「いいとき生まれた!昭和30年代」

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第39号 本の話


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         いいとき生まれた!昭和30年代  第39号     


                     2005. 6. 19         


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  私は、やることは馬鹿なことばかりしてましたが、
  文字だけは、わりと早く覚えたほうでした。
  といっても、今なら、
  特に珍しいことではないくらいの
  年齢にすぎませんけど。
  

  ですから、早かったと言っても、
  覚えが良かったというのではなく、
  たまたま、周りがのんびりしている時代だったから、
  早く覚えたほうに入っていただけです。
  

  だって、当時は、
  わかるのは自分の名前程度で、
  学校に入ってから初めて文字を覚えるという子供も、
  けっこういましたし、
  またそれで、勉強に差がつくこともない時代で、
  むしろ学校に入ってから、
  きちんとした書き順で教えてもらったほうがいい、
  なんて風潮もあったくらいです。
  

  だから、私も読めたといっても、ひらがなカタカタ程度で、
  漢字は学校に行ってから覚えた気がします。
  

  私が、なぜ比較的早くに文字を覚えたかというと、
  父が本好きで(といっても、文学青年には程遠いですが)、
  休日は、寝る前などに本をよく読んでくれたために、
  本に興味を持ったのだろうと母は言います。
  (でも、本を読んでくれるのって、
  ふつう母というイメージですが…。)
  

  それに、これは憶測ですが、
  おもちゃに比べて、
  本だと、わりと買ってもらいやすいということを、
  覚えたのかもしれません。
  

  だから、本は好きで、
  お友達の家に行っても、
  本棚には、すぐ目がいきました。
  

  ある日、一つ年下のガラス屋さんの子供の家に、
  行った時も、本棚から本を出して、
  お姉さん面して読んであげてたことがあったようです。
  

  私が字を読めるなんて思ってもなかった、
  そこの家のお母さんが、
  「ひとみちゃんたら、でたらめな話をしてるわ。」
  なんて思って聞いてたら、
  本当に読んでることがわかって、
  「でたらめ言ってるんだと思ってたら、
  字が読めるのねえええええ!!!!!」
  と、迎えに来た母に、
  心底驚いたように言ったそうです。
  字を読めるということが、
  それだけ意外に思われる子供だったということで…。
  

  2,3年前に、私は図書館で、
  すごい子供を見ました。
  まだ2歳くらいなのに、絵本を広げて、
  ぺらぺら音読しているのです。
  「いくら今の子は早いといっても、
  すごいなあ、この子!」
  思っていたのですが、どうもよく聞いていると、
  読んでいるのではなく、
  絵本の絵を見て、
  自分で勝手に思いついた話を作っているのです。
  が、それがよどみなく出てきて、
  話としてまとまってるんですよ。
  これは、覚えて身につくものではありませんから
  そのほうが、読んでるよりすごいではないかって、
  さらに感心してしまいました。
 

  それにしても、実際は読んでないのに、
  「すごい!この子はもう字を読んでる」と、
  思わせてしまうその子にくらべ、
  本当に読んでいるのに、
  「ひとみちゃんたら、でたらめな話してるわ」
  と思われてしまう私…。
  子供にも、歴然とした風格の差というものは、
  あるようですな。
  

  私がよく覚えているのは、
  講談社の絵本です。
  これは、戦前から子供の絵本の代表格だったようで、
  上の世代の人たちにも、懐かしいものみたいですね。
  

  タイトルバックの赤い色が印象的な表紙で、
  神保町の古本屋などで、見かけることがあります。
  うちの絵本は、隣の区に引っ越すときに、
  それまで通った小学校に寄付してきてしまったのですが、
  今思うと、手放さなきゃ良かったなーと思うことがあります。
  当時は「もう、絵本からは卒業だもんね」という思いがあって、
  母が寄付すると言っても、別に反対しなかったのですけど。
  

  まあ、たくさんの子供に読んでもらったほうが、
  本も嬉しかったかもしれませんけどね。
  でも、小学校の頃に読んでいた児童書などは、
  まだ箱に詰めて、しまってあるはずです。


  昔の本は、しっかりした立派な箱入りのものとか、
  結構ありましたね。
  箱から出すと、パラフィン紙のカバーが
  ついていたり、布張りだったり、
  もちろん、しおりとなるひもがついてるのは定番。
  今と比べると貫禄ある本が多かったです。
  児童書の中にも、けっこうそういう本がありました。


  私の記憶では、本が高くなったのは、オイルショックの時で、
  以後そのままです。
  昔みたいな形式の本なんて、もう高くて高くて、手が出ません。
  もっとも、置く場所もないですし、
  そういう本自体も、ぐっと減りましたけど。

  
  話はそれましたけど、そんなわけで、
  父の仕事にからんでいたおもちゃは少なかったわりに、
  絵本や児童書は、
  90センチ幅くらいの4段の本棚いっぱいにありました。
 
 
  友達が遊びに来ると、
  「本たくさんあるね」ってよく言われたのですが、
  自分としては、これが普通だったので、
  ピンときませんでした。

  
  それほど本を読んでいるのなら、
  さぞかし賢い子になりそうなものですが、
  やっぱりやることは馬鹿でして…。

  
  ある日、私はその本棚をなんとなく眺めてました。
  そのうちに、なんだか知りませんが、
  突然その本棚につかまって、全体重をかけたくなったのです。
  つまり、前にしがみついて、
  体を反らしてみたくなったわけで、
  なぜ?と言われても、困るのですが、
  ただなんとなく…。

  
  そこで、本棚の一段目に足をかけると、
  しがみつきました。
  その瞬間、本棚が前にぐらりと傾いて、倒れてきました。
  いくら本で一杯でも、絵本とかが多いですし、
  たかが子供といえども、
  その体重を支えきれるほどの重さはないでしょうから、
  当然のことっちゃ、当然のことです。

  
  あせって、ぱっと横に飛びのいたのですが、
  本棚の方は、そのまま前にばた〜ん!!!!
  と本もろとも倒れてしまいました。
  

  困ったことに、これが2階だったもんで、
  ものすごい音が下に聞こえて、
  これまた、困ったことに、
  下には母がいたもんで、
  何事かと、びっくりして
  駆け上がってきたんですね。
  

  倒れている本棚と、横で立ち尽くす私を見て、
  何やってるの!下敷きになったらどうするの!と叱りながらも、
  母は、本棚を起こしたのですが、
  一緒に本を片付けながら、
  いくら母に、「何をしたの」と聞かれても、
  「ただ、本棚にぶらさがりたくなっだけ」
  とは、到底言えない私でございました。

  
  ちなみに、そのときの本棚は、今も現役です。
  昔の家具は、しっかりしてます。
  そんな高級なものを買ったとは思えませんが、
  私にひっくり返されたこともあったのに、
  40年以上たった今も、痛みもがたもきてません。
  

  そして、実は今、私の後ろにあります。
  この、パソコンを覗き込みながら、
  「そうそう、おまえは本当に馬鹿なことばっかり
   してる子だったよね。
   でも、今も変わらないけどね。」
  と、後ろから言われているような気がします。
  
  
  

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    あれこれ後記
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  ◇前号でロンパールームに関する話をするために、
   いろいろ思い出していたせいか、
   前号を発行してから数日後、
   食事をしていたら、突然頭の中に、
   まりの遊びの時の歌が蘇りました。
  

   なぜか、
   「♪ついてとってついてポン」と、
   「♪いち、にの、さんでポ〜ン」
   という、最初と最後のフレーズだけなんですけど。
  

   人間の記憶って、忘れたのではなくて、
   ただ埋もれてるだけなんだなあと、感動いたしましたが、
   それにしても、出てくるのに時間がかかりすぎだってば!
   
  
  
  ◇ロンパールームのかごのせゲームで、
   台所からざるを持ってきて、頭にのせようとしたら怒られたって、
   前号に書きましたら、
   大阪のKさんから、
   うちは親の方から、「やってみ」と言って、
   ざるを台所から持ってきた、
   それが大阪のおばちゃんのノリですという、
   楽しいメールをいただきました。
   そして、ミルクの時間の話に関しても、こんな感想を。
  

   「この一杯のミルクを飲むのに、みんなが揃うまで待ち、
    オシボリで手を拭き、みんなで声を合わせ「いただきます」
    を言ってから飲む。
    ムチャクチャ印象に残っているシーンです。
    これこそ躾だと今でも思っています。」
  

   そうでしたね。
   今の感覚では、
   「おやつったってミルク一杯だけ?
   しかも、たかが一杯のミルクに、ここまで大げさにやる?」
   って言われてしまいそうなくらいに、丁寧でしたよね。
   でも、こういうことが大事なんですよね。
     

   そして、Kさんは、余談として、
   もう一つ、おもしろい話を教えてくださいました。
  

   「第13号の「牛乳を飲む時に腰に手を当てる・・・」に関して
    ですが(本当はこの時すぐに返事をしたかったのですが)、
    わたしの通ってる市民体育館のトレーニング教室のコーチから借りた
    「肩に関するバイブル」に載っていた記事によると、
    (ここからはイメージしてください)
  
    右手で牛乳を口に運ぶと体の右側に「手元ー肘ー肩」を結ぶ三角形が出
    来ます。この時に左側にも「手元(腰)ー肘ー肩」を結ぶ三角形を作る
    ことによって体のバランスを保とうとする。
    因みに、カラオケの場合はマイクを持つ手が大体あごより下に来るため、
  
    腋がしまり三角形が出来無いので左手を腰に当てる必要が無い。
  
    と載っていました。参考まで」
  
  
   だそうですよ。
   なんと、腰に手をあてて牛乳を飲むスタイルには、
   人間工学的な理由があったんですねえ。
  
  
  
  ◇私は思い込みが激しいところがあって、
   そそっかしさにつながるんですが、
   このメルマガでは、
   子供のころの馬鹿っぷりを披露することも多いもんで、
   最近のドジ話は、極力他のメルマガの後記に載せるようにしています。
   
 
   でも、人間、地は隠し切れないもので、
   メールをやりとりする時に、そういうところが出てしまって、
   ハンドルネームを一文字間違えているとか、
   メールをいただいているのに、
   前のメールと勘違いしてたりとか、
   そういうドジをして、
   あわてて後からお詫びしたりなんてことをやってしまいます。

  
   でも、そんな無礼千万なやつに対しても、
   皆さんはいつも優しくて、
   さらに暖かい言葉をいただいたりして、
   恐縮することしきりです。

  
   皆さんからのメールでは、
   いろいろな知識や、
   楽しい思い出話などを教えていただいたり、
   励ましていただいたりもしてしまいます。
  

   私のメルマガにつき合ってくださってるというだけで、
   充分、いい人だなあというのはわかるんですけど、
   特に、このメルマガの読者の方たちは、
   温かい人ばかりだと、つくづく思ってしまうことが多いです。 
   これって、もしかして昭和30年代生まれには、
   いい人が多いということ?
  

   「それも、思い込みだ〜!」と、
   他の年代の人からは、言われてしまうでしょうかね、やっぱり…。
   


   (実は、このメルマガを発行するときにも、
    日付を2004年で発行するところでした。
                                    ひとみ)
       
                                 

   
   
   

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