「いいとき生まれた!昭和30年代」

メールマガジンバックナンバー

   


第54号 鯨


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        いいとき生まれた!昭和30年代  第54号     


                    2006. 2. 2      


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  前々号で、昭和30年代の食卓の話をしましたが、
  昭和30年代の家庭の食卓にあったものが、
  まだあります。
  
  
  それは「鯨」。
  当時は、魚屋さんの店頭に鯨の切り身とか、
  赤っぽい鯨のベーコンとかが普通に並んでましたね。
  哺乳類なのに、肉屋でなく、
  魚屋に並んでたのは鯨だけだろうな。
  
  
  私が学校給食を食べていたのは、
  40年代に入ってからですが、
  その頃の献立にも、
  しっかり入ってましたね。
  鯨の竜田揚げとか。
  商業捕鯨が取りやめになるまでは、
  お財布にもやさしい鯨は、
  普通に生活に溶け込んでいるものでした。
  
  
  ちょうど、鯨のことを思い出していたころ、
  デパートの駅弁販売の催しもので、
  鯨のカツ弁当があるというのが、
  テレビで放映されてました。
  若いリポーターが一口食べると、
  こう言いました。
  「柔らかくておいしいです。」
  
  
  え、今の鯨は柔らかいの?
  私の覚えている鯨は、
  硬くて筋っぽいものだったけど。


  そのときによって、
  多少固さは違っていましたが、
  家でも給食でも鯨が出てくると、
  「今日は心して食らわねばならぬぞ。」
  という気になってました。
  だから、かぶりついてみて、
  けっこう食べやすい固さのときは、
  ほっとしてたものです。
  
  
  そのせいで、私にとって鯨は、
  食べないほど嫌いではないけど、
  格別好きというほどのものでも
  ありませんでした。
  きっと、何か柔らかく調理できるコツとかが
  あるんでしょうね。
  (それとも、ただお定まりのフレーズを言っただけ?)
  
  
  今の子供たちからしたら、
  「昔は、鯨は家庭でも普通に食べられてたんだよ。」
  ということは、
  「昔は、トドは家庭でも普通に食べられてたんだよ。」
  というのと同じようなものかも。
  まあ、トドまではいかないかもしれませんが、
  熊や鹿や猪といったような馴染みの薄いお肉と、
  同列の存在になってしまったでしょうね。
  
  
  鯨はかなり古くから食べられていたようですが、
  あんな大きなものを、
  手漕ぎの木の船しかないだろう時代から、
  捕ってたなんて、すごいものです。
  
  
  原始時代は、マンモスみたいな大きな生き物も捕まえて
  食べていた人間ですけど、
  海という自分達のフィールド以外の場所でも、
  巨大な鯨を捕まえるという発想が生まれるなんて、
  恐るべし、人間の食欲…、
  じゃなくて、見事なチャレンジ精神。
  
  
  鯨の数が減って、昭和30年代にも、
  捕獲していい鯨の種類に、
  規制はかけられていたようです。
  それでも、昭和63年に完全に商業捕鯨をやめるまでは、
  普通に流通しているものでした。
  
  
  とはいえ、今でも食べようと思えば、
  鯨料理のお店などもあるし、
  お肉も取り寄せることができます。
  それは、調査捕鯨で捕まえた鯨肉を使用しているわけです。
  
  
  ところが、この間、ドイツの平和団体だかなんだかが、
  日本大使館の前に、打ち上げられた鯨の死体を放置して、
  日本のこの調査捕鯨に抗議したそうです。
  これに対して、日本大使館は沈黙を通したというけど、
  無視したのか、何も言えなかったのか、
  そこが知りたいところ。
  
  
  私個人としては、
  日本が、どうしてここまで捕鯨にこだわるのか、
  よくわかりません。
  「鯨が増え過ぎたら、
  海洋資源を食い荒らされて困ることになるぞ」
  というのにも、
  もうちょっとましな論理はないかい?と思ってるほうです。
  
  
  調査捕鯨といっても、
  実際は販売用として流通してるのですから、
  実質、商業捕鯨だとも思います。
  
  
  でも、いくらなんでも、
  どでかい鯨の死体を、
  わざわざ運んでくるなんて、
  抗議というより嫌がらせにしか思えないんですけど。
  
  
  もう一つ、単純な発想ながら、
  危惧してるのは、
  このままでは、鯨の数が減ってるのは、
  日本のせいにされてしまわないかということ。
  
  
  鯨の数が減リ始めたそもそもの原因は、
  米英など外国の乱獲にも原因があるのです。
  ペリーが日本に開国を迫ったのも、
  日本を捕鯨基地にしたかったから。
  (軍事基地よりは平和ですけど)
  
  
  しかも彼らは、鯨油をとるのだけが目的であり、
  無駄なところを出さないで利用しまくる日本人とは、
  訳が違う。
  当然、捕獲数も多かった。
  
  
  こういうことも積み重なって、
  数が減っていたのに、
  いつまでも日本が捕獲にこだわれば、
  鯨が減ったのは、未だに捕獲をやめない日本が原因だ、と、
  それまでのすべての全責任を、
  押し付けられてしまうことになりませんかね。
  
  
  今、まぐろが似たような状況になってきてますが、
  将来また食べられるようになるには、
  やはりここは我慢のしどころではないでしょうか。
  
  
  本当に、鯨が増えすぎて海洋資源を食い荒らすようになったなら、
  だから言わんこっちゃないと、
  堂々と捕獲すればいいではないですか。
  
  
  そうしたら、また魚屋の店頭に、
  鯨の切り身やベーコンが並ぶ時代が来て、
  あの懐かしい風景が再現するかもしれません。
  まあ、私達が生きているうちに、
  そうなるかはわかりませんし、
  今の子の柔な顎で、
  鯨にたちうちできるかもわかりませんが。
  
  
  
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    あれこれ後記
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  ◇鯨に関しては、疑問に思っていることがありました。
   非難をあびてまで捕獲してくるのに、
   迷い込んで死んでしまう鯨のお肉は、
   なぜ食べないで、埋めてしまうのかということ。
   聞くところによると、そういうのは病気の心配があって、
   食用にはできないのだとか。
  
  
   でも、海から捕獲してきても、
   病気で弱ってたから、
   捕獲されやすかったという鯨も、
   あるかもしれないなあ…。
   健康診断してから捕まえるわけじゃないし。
  
  
   鯨に関しては、他にもかねてから、
   疑問に思ってることがあります。
   平和的なホエールウォッチングでも
   思うのですが、
   鯨が突如、船の下のもぐりこんで、
   下から突き上げる危険とかってないのでしょうか。
  
  
   って、なぜにこんなに疑り深い方向へ考えてるんだ?
  
  

  ◇前号のお正月の遊びで、jararaca さんから、
   こういうメールをいただきました。
   一部をご紹介します。


   「私の子供の頃の正月3が日は、
    親戚のうちにいくか初詣に行くくらいで
    何も出来なかったですからね。
  
  
    正月に開いていたのはボーリング場と映画館位で
    どちらも子供だけではいけなかったし、
    また友達も帰省していたりで
    面子もそろわなかったしで本当に退屈してました。
  
  
    働き出した時も盆正月関係ない仕事だった所為で
    正月やお盆に食べるものが無くて困っていたのが
    段々コンビニが増えて正月にも開いてる様になり
    (開いてておめでとうってセブンイレブンのCMを覚えています)
    初売りがどんどん早くなり便利にはなってきました。
    ああそういえば初荷の札を付けたトラックを見なくなったのは
    何年頃からなのでしょうか?
  
  
    便利なのは良いのですが昔の梃子でも動かない正月が懐かしいです。
    「お客様は神様です」でなんでも早く便利に効率的にと言うのは
    正しい方向なのかなとこの数年正月がくるたびに考えてしまいます。
  
  
    正月の遊びの事が書かれていましたが、
    私が住んでいる所では独楽まわしが喧嘩独楽で
    冬休みには姑息にも独楽は持ち歩いてはいませんでした。
    だって割られてしまうのが悲しかったんだもん。
  
  
    ついでですがここらでは獅子舞も正月ではなく秋の風物です。」
  
  
   獅子舞が秋の風物というのもおもしろいのですが、
   確かに昔のお正月って、退屈でしたよね。
   デパートをはじめ、お休みのところがほとんどだったし。
   昔ながらのお正月の遊びが、まだ残っていたのは、
   そういう時代だったからこそというのが、
   大きな理由だったのかもしれません。


  
  
                              (ひとみ)






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