「いいとき生まれた!昭和30年代」

メールマガジンバックナンバー

   


第60号 パン屋さん


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        いいとき生まれた!昭和30年代  第60号     


                    2006. 5. 11      


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  30歳代のころ、私の勤務先は神田でした。
  

  いや、おまえの30歳代の話じゃなくて、
  昭和30年代の話だろうが、
  という、皆様のつっこみの声が聞こえてきそうですが、
  まあ、聞いてください。

  
  一口に神田と言っても、神田○○町という地名を追うと、
  ゆうに2駅分くらいのエリアがあって、
  けっこう広い範囲です。
  都心の宿命で、
  ビルだらけのただの一都会といった風情でしたけど、
  一歩入ると、昔の神田を彷彿とさせる路地とかが、
  まだけっこう残ってました。

  
  ところが、時はバブル。
  地上げ屋の嵐にあって、そういう光景も、
  またたくまになくなっていきました。
  古い家が、取り壊され更地になり、
  あっという間にビルに変わっていく、
  あっちでもこっちでもそんな状態でした。
  

  何せ、勤務先のある場所を中心にして、
  200メートルの円を描いた範囲だけで見ても、
  あちらが終わると、こちらで工事が始まるみたいな感じで、
  工事をやっていない時がないという状態が、
  何年も続いていましたから。
  

  それでも、住人は減っても、
  勤め人はいますので、
  それなりに商売が成り立つのか、
  裏通りの昔からあるような小売店などは、
  けっこう残っていました。
  

  今日取り上げるのは、その中のお店のひとつです。
  

  ちょっと見には、カップヌードルなんかが陳列されていたり、
  アイスボックスが置いてあったりと、
  ふつうの食料品店みたいな感じなのですが、
  中に入っていくと、
  昔のパン屋さんみたいに、
  手作りのパンがケースに並べられて売られているのです。
  もちろん、ケースも木枠で、
  しゃれっ気なんてまるでない、
  昔のまんまのショーケース。
  

  当時は、こういうケースの中に、
  コッペパンにジャムとかピーナッツを塗ってあるだけの、
  とても素朴なパンや、手作りサンドイッチ、
  渦巻き型のチョコレートパン、揚げたカレーパン、
  グローブみたいなきめ込みがあるクリームパン、
  丸くておへそのあるあんパン、
  楕円形のジャムパン、淡い緑のメロンパンなどなど、
  形だけでわかる、基本的なパンばかりが並べられていました。


  チョコレートパンなんて、
  今ではコロネなんて気取った言い方が浸透してますが、
  当時はそんなこと言っても、もちろん通じません。


  それを見て、パンを選んで、袋に入れてもらいましたね。  
  この、ケースの中身を見ての注文スタイル自体は、
  ケーキ屋、和菓子屋、お肉屋などなど、
  今でもたくさん残っています。
  でも、パンをこのスタイルで買うことは、
  少ないのではないでしょうか。
  今はむき出しに置かれたパンを、
  セルフサービスで取って、
  レジに持っていく方式が主です。
 
 
  ずっとむき出しで置いてあるくせに、
  レジに持っていくと、
  1個ずつ袋に入れてくれます。
  「袋がもったいないなあ。
   くっついたり、崩れたりしないものは、まとめてくれていいのに。」
  と思いますが、内気なものでそんなことは言えません。
  あ、読むのやめないで。  


  本当のところは、
  マニュアルどおりに、
  1個ずつぽんぽん入れることに慣れている店員さんに、
  選別分類で入れてもらうことを要求するほうが、
  かえって時間がかかりそうだから、
  黙って見ているだけのことです。
   

  どうせ1個ずつ入れるなら、
  最初から入れておいてくれたほうが、
  衛生的だと思うけど、
  お店から見たら、売れ残りのパンの分の袋が
  節約できるということになるのでしょうか。
  

  同じセルフ方式でも、
  個人商店とか、
  無添加パンなどこだわりのあるパンを売っているお店では、
  ラップにくるんでおいてあるところが多いですけどね。
  そのほうが、やっぱり安心は安心。  
  

  今のセルフ方式自体は、
  人件費の節約にもなるだろうし、
  買うほうも気兼ねなくゆっくり選べるから、
  それは悪くないと思いますけどね。

  
  話が脱線しましたが、
  とにかく、そのお店のレトロなショーケースにも、
  昔みたいなパンが、並べられているのです。
  最初は、食い気が勝ってたか、
  何を選ぶかに気をとられていて、何気なく注文しました。
  そのとき、
  「そういえば、パンをこんな形で買うのは、
  久しぶりだなあ。」
  と思ったのです。
  で、よくよく見ると、そこにあるケースもパンも
  懐かしい光景ではないですか。

  
  ちなみに、表通りには、
  おしゃれなサンドイッチやさんもありました。
  こちらも、考えたら、
  ケースの中に並べられた昔方式の買い方をしていたのです。
  でも、おしゃれなショーケースと、
  おしゃれなサンドイッチのせいか、
  まったく、そこには気がついていませんでした。


  ということは、
  最初は、買い方スタイルで懐かしさを感じたと思ったのですが、
  後から気がついた木枠のレトロなショーケースと
  基本的で素朴なパンが、
  実は、その感覚を呼び覚ましてくれていたというわけです。


  そういえば、前号でHPで公開したと報告した、
  jararacaさんが送ってくださった写真の中で、
  現代版ロバのパン屋さんのレトロなショーケースがありましたが、
  あれもなかなかいい味を出してましたね。


  古臭くても、野暮ったくても、
  作った人間、使った人間の温かみが伝わるものが、
  心に訴えてくる力があるということなのかもしれません。
  

  さらに、お店の人が言うことにゃ、
  「消費税はいりません。」
  えっ、これも、昔のままということ?
  昔と違うのは、パン本体の価格だけでした。


  消費税導入当時は、神田の個人商店では、
  消費税を取らないというお店が、いくつかありました。
  でも、やはり続けていくのは大変なようで、
  だんだん取るようになっていってしまいました。
  いずれにせよ、こう簡単に税率を上げることばかり考えられては、
  存続し続けていくのは無理だったでしょうが。
 

  よく、消費税を収めなくていい小さな業者が、
  税を取るのはおかしいという人がいます。
  でも、仕入れるときには、
  小さな業者も、消費税を払って仕入れているのですから、
  お客から消費税をまるで取らないでやろうとすれば、
  その分は業者が負担するわけで、
  一概に責めるのは可愛そうです。
  責めるなら、消費税と中途半端な制度を作った連中ですな。
  

  そうそう、そのお店で売っていた卵サンドは、
  味も昔の手作り卵サンドそのままの味がしました。
  あの卵の味を出したいと思ってるんですが、
  家で作ると、ああいうまろやかな味になりません。
  何か、コツがあるのでしょうね。

  
  
  


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    あれこれ後記
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  ◇今日はパンの話でしたので、水をさすようですが、
   前号の駄菓子屋さんとお菓子屋さんの話に
   jararacaさんがこんなことを。
   

   『あれ今考えてみると、どの位お店に有ったものなのでしょうか?
    そういえばパンを買って家に帰ってからカビが生えているのに気づき
    「オバチャーン カビが生えていたよ 交換して」って
    普通に頼んでいました。
    いま親に聞くと子供が買いにいくと、
    わざとそんなものを渡していたお店も多かったらしいです。
    今なら大騒ぎになりそうです。』


   昔は賞味期限なんて、あまり神経質ではなかったですからね。
   これはパンだけの話ではなく、
   子供が行くと、古いものを渡したり、
   つり銭をごまかしたりするようないいかげんなお店があったのは、
   事実でしたね。  


   そうか、母は別のチェックで、
   「買ったものは持って帰ってきて見せてから食べよ。」
   と言っていたけれど、
   実は、そのへんのチェックもしてたのかもしれない。
   まあ、してもしていなくても、
   返事は「もちろんしていた。」ということになるので、
   聞いても無駄ですが。
  


  ◇パソコンテレビGyaoでやっていた、マッハGOGOGOが終わってしまって、
   もしかしたら、子供の時より、がっかりしているかもしれない発行人です。
   最初は、興味本位でいつか見てみよう程度に思ってたので、
   忙しさにかまけて見逃していましたが、
   1度見たとたん、
   しっかり・どっぷり・すっかりはまってしまいました。
  

   しかし、驚いたのは、
   最初に、「本作品は時代背景により、一部不適切と思われる表現が…」
   と、断り書きが表示される回が、多かったこと。
   確かに、当時は普通に使われていて、
   今は差別用語となっている言葉が、時々あったけれど、
   どれがそうなのか、気づかない回も多かったです。
   だから、あまり出ると、私たちの見てきたものって、
   そんなにひどいもの?と、ちょっと悲しかったです。


   また、当時からカラー作品だったなんてすごいですが、
   それをカラーで見ていた人のほうが、
   まだ少なかったろうなというのも、
   どこか、悲しいものがあります。
 

   私なんて、最初は、カラーだと思ってなかったから、
   「現代に合わせて、全作品に色をつけたの?
    そんな手のこんだことするのかなあ。
    それとも、コンピューター処理で簡単なのかな。」
   って、本気で考えてました。
   愛川欽也が、三船剛の兄の
   覆面レーサーの声をしていたというのもびっくり。
   2枚目の声で、名前が書かれてなければ絶対わかりません。


   でも、子供の頃、白黒テレビの前で見ていた漫画を、
   中年になって、パソコンで見ているなんて、
   想像もしませんでした。
   だから人生ってわからないんだなと、
   つくづく思いました。
   (もっと、違うことで感じ入るべきでしょうか?)


   新聞で読んだのですが、
   製作者は初めてのカラー作品ということで、
   力が入って色を使いすぎ、
   肝心のマッハ号に使う色がなくなって、  
   マッハ号が白になったそうです。
   そのマッハ号ですが、
   私は車にそんなに興味はないほうなんですが、
   マッハ号のクラクションの音に、今更ながら惚れました。
   
  
   
  ◇ところで、今日は昔のアニメに関する話題もう一つ。


   大阪のかっちゃんさんが、
   おもしろいサイトを見つけたと教えてくださいました。
  
  
   昔のアニメ主題歌を聞くことができるサイトです。
   簡単なアニメ情報もわかり、一覧を見てるだけでも、
   わー、懐かしい!という感じです。

  
   どんな歌だったかな?と思って聞いてみたのに、
   気がついたらしっかり一緒になって歌っている自分に気がついたりして、
   ぼけても昔のことは忘れないというのは、
   どうやら、本当ですな。
      

   サイトを見に行って、つい遊んでしまい、
   かっちゃんさんにお礼のメールを入れるのが、
   遅くなってしまった私です。
   皆さんも、ぜひ楽しんでください。
  

   http://www.komatomo.com/tv/anime/menu.html
  
  
  
   さらに、かっちゃんさんは、
   今でも現役というミゼットが展示されていたという写真も、
   送ってくださいました。
   わざわざお願いして、撮らせていただいたそうで、
   本当に、ありがとうございました。
   この写真も、前回のjararacaさんの写真を公開したページに、
   追加でアップしましたので、
   ごらんになってください。
  

   http://wa.hitokiwa.com/photo.htm


   私の話より、
   かっちゃん情報を先にすべきでしたが、
   そうすると、皆さんアニメサイトに遊びに行ったまま、
   私のくだらないおしゃべりにはつきあってくれそうもないので、
   最後に出しました。


   でも、どちみち飛ばされてる?
 
     
  
                              (ひとみ)



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