「いいとき生まれた!昭和30年代」

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第48号 紙芝居


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        いいとき生まれた!昭和30年代  第48号     


                    2005. 10. 20        


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  前号の公園の話で、jararacaさんから
  公園の思い出話をいただきました。
  
  
  『縄張りの公園や空き地がいくつか有ったのですが、
   そのうちのひとつに紙芝居の
   おっちゃんが来る公園が有りました。
  (昭和45〜47年くらいじゃないかと思います)
  
   ただ紙芝居は見た覚えがないのが不思議?なのですけども!
   多分その頃の子供はあんまり紙芝居には興味が無く
   おっちゃんがやる気をなくしていたか? 私が行く時間が
   合っていなかったのかのどちらなのでしょう?
  
   ただ紙芝居のおっちゃんの型抜きとか
   名前の分からないパズルみたいなもんが
   楽しくて楽しくてしょうがなかった思い出が残っています。
  
   私たちは夢中になってたのですが
   型がそろって景品と交換出来る頃になると、
   おっちゃんが顔を見せなくなってきます(笑)
   おっちゃんにとってはいい鴨だったのでしょうねぇ(大笑)』
  

  

  かなり怪しいおっちゃんです。  

  
  しかし、このメルマガも48号になるなら、
  これまでには当然出てもいいのに、
  一度も取り上げなかった話題が、この紙芝居。
  

  なぜ、この話題が出なかったのか。

  
  それは私が、紙芝居にあまり馴染みがなかったからです。

  
  「えーっ!」
  という声が聞こえてきそうですが、
  本当にほとんど思い出がないのです。

  
  紙芝居が来なかった?
  いえ、そんなことはありません。
  来てました。
  それも、しっかり家の前の広場に。

  
  ところが、この家の前の広場に来ていたことが、
  私と紙芝居の縁を薄くした、といっても、
  過言ではありません。
  

  それはなぜかと言いますと…。
  

  紙芝居やのお菓子を買うことが、
  許されなかったからです。
  

  それはなぜか?
  

  うちの母は、包装されていないものは、
  汚いという考えがあったのです。
  だから、紙芝居やの箱の引き出しに、
  むき出しで入ってるようなお菓子は、
  買ってはだめ、
  というお達しだったのです。
  (なぜにここだけ、
   深窓の令嬢みたいな扱いになる?)

  
  それを破れば、
  お小遣いがもらえなくなるということで、
  家の前で冒険するのは、あまりにリスクが高くて、
  スリリングすぎました。

  
  ってんで、広場で遊んでいるときに、
  たまたま紙芝居やが来ても、
  お菓子を買って、正々堂々と見られる子供たちの集団の後ろのほうで、
  眺めているだけ。


  「おじさんが勝手に私の遊んでいるところにやってきて、
  勝手に何か始めただけだかんね。
  だから何やってんだろと思って見てるだけだかんね。」
  そういう、さりげなさを装いながら、
  内心は、おじさんに追い払われないかと気にしつつ…。


  ですから、私にとって、紙芝居やの紙芝居は、
  子供心にやましさを感じながら見るものでしか
  なかったのです。


  自分の子だけが、ぽつんと離れていたら、
  母も、これではうちの子、かわいそうかも
  と思ってくれたかもしれないですが、
  幸か不幸か、そういう遠巻き組の子供も、
  けっこういるもんです。
  

  紙芝居やが来るのを待っていて、
  お小遣いを持って出てきてる子は別ですが、
  普通小さい子供は、ただ遊ぶ時に、
  お金なんて持って出ませんでしたよね。
  だから、そういうのが来ると、
  あわてて家にお小遣いをもらいに走ったりしてました。
 
 
  でも、家まで戻るのが大変な子とか、
  経済的事情でもらえない子、
  すでに使ってしまった子など、
  何かの理由で買えない子もけっこういたもんで、
  (ただし、うちみたいな理由の子は、
   あまりいなかったと思う)
  自分だけがぽつんということにはなりませんでした。

  
  で、紙芝居ではなく、
  何をしているのかを見ているだけだという風体の、
  後方ただ見組の一員となるのです。

  
  小学生くらいになって、
  違う公園などに行ってるときに、
  見かけた紙芝居やの中には、
  「買わない子は見ちゃだめだよ。」
  と露骨に言ってる人もいましたね。

  
  幸い、うちの前に来ていた紙芝居やは、
  さほどうるさくなかったけど、
  かといって、どうぞどうぞというわけでもなかったから、
  いつもそうやって見てれば、
  覚えられてしまうので、
  毎回というわけにはいきません。
  

  となると、連続物ですから、
  さっぱり意味がわかりません。
  で、たまに後ろのほうから見たとしても、
  あまりおもしろくなかったのです。

  
  そんなわけで、家にいるときに、
  紙芝居やの拍子木が聞こえてきても、
  飛び出していくこともなく、
  ただ「紙芝居やさんが来た。」
  と言ってる程度でした。
  

  ですから、紙芝居のために、
  親の目の届かないところまで、
  毎回遠征しようと思うほどの情熱もわきませんでした。
  
  
  もちろん、公園や広場などに、
  紙芝居やが来ていた光景は覚えていますし、
  見れば懐かしいなあとは思いますが、
  自分自身が楽しんだというような、
  思い出にまではならなかったのです。
 

  これは、今でも残念だったなあと思います。
  この点に関しては、母に文句を言いたい気もしますが、
  子供を思うゆえの母心と思えば、
  致し方ないかもしれません。
    
  
  でも、もし娯楽の少ない時代だったら、
  紙芝居の位置づけは、もっと違ったものであって、
  あれですんでしまったのも、
  娯楽の増えた時代ならではのことだったかもしれません。


  紙芝居やが消えていったのも、
  そういう時代の波に押されていってしまったんでしょう。


  そして、さらに時代は進み、紙芝居やどころか、
  公園や広場で遊んでいる子供の姿自体も減ってしまいました。
  午後でも誰も遊んでいない公園なんて、
  珍しくなくなりましたね。

  
  

  
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    あれこれ後記
  ★☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  
   
  
  
  ◇前号で公園のブランコの話をしたら、
   公園で一人でブランコで遊んでいた女の子が、
   指を切断した事故がありましたね。
   もし、当時の自分だったらと思ったら、
   ぞっとしました。
  

   その前は、滑り台で、男の子が同じく指を切断した事故がありました。
  
   
   子供は何をするか予測できないものですし、
   怪我をしようと思ってする子供もいませんから、
   大人がしっかり安全点検するのはもちろんですけど、
   子供自身の注意力も、伸ばしてあげないといけないですね。
   危険に遭うのは子供自身です。


   以前も、取り上げましたけど、
   安全基準ほったらかしの昔が、
   今より子供の事故がずっと多かった、
   ということはないですから。

 
  
  ◇株のこととなると必ず登場する村上世彰氏って、
   私と同じ年なんですね。
   しかし、自分が小学生のときに、
   100万もらえるなんて、ありえないっす。
   当時の100万って言ったら、
   土地も買える額ですもの。


   1日10円のお小遣いを死守するために、
   紙芝居やをあきらめた私の幼少時代とは、
   かけ離れた子供時代だったんだろうなあ。
 
 
   だいたい、小学生の子供に、
   もうこれで小遣いはなしということでも、
   100万出す親と、
   その100万を元手に株投資を始める子供ですから、
   確実に世界が違う。
   

   今だって、小学生に100万と言ったら大金です。
   今だって、宝くじで100万当たったら、万々歳です。
   少なくとも当時の庶民の子供にとっては、
   天文学的数字だったぞ。   
   だいたい、小学生のときなんて、
   株のことすらよくわかってないって。


   今は、小学生でもネットで株をやる子はいるみたいだけど、
   当時、実際の資金で、大きな株投資していた子供なんて、
   そうはいないでしょうね。 


   でも、私の父は、そういう彼のことを、
   「欽ちゃんみたいだ。」
   の一言で片づけてしまいました。
   その後、彼を見ると、欽ちゃんにしか見えなくなりましたが、
   確かに的を得ています。
   
 
   私は株はやってませんが、
   少し勉強してみようかと、   
   時々、新聞や四季報を眺めてはいます。
   
   
   でも、最初は「どの株を買おうか」
   と思って見始めるのが、
   いつのまにか、
   「どの株が買えるか」になってしまっている自分に気がつき、
   やっぱり貧乏人には、株は向かないなと、
   ミョーに納得してしまいました。


   でも、目をつけていた株が、
   5倍以上になったのを見て、
   株のおもしろさはこれか〜なんて、
   わかった気がしました。
   そういうのに限って、実際に買ってみると、
   味わうのは、おもしろさではなく、
   怖さだったりしてね。
  
 
                          (ひとみ)  





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