。
    私は昭和54年に免許を取りましたが、それが1979年です。
    21世紀まであと20年、いっこうに自動車は空を飛ばないし、
    そういう研究すらされていない。
    沢田研二が真っ赤なブルーバードに乗って颯爽と走ってみても
    そのブルーバードは鳥のように空を飛ぶわけではありませんでした。
    (あのJulieのCM、かっこ良かったですね。
    私はタイガース時代から彼のファンです。) 』
  
  
  
  ほら、昔あなたも、子供雑誌などで、
  リニアモーターカーみたいなのが、
  チューブ内を飛び交っていた、
  21世紀の未来予想図なんていうのに、
  胸をわくわくさせたことがありませんでしたか。
  
  
  当時の「21世紀」という言葉の響きは、
  まさに未来の象徴でしたよね。
  高度成長期で、どんどん発達して便利になっていく時代に、
  未来はこうなると言われたら、
  まして子供だったら、
  本当にそうなるんだ、と期待に夢を膨らませたものです。
  
  
  それに、とほほほドクターさんが、
  スーパージェッターなどの影響と指摘するとおり、
  私たちが親しんだヒーローたちは、
  そういう未来の、
  科学技術が進んだ世の中をベースにしたものとか、
  宇宙を意識したSF的なものが多かったですよね。
  
  
  鉄人28号、アトム、ウルトラマン、エイトマン、
  レインボー戦隊ロビン、遊星少年パピー、宇宙少年ソラン、
  スーパージェッター、009など、
  ざっと思いつくだけでも、
  みな未来世界を意識した設定。
  
  
  さらに、自分自身か乗り物かの差はありますけど、
  空を飛べるヒーローの確率も、とても高かったです。
  
  
  時代が未来設定でもなく、
  空を飛ばなくても人気があったのは、
  狼少年ケンくらいかな。
  もっとも、狼少年ケンが空を飛んでたら、
  アトムと似たような裸キャラになってしまいますから。
  そんなケンも、一応ツル草につかまっては、
  自由自在に飛びまわってましたけどね。
  
  
  そういえば、マッハ号も、空は飛べなかったけど、
  こんな話がありました。
  悪者がマッハ号のコピー車を作ったんですけれど、
  本物のマッハ号より優秀な機能もつけたのです。
  それが、空も飛べるということ。
  やはり、空を飛ぶということは、
  当時のヒーローものでは、
  かなり意識されていたのでしょう。
  マッハ号も、一応ジャンプで、
  飛距離を確保はしてましたけどね。
  
  
  とにかく、そんなものばかりを見ていたんですから、
  空も飛べる車だってできるかも、
  と思うじゃないですか。
  もっとも、大人になって現実的な目で見るようになってしまった今は、
  地上でも、頭の上でも、
  車がぶんぶん飛び交ってたらうっとうしいし、
  事故で車が落ちてでもきたら、
  おちおち地上を歩いていられない、
  なんて思ってしまいますが。
  
  
  さらにメールの続き。
  
   『もうひとつ。
    幼稚園の頃(昭和40年)、家族旅行で九州へ行きました。
    当然、鉄道利用です。
    九州に陸路(鉄道も自動車も含めて)で行く場合、
    関門海底トンネルっていうのがありますよね。
    アレですよ。
    子供にとっては透明の筒状の通路の中を
    列車や自動車が進んで行くと思いませんでしたか?
    私はそう思っていました。
    海中を進む私たちの列車、
    それと併走するかのように泳ぎ戯れる魚たち。
  
    1学年下の妻もそう思っていたそうです。
    彼女は長崎県の壱岐という島の出身ですが
    壱岐が博多と海底トンネルで結ばれる計画があると聞いて、
    最初にそう思ったそうです。
  
    海底と海中は違うのに、面白いですよね。
    以上、またお便りします。』
  
  
  この海底トンネルと聞くと、
  とほほほドクター夫妻のように、
  お魚が見えるトンネルを想像してしまう人も、
  私たちの年代には、多いと思います。
  こういう楽しい想像力が生まれるのも、
  宇宙科学ヒーローものや21世紀の未来予想図などを、
  見ていたからこそではないでしょうか。
  海の中にある敵のアジトみたいなのも、
  よく出てきたではないですか。


  鉄道用の関門トンネルは、すでに明治の頃より、
  海底隋道として計画され、
  軍事目的もあって、太平洋戦争の最中に開通したそうですが、
  当時の子供たちの中で、魚が見えると思っていた人は、
  どのくらいいたでしょうね。
  もっとも海底隋道では、
  お魚が見えるトンネルのイメージは、出てきそうもないですが。
  でも、世界初の快挙を遂げて開通した当時は、
  「龍宮の回廊」とも言われたそうですから、
  乙姫さまや鯛や平目の舞い踊りが見られると思った子供なら…。
  いないか?


  私がこの関門トンネルを列車で通ったのは、
  高校生の時。
  さらに、人と自転車用の人道トンネルもあることを知り、
  旅行で行った折に、
  わざわざ往復してみたのは30代になってから。


  もちろん、もう子供ではなかったですから、
  海中が見えない普通のトンネルだということは、
  百も承知です。
  でも、いずれのときも、
  お魚の見えるトンネルに通じるような意識は、
  私の頭の中に、まだしっかり残っていたのです。
  
  
  それは、トンネル内を通っているときに、
  この壁の向こうは海という感覚を、
  実に無意識に、あたりまえに持っていたということ。
  一歩、考えを進めたら、
  海の水の中にトンネルが作られてるわけではないって、
  すぐわかるにもかかわらず。
  
  
  その証拠に、これが川になると惑わされません。
  川の中に、トンネルを建設するのではなく、
  川底掘ってトンネル通すに決まってるじゃないの、
  と、当然の考えとして、すぐ出てくるのです。
  自分がふだん乗っている地下鉄が、
  まさにそれ。
  一度たりとも、海のときのような考えを持ったことはありません。
  その差はやはり、言葉の響き。
  
  
  海底トンネルという言葉には、聞くだけで、
  想像力が先行して広がっていってしまうものがあるのです。
  それが、幼い頃に見てた架空の世界に、
  触発されていることは否めません。
  対して、川の中には、
  架空の世界でもいたのは河童くらい。
  だから、むやみに未来志向の想像力が暴走せず、
  冷静に判断できるのかも。
   
  
  当時のヒーローものの世界と、
  現実とのギャップは、今よりもずっと大きかったです。
  そして、ギャップが大きいほど、想像力をかきたてられる度合いは、
  大きくなります。  
  それゆえに、想像力の発達には役立ったはずです。
  

  ひところ、クレヨンしんちゃんのものまねをする子供が、
  大増殖したことがありました。
  でも、しんちゃんになりきる想像力と、
  風呂敷を背中にはためかせたり、
  底の開いた箱を腰のあたりに持って、
  空を飛んでるつもりで走り回ってた子供との、
  想像力は全然違うと思いませんか。
  
  
  今の社会は、
  子供に物質的なものを、必要以上に与えることには熱心です。
  商売になるとなれば、社会風潮もそれをあおるのです。
  でも、心に夢を与えるという部分は、
  私達の頃に比べると、
  かなり貧弱になっている気がしてなりません。
  今の子供に拝金主義や想像力の欠如という兆候があるのは、
  そういう部分がないがしろにされてきてるから、
  とも言える気がするのです。
  
  
  今の子供に、昔みたいな、
  わかりやすくて、想像の余地があって、
  夢の持てるアニメを見せようとしても、
  そんなにたくさんあるでしょうか。
  アニメ主題歌にしたって、
  大人向けのポップスと大して変わらないじゃないの、
  って、感じの曲も多いし。
  夢のある子供らしい歌でいいじゃないの。
  
  
  時代に合わないということで、
  切り捨てられていってしまうにしても、
  子供向け番組に大切な要素までないがしろにしてしまうのは、
  どんなもんでしょう。
   
  
  子供向け番組に共通していたテーマは、勧善懲悪。
  正義感や人の道というものも、
  自然に理解していくことができるようになってました。
  もちろん、こういうヒーローものは、
  今だって健在ですけれど、
  その数は、私たちの時代の比ではありません。


  どんな危機に瀕しても、
  絶対に助かるのがヒーローですが、
  これも、最後まで、希望を持ってあきらめないということを、
  暗に教えてくれるものなのかもしれません。
  
  
  私達は、宇宙規模の科学技術ヒーローものを、
  一番たくさん見た世代であることは、
  間違いありません。
  海底トンネルと聞くだけで、
  海中に延びている筒状の透明の道が頭に浮かんでくるのは、
  当然なのです!
  と、ここまではっきり結びつけていいものかは、
  自信がないですが、
  でもあなたも、そのクチではないですか?
    

  そのせいでしょうか。
  地下鉄の車窓の暗闇を見ていると、
  ここにディズニーランド張りの、
  光のファンタジーショーとか
  幻想的なイルミネーションでも展開してたら楽しいのになあ、
  なんて想像を、今でもしてしまいます。
  塾通いの子供たちの頭の中に、
  そんなことを考えられる余裕を作ってあげたいものです。
 
 
  地下鉄の暗闇に、ぱらぱら漫画の原理を使った広告を
  設置したところはできましたけれど、
  そんな広告なんて味気ないったらありゃしない。
  
  
  まさに夢より商売が優先される社会を、
  象徴しているようです。
  
  
  でも、私がビル・ゲイツみたいなお金持ちになったら、
  やってさしあげますよ!
  お疲れ気味の人たちに、癒しと楽しさを!
  
  (注:以前とりあげましたけど、
   子供の頃も親に、
   「私が社長になったら買ってあげる」
   と大風呂敷広げていましたが、
   まったく実現してない奴であることを、
   ご承知おきください。)
  

  実際の21世紀は、あのころ思っていたより、
  ずっとずっと近いところにありました。
  そして、それは思い描いていた世界からは、
  ずっとずっと遠いものでしたね。


  まあ、21世紀も終わりのほうになれば、
  あのころ想像されていた宇宙時代に、
  追いつくのかもしれません。
  そしてその頃には、「22世紀」という言葉が、
  また、未来の希望の象徴として語られるようになるのでしょうか?
  
  
  私達も、120才くらいまで頑張れば、
  なんとか子供のころの未来の想像図にあったような、
  姿を見ることができるかもしれませんよ。
  それまで、みんなで気長に待ちましょう。
  
  
  「こんばんは。敬老の日の今日のニュースです。
   昭和30年代生まれの方たちが、
   子供の頃見たアニメヒーローのコスプレで遊ぶイベントを、
   楽しみました。
   正太郎君という少年に扮したこちらのおじいさんは、
   鉄人28号というキャラクターを、
   今は懐かしいリモコン操作で動かします。

   三船剛というレーサーに扮したこちらのおじいさんの愛車、
   マッハ号は、最新鋭の8つの機能が装備されてる車ですが、
   巨大な丸のこぎりが前面に出て、
   前方の障害物を切り倒しながら走行するとか、
   ジャッキでジャンプするとか、
   昔的発想でおもしろいものばかりです。
 
   こちらのおじいさんは、スーパージェッターと言います。
   30世紀の人間で、流星号というタイムマシンで活躍するという、
   今でも追いつかない未来のキャラクターです。
   でも、その流星号を呼び出す方法は、
   『流星号、応答せよ』と、腕時計型トランシーバーで、
   呼び出すというアナログな方式です。

   こういったキャラクターの機能や装備は、
   当時は、はるか未来の、科学技術の夢を結集した象徴でした。
   今から見ると、遅れていると思われる一方
   今でも実現できないものも、たくさんあります。
   昭和3、40年代の子供たちは、
   昭和の生活から、はるか彼方の未来まで見据えた世界の中で、
   想像力を養ったようです。
   お達者なことで知られる昭和30年代生まれのお年寄りたちは、
   まさに未来への夢と希望と共に、人生を歩んできたのですね。
   みなさんの元気の秘訣は、ここに隠されているのでしょうか。」
  
  
   なんてね。
   ほら、想像力豊かなのはいいもんよねえ。
   え、もうちょっとましな想像力にならないかって?
   

  

  
  ★☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    あれこれ後記
  ★☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  
  
 
   ◇大阪のかっちゃんさんが、63号のメルマガにちなんで、
    またまた懐かしい面影写真を探してきてくれました。


    この間の面影写真のページに、
    追加でアップしましたので、
    ご覧になってください。
    題して、「大阪のかっちゃんが行く!一丁目の朝日」
    
      http://wa.hitokiwa.com/photo.htm

 


   ◇前号で、漢字は違うけれど、甥が斉藤投手の名前と同じゆうきで、
    その父親の義弟が、田中投手と同じまさひろで…、
    なんて話をしましたが、
    後日談ができました。


    甥が、名前は同じでも、
    斉藤投手と同じ字でないことを、   
    ひどく、くやしがってるらしいのです。


    この話を聞いた我が父、つまりおじいちゃんは、
    こう言ったそうです。


    「かわいそうに。
     そんなもの、変えてやりゃいいじゃないか。」


    早速、甥には、
    おじいちゃんがそう言ってたよってことで、
    親に交渉してみろと伝えておきましたが、
    中三にもなると、簡単にのせられてくれないから、
    つまんない。
    (って、どんな伯母だ。)
  

    でも、この話を聞いた義弟も、
    自分の親にお願いするかもね。
    (そんなわけないだろ!)


    みなさんが、いい年こいてくだらないと、
    あきれる前に、
    自分で突っ込みをいれて収集つけましたので、
    お許しを。
    急に冷えて、頭に回る血が滞っているようで、
    頭痛が…。
    風邪ひいたかな?
    でも、頭痛がすると、
    くだらない一人ギャグをかましはじめるとしたら、
    それも問題だ…。
  

    それにしても、これからは、
    新宮様のお名前につけられた「悠」の字も、
    流行りそうですけどね。
                 (と、話を変えてごまかす…ひとみ)

    
                                   
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   発 行 日本の小粋な和みの暮らし「和・は・は」
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