「いいとき生まれた!昭和30年代」

メールマガジンバックナンバー

   


第59号 駄菓子屋さんとお菓子屋さん


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        いいとき生まれた!昭和30年代  第59号     


                    2006. 4. 21      


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  前号に対していただいたメールを読むと、
  呼び出し電話に、子供ながらに走った経験を持つのは、
  もしかしたら、昭和30年代世代が一番多いかもしれないと、
  気がつきました。
  とにかく、呼び出すほうも、呼び出されるほうも、
  ひたすらあせって走ったのですが、
  今ふりかえると、それがのん気な光景に見えてくるのですから、
  時代のスピード化、変わりようはかなり激しいですね。  
  

  さて、今日は、
  今まで登場してそうでしてなかった駄菓子屋さんから、
  まいりましょう。
  子供の頃、呼び出し電話に走った経験者もそうですが、
  駄菓子屋に通った経験者でも、昭和30年代世代は、
  かなり高い確率をキープしてると思います。
  
  
  これは昭和40年代世代にも、多いでしょう。
  事実、前にテレビで、
  そのくらいのリポーターが、駄菓子屋を見つけて、
  「わー、なつかしい!」
  と歓声をあげてました。
  
  
  「この年代でも、やっぱりそう感じるんだな。」
  なんて思って見ていたら、
  「よく、100円持って、通いましたよね〜。」
  
  
  思わずピキッと、額に線が走りましたわ。
  駄菓子屋に100円単位なんて、ゆるせ〜ん!
  もちろん、30年代世代なら、
  「10円持って」
  というところです。
  いや、駄菓子屋と言ったら、そうでなくてはならぬのだ!
  同じ駄菓子屋体験でも、
  そこには確実に時代の流れがありました。
  
  
  しかし、今の駄菓子屋さんは、さらに違う世界。
  ショッピングモールなどに、
  やけにこぎれいな店構えで、入ったりしてます。
  売ってる人も、おばちゃんではなくて、
  アルバイトの若いお姉さんかなんかが売っています。
  まあ、買ってるお客も、子供ではなくて大人が多いですけど。
  もちろん、お値段もかなり違います。
  
  
  言うまでもなく昔の駄菓子屋は、
  こんなのではありません。
  まず、家の一部を店にしたという感じでなくてはなりません。
  究極の駄菓子屋は、
  借家住まいの玄関を店にしていたところもありました。
  お店をやるのも、その家の、
  子育てが終わった主婦とかお年寄り。
  今のコンビニほどではないけれど、
  駄菓子屋のないエリアはなかったのではというくらい、
  どこにでもありました。
  
  
  きちんとしたお店のスペースがあるところでは、
  駄菓子が並べられている脇に、
  お好み焼きとかもんじゃ焼きとかが、
  食べられるようになってるところもありました。
  でも、ここを利用するのは、ある程度大きくならないと、
  金額的にも、焼く作業にしても無理です。


  ですから、小さい子にはそこは関係ないスペース。
  もっぱら駄菓子を買うほうがメインです。
  私は、学校にあがるまでは、
  おこづかいが一日10円でしたから、
  以前に登場した屋台の引き売りのおでん屋とパン屋と、
  そしてこの駄菓子屋が、主なおこづかいの使い場所でした。
  当時は、10円でも、
  これだけ買える選択肢があったのですからねえ。
  しかも、こういう中には、
  一ケタの値段のものもありましたから、
  儲けなんて、あったんだろうかと思ってしまいます。
  20円、30円なんて品物が欲しいときは、
  二日分、三日分とためて買いにいきました。
  
  
  以前、紙芝居屋の話のときに、
  包装されていないものは不衛生ということで、
  母が買うのを許さなかったということを記しましたが、
  駄菓子屋にもその掟は適用となってました。
  
  
  で、駄菓子屋で買うのも、包装されたものが主。
  そこでよく買ったのは、
  オレンジマーブルフーセンガムとかライスチョコとか、
  グッピーラムネとかさくらんぼ餅とか、そういうものが多かったです。
  また、魔法のけむりなど、
  今から思うとたわいもないおもちゃ系にするときもありました。
  
  
  食べ物だったら、その場で食べてしまえばわからない
  とお思いでしょう。
  しかし、そんな子供の浅知恵など、
  当然のごとく、全て見透かされてます。
  しっかりと、
  「買ったものは、家に持って帰って見せてから食べよ。」
  というお達しが発せられておりました。
  
  
  もっとも、それは小さいときだけで、
  小学生くらいになれば、
  自然にそのお達しも、
  あってないようなものになっていきました。
  で、包装されてないものでも、
  けっこう自由に選べるようになりました。
  (と、勝手に解釈した。)  


  でも、自由になってみると、
  包装されていない駄菓子の中には、
  あまり、自分が食べたいと思うようなものがない、
  ということに気がついたのです。
  ねりあめとか、すももあめとか、梅ジャムせんべいとかいう
  駄菓子屋の定番ものを見ても、興味がわきませんでした。
  結局、興味を持てたのは、
  糸をひいて選ぶくじつきの円錐形のあめとか、
  くしに刺された味つきののしいかとか、
  ごく限られたものだけでした。
  で、結局包装されたお菓子を選ぶことが多かったのです。
  これなら、調教の必要はなかったのではないかと、
  今更ながら思います。
  それとも、これこそ調教された結果だったのかしら。

  
  一方、普通のお菓子やさん。
  こちらには、子供だけで行くということは、
  ほとんどありません。
  同じお菓子でも、駄菓子やさんは子供だけで行くところ、
  一般のお菓子やさんは親と行くところ、
  という厳然たる線引きがありました。
  子供のおこづかいで、気安く毎日買いに行けるものは、
  こちらにはありません。
  
  
  お菓子やさんに行くときは、
  買い物のついでによることが多いので、
  ほとんど母と一緒に行った記憶ばかりです。
  お菓子屋の前を素通りする日と、
  お店に入っていく日では、
  天と地ほどの差がありました。
  
  
  お菓子やさんには、店の真ん中に、
  どかんと平台のケースが置かれていました。
  平台は小分けされて、それぞれにガラスの蓋がついていて、
  種類ごとにお菓子が入っていましたよね。
  ここでは、量り売りが基本。
  
  
  駄菓子やさんでは、
  袋に大量に入れてもらうなんてことはありませんが、
  お菓子やさんでは、
  白い紙袋に景気良く、
  がさっとお菓子を入れてくれます。
  「わー、こんなにたくさん!」
  と内心喜んでいると、
  秤に乗せた袋から、
  どんどん戻されて、
  はらはらどきどきひやひや…。
  こんな経験、あなたもお持ちですか?
  
  
  しかし、この場面では売る方も買う方も、
  秤とにらめっこになります。
  微妙な緊迫感が漂います。
  
  
  お菓子の大きさによって、
  なかなかぴったりとはいかないときもあります。
  ほんのわずかな差はアバウトになるときも。
  でも、そのアバウトが、
  たとえわずかでも多い方に傾くか、少ないほうに傾くかで、
  気分的に違います。
  
  
  微妙に少ないときは、
  お菓子屋さんが秤から持ち上げるのが、
  気のせいか早かったような…。
  もっとも、たいていは
  「このくらいは、おまけしときましょうかね。」
  ということになることが多かったですけど。
  
  
  商売を心得ていたからでしょうか。
  それとも、子供3人に母も加わって、
  4人でじーっと眺めていたから、
  そうなったんでしょうか?
  
  
  お菓子やさんの奥には、
  石油缶くらいのお菓子の箱がたくさん積まれていて、
  ケースの中のお菓子がなくなると、
  そこから補充してました。
  あの缶いっぱいにお菓子があるんだと思うと、
  うらやましかった〜。
  
  
  でも、お菓子をすくうスコップが、
  そのままケースの中に戻されることを思うと
  衛生面とか品質管理の面では、
  よろしくなかったかもしれません。
  
  
  でも、当時はそういう売り方は普通でした。
  あっ、今気がついた。
  おっかさんこそ、包装されてないものを
  買ってたじゃないの。
  って、今頃気がついてる自分もどうよ。


  でも、もし、当時気がついて指摘をしてたら、
  母はどうしたろう。
  「うちの子は、するどい切れ者だわ。」と感心。
  ありえない。
  「お菓子やさんのはきれいだから、大丈夫なの。」と言い訳。
  無理がある。
  「なら、もう買わない」
  これだな。
  やっぱり、今頃気がついてるくらいで正解であります。
  子供としては、お菓子を買ってもらうのには異論はないわけで、
  本能的に、気がつかないようになってたのかも。
  
  
  こういうスタイルのお菓子屋さん、
  私のまわりにはないだけで、
  古い商店街などを探せば、今でも残っていそうな気もしますが、
  どんなもんでしょうね。
  



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    あれこれ後記
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  ◇2、3歳頃の写真に、
   どこかの土手みたいなところに遊びに行ったものがあります。
   そのときの写真全部が、
   片手にお菓子が入っていると思われる白い紙袋を握り締めています。
   量り売りで買ってもらったものを、
   一日手放さなかったものと思われます。
   食い意地はってる子供だったことが、よくわかります。
  
   でもこれ、中に入ってるのが、かりんとうみたいのだと、
   油がしみてきたりしたものですよね。
   ほんと、素朴な時代でした。
  
  
  
  ◇よくメールをくださるjararacaさんが、
   前に串刺しのたこ焼きの話を送ってくださいました。
   私は見たことがなかったのですが、
   jararacaさんの子供時代にはよくあったものだそうです。
   この前、それを見つけたということで、
   今度は写真を送ってくださったのです。
   串刺しになったたこ焼き。
   可愛くて、笑ってしまいました。
  
  
   これは私だけで楽しんではならぬ。
   串刺しのたこ焼きを知っている人もいるだろうし、
   公開しようと思っていたところ、
   また楽しい写真を何枚か送ってくださいました。
  
   
   そこで、それも含めて、
   皆様にもお見せしたいということで、
   ホームページにアップしました。
   今もある昭和30年代の面影写真。
   皆様もごらんになってください。
  
   http://wa.hitokiwa.com/photo.htm
  

   知ってる人には懐かしいもの、
   知らない地域の人には、珍しくて楽しめるものです。
  
  
  ◇最近、パソコンの調子が悪くて、
   文字が虫食い状態になったり、印刷で文字が出なくなったりしたので、
   サポートセンターに問い合わせたら、
   フォントファイルがおかしくなったということで、
   対処方法を教えてもらい、また快適に動き出しました。
   やれやれと思ったら、
   また、デスクトップのアイコンなどが、
   突然すべて消えてしまうという現象が…。
   再起動で元に戻りましたが、今度はなんなんだ〜。
   このパソコンは、まだ買い替えて3年にもなってないのにい!
   
  
   そんな調子なので、
   完全におかしくなってしまったら困ると思って、
   ホームページにアップするために、
   恐る恐るながらも、急ピッチで作業しました。
  
  
   こういうときって、予備のパソコンがあると、
   安心できるなあとつくづく思いますね。 
   でも、おかげで予定より、アップを早く進められたから、
   良かったのかな。
  
                             (ひとみ)


  
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