「いいとき生まれた!昭和30年代」

メールマガジンバックナンバー

 


第41号 車の話


  ★☆━★☆━★☆━★☆━★☆━★☆━★☆━★☆━★☆━★☆━★☆


         いいとき生まれた!昭和30年代  第41号     


                    2005. 7. 11        


  ★☆━★☆━★☆━★☆━★☆━★☆━★☆━★☆━★☆━★☆━★☆



  何度か触れましたように、父は商売をしていましたので、
  品物を運ぶために車は不可欠でした。
  免許もわりと早い頃に取ったほうです。
  ですから、常に車がありました。


  そして、これも幾度も触れましたが、うちは都営住宅の、
  4軒長屋棟の一番奥にあたる端でしたから、
  家の前に車を止めておいても、邪魔にならない、
  ということで、駐車場所にも困らなかったのです。
  同じ端でも、違う棟は道があったりするところが、
  ほとんどでしたが、
  うまい具合に、うちの棟だけは、
  横が行き止まりになっていました。

  
  もちろん、今だったら路上駐車みたいなもんですから、
  許されないことでしょう。
  もっともその前に、2階建て庭付きの長屋形式で建てるという、
  悠長な建て方そのものが、もうありえないですから、
  家の前に止めようもないでしょうが。
  

  私が覚えているのは、
  オート三輪車。
  1,2歳の私が、
  このオート三輪車ミゼットをバックに、
  写っている写真もあります。
  昭和30年代をあらわすのに、
  これほど適切な写真はないと思います。
  
  
  でも、オート三輪車という呼び方からして、
  いいですね。
  子供がキコキコこぐのが想像できる三輪車という言葉に、
  オートをつけて、自動車っぽくした感じ。
  いかにも、昭和30年代風。
  
  
  このオート三輪車の前は、ダットサンに乗っていたそうです。
  今の、日産ですね。
  
  
  この車も、なかなかおちゃめだったようで、
  方向指示器が、今のような電気ではなく、
  レバーを動かすと、パタッと赤い板が出るという車だったそうです。
  
  
  きゃー、見たかった。
  
  
  数年前の、NHKの朝ドラ「てるてる家族」でも活躍してた、
  バタコは記憶にないのですが、
  あれもなかなか味のある車でした。
  
  
  昔の車は野暮ったいし、性能も劣っているけど、
  どこか親しみを感じるものがあります。
  
  
  高度経済成長で自動車王国となった日本の根底にあったのは、
  そういう持ち味の車たちだったんですね。
  
  
  でも、車も変わったけれど、ドライバーも変わりました。
  
  
  今、ほとんど見られなくなったもの、
  それはドライバーどうしの挨拶。
  
  
  昔のドライバーは、狭い道で待ってあげたりしたときに、
  必ず、片手をあげて合図を送ってお礼の意を表しました。
  それにこたえて、お礼を受けたほうも、
  片手をあげました。
  
  
  今はバスの運転手さんが、
  同じバス会社のバスとすれ違うときの合図くらいでしか、
  お目にかかりません。
    
  
  手をあげなくても、軽くクラクションを鳴らして、
  挨拶していくパターンもありました。
  このときは、応えるほうも、クラクション。
  こちらのパターンは、まだあるのでしょうか。
  
  
  そういえば、私が免許取立てのうら若き頃、
  向こうから来たタクシーに道を譲って待ってたとき、
  運転手さんがクラクションを鳴らして走り去っていきました。
  
  
  ところが、自分が運転しているときには、
  お礼の意味のクラクションだって気がつかなくて、
  「何よ、人が待ってあげてたのに、
  クラクションならすなんて失礼な!」
  って思ってしまった私…。
  
  
  後で気がついて、
  「ひょっとして、失礼なのは私のほうだった?」

  
  そんな私だったせいでしょうか、
  実際に運転してたのは、最初の10年くらいで、
  今ではすっかり、立派なベテランペーパードライバーになりました。
  おかげさまでゴールド免許証にしかなりえません。
  今月、またゴールドで更新する予定です。
  ゴールド免許証というより、
  ゴールド身分証明書みたいになってます。

  


  もう一つ、モラルが低下していると感じるのは、
  緊急車両が来ても、車がすぐに止まらないことが多いことです。
  まだ行けると思う心がそうさせるのか、
  ぎりぎりまで止まりません。
  
  
  おかげで、緊急車両も、徐行しながらの走行、
  そうなるとますます、止まらない車が増える、
  という具合です。
  
  
  昔は、サイレンの音が聞こえてきただけで、
  おもしろいように、車の動きがぴたりと止まりましたが、
  今は、すぐ近くに来るまで、なかなか止まりません。
  みんなが、自分の車1台くらいは大丈夫って感覚で、
  走っていきます。
  
  
  そういう社会しか知らない子供達が、
  大きくなってハンドルを握れば、
  やはり、ぎりぎりまでは大丈夫という感覚になってしまうのではと
  思うのです。
  
  
  消防車が、止まらなかった車とぶつかって、
  代わりの消防車が出直す事態になったこともありました。
  明らかに止まらないほうの違反ですので、
  事故の責任の所在ははっきりしますが、
  緊急車両の場合、問題は、そこだけに収まらないから深刻です。

  
  もっとも、1台だけがすぐ止まっても、後ろで早く行け!とばかりに、
  クラクションを鳴らされることだってありうるだろうから、
  社会全体の風潮として、戻さなくてはいけないことだと思います。
  
  
  救急車がすぐそこまで近づいているのに、
  止まらない車の流れを見て、
  ここまでゆとりをなくした時代になってしまったのかなあ、
  って、つくづく思ってしまいました。
  
  
  そういうドライバー達が、年をとって、
  救急車のお世話になることがあったとき、
  後悔するような世の中になっていないことを祈りたいものです。
  
  


  また、道路公団ができ、
  高速道路ができたのも、昭和30年代。


  男の子でなかったせいでしょうか、
  普通の道よりスピードを出して走れるなんてことより、
  お金を払う道路ということに、びっくりしました。
  「なんで、お金払うの?」
  そういうところに反応するところは、
  やはり庶民の子供です。

  
  そんな私に、父は言いました。
  
  
  「道路を作ったお金が回収できたら、
  将来的には、高速道路はただになるんだよ。」
  
  
  まったく、こういう善良な国民たちを騙しやがって。
  
  
  はい、ご存知のとおり、
  実際には、値上げすることはあっても、
  無料になった高速道路なんて1本も出現せず、
  代わりに出てきたのは、
  現役時代どころかOBになってまでも、
  国の税金を食い物にするような連中や、
  政治家ばかりでございました。
  
  
  
  
  ★☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    あれこれ後記
  ★☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 
  
  
  前号の紙の着せ替え人形は、女の子向けの遊びの話が中心でしたので、
  男性の方は、少し物足りなかったかもしれません。
  
  そこで、Oさんから寄せられたメールを編集して、
  男の子の遊びの話を載せましたのでどうぞ。
 

 
  『男の子の遊びについて書かせてもらいます。
  
   竹とんぼの話で思い出したのですが、
   昭和三十年代後半から四十年代前半には、
   竹とんぼは、塩ビでできた三枚羽根の円盤を
   糸車の器械で糸を引っ張って飛ばすおもちゃに進化していました。
  
   家の中で飛ばすと天井に張り付く勢いで飛び上がり
   結構面白いおもちゃでした。
   2〜30円の安いもので、駄菓子屋で売っていたと記憶します。
  
   独楽も、地球ゴマ(もしくは宇宙ゴマ?はっきりしません)
   という名の内部のみが回転して糸の上を自在に移動する
   かなり優れた独楽に進化していましたが、
   これは高くて手が出ないくらい代物でした。
  
   日本が高度経済成長の真っ只中にあり、
   おもちゃも伝統的なものが大量生産で安く供給される一方、
   そのころの科学技術の先端を応用し取り入れたおもちゃも出てきた
   面白い時代だったとおもいます。
  
   一番の憧れのおもちゃは、
   電子ブロックというトランジスタ回路をブロックにしたもので、
   組み合わせることでラジオなどを組み立てられるおもちゃでした。
  
   私は31年早生まれですが、
   地球ゴマは、小学校のとき、
   電子ブロックは、小学校高学年から中学のときだと思います。
  
   ビニールのヘリ様の竹とんぼはもっと古く、
   小学校の低学年の頃からあったと思います。
   色は、羽根は青や緑、飛ばすための器械は黄色が
   多かったように思います。』
  
  
  
  Oさんは、真空管でラジオやアンプも作っていたそうで、
  やはり、興味を持つおもちゃも、
  いかにも男の子という感じです。
  
  実は、「和・は・は」の昭和30年代のページの中で、
  この地球ゴマも電子ブロックも、
  リンクを張っているのですが、
  私の中では、もっとあとの世代のものかしらという気もあったのです。
  でも、Oさんが、確かに30年代生まれのおもちゃです、と
  太鼓判を押してくれたので、安心しました。
  
  このメルマガは、本来、
  「和・は・は」の更新情報も入れるということで発行しだしたのが、
  「せっかく読んでくださってる方に、そんな宣伝もどきができるか」
  という気持ちのほうが強くなってしまい、
  結局、HPの宣伝はいれないというより、
  いれたくない、純粋に楽しむメルマガにしてしまいました。
  でも、こういう形で、
  ページの情報集めに役にたつとは思いませんでした。
  
  なんでも、やって無駄なことはないのだなあと思った次第です。

                              (ひとみ)





  ======================================================================
   
   発 行 日本の小粋な和みの暮らし「和・は・は」
       http://wa.hitokiwa.com/

    このメールマガジンは『まぐまぐ!』 http://www.mag2.com/を利用して
    発行させていただいております。

   「いいとき生まれた!昭和30年代」
    バッグナンバー http://backno.mag2.com/reader/Back?id=0000135400
    購読・解除    http://wa.hitokiwa.com/merumaga.htm



    姉妹サイト やる気元気前向き!「あっぱれぷらすサイト」
        http://www2.ocn.ne.jp/~aps/
        よりこんなメルマガも発行しています。

   「あっぱれ長屋のプラス話」
    バッグナンバー http://backno.mag2.com/reader/Back?id=0000115032
    購読・解除    http://www2.ocn.ne.jp/~aps/nohohon.htm


   「脱!惰性生活〜惰性で生きるな、自分を生きよう」
    バッグナンバー http://backno.mag2.com/reader/Back?id=0000117051
    購読・解除    http://www2.ocn.ne.jp/~aps/nohohon.htm
  

   
    ※メールはこのメールの返信ボタンをクリックすれば、
     返信用のメールが開きます。
     (件名はそのままでけっこうです。)


  ======================================================================
  

←前の号      次の号→

一覧から選ぶ


登録する



このページのTOPへ戻る









あっぱれぷらすサイト ぷらっとネットショップ


和ははホーム


今の日本を楽しむ和はは生活

懐かしの昭和30年代

幕末維新の時代

日本の物産名産入口

日本の旅

日本のエコロジー

こだわり国産品



日本の伝統文化を取り入れた和はは生活

日本の衣

日本の食

日本の住

日本の癒し

日本の美

日本の縁起物

日本を知る本

寄り道・和はは生活

松竹梅子の小遣い稼ぎの口入屋

メールマガジンのご案内

和ははの日本人講座

お休み処