「いいとき生まれた!昭和30年代」

メールマガジンバックナンバー

 


第29号 おんぶとベビーカー


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         いいとき生まれた!昭和30年代  第29号     


                 2005.2.6           


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  双子の妹たちは、結婚した時期は違いましたが、
  初産がほとんど同じ時期、2週間しか違いませんでした。
  ですので、お産が近づくと、妊婦二人の面倒を見るのに、
  母はてんやわんやだったのですが、
  その前に、二人が妊娠したとわかると、
  母は、自分の子育ての時に使ったようなおぶひも
  (おんぶひも、おぶいひもとも言うようですが)が、
  とても便利だからと、
  どこかに売ってないかと探しまくっていました。
  
  そんなの今時あるの?と思いましたし、
  そもそもそんなのを、今さら使うかとも思ったのですが、
  当の妹たちも、あればいいなという感じだったのですね。
  
  で、あったのです。
  なぜかわからないけど、ふとんやさんで扱っていました。
  ねんねこ半纏の流れかな?
  
  というわけで、妹たちは、ベビーカーも使いましたけど、
  おぶひもも随分と使っていました。
  
  おんぶは、スキンシップはもとより、
  親子がいつでも一緒の安心感もあるし、
  階段などでは、ベビーカーなどより、
  かえって身軽だったりしますから、
  近所に買物に行くくらいなら、
  おんぶしていったほうが早い、
  ということもあったようです。
  
  だから、妹の子供たちは、
  ベビーカーとおんぶと混ぜこぜで育ちました。
  そのとき生まれた子は、今は中1の男の子と女の子、
  女の子を産んだほうの妹は、後にもう一人女の子を産んで、
  その子は小4です。
  
  たぶん、その年で正統派30年代式のおぶひもで
  おんぶされてたという子は少ないかも。
  
  でも、昔は、外出時には、
  赤ちゃんはおんぶが基本。
  もちろん、昭和30年代世代も、
  おんぶされて育ちましたよね。
  
  冬は近所ならねんねこ、
  遠くへ出かけるときは、
  今のママコートとねんねこが合体したような、
  ものだったと思いますけど、
  それにくるまれるのですから、
  子供にとっても、ベビーカーで寒風にさらされるより、
  よほど暖かい。
  
  これは大人も同様で、
  赤ん坊を背負っていると暖かいと言って、
  母は、冬になると、家の中でも妹をおぶってました。
  自分のときも、そうされてたのかは、
  覚えてませんけど。
  
  私は子育てした経験がないから、
  子育ての仕方うんぬんを言う立場ではないと思ってますが、
  あのベビーカーって、大人にとっては楽ですけれど、
  子供にとっては、親とのスキンシップがある、
  おんぶや抱っこのほうが、
  潜在的な安心感があるのではないかと思ってます。
  
  もっともそれは、子育てしてないから言えることで、
  子供をずっとおんぶして出かけるのは、大変な重労働だということは、
  一応、妹の子供たちの擬似子育てだけでも、充分わかりますけど。
  
  でも、昔はそれが当たり前でした。
  もちろん、外出中、ずっとおんぶしっぱなしということはありません。
  長く腰掛けているときとか、おしめを換えたりなどで、
  おろすこともよくあります。
  
  そして、再び背負おうとするときに、よくあった光景がありました。
  これも、今は絶滅した光景の一つですが、
  お母さんが、おぶひもと一緒に、赤ちゃんを背負おうとすると、
  そばにいる子育てを経験していそうな女性が、
  手を貸してくれたこと。
  
  子供におぶひもの背あてをあてて、
  お母さんの背中にのっけてくれるのです。
  
  よくあったでしょ、こういう光景。
  まさに、助け合いの子育て。
  
  このあいだ、子供の乗ったベビーカーを、
  まるごと抱えて、えっちらおっちら、
  階段を下りているお母さんを見ました。
  
  思わず、誰かしらが手を貸してくれた、
  昔の子連れの外出を思い出してしまいました。
  
  ベビーカーは自己完結型。
  便利になることは、人の手を借りなくても大丈夫になること。
  それはそれでいいのだけれど、それに慣れてしまうと、
  まわりも、気配りとか優しさとかを忘れてしまうし、
  母親もベビーカーに頼りきってしまう。
  
  ちょっとの階段を、わざわざ子供をおろして、
  ベビーカーをたたんで降りるのは面倒なのは、
  わかるけど、危険だしそこまでして、
  ベビーカーにのせっ放しにしなくても…
  という気もしました。
  今は、乗物内でもベビーカーをたたまないで、
  赤ちゃんをのせっ放しの人が増えてますから、
  手助けどころか、邪魔に思われてしまうほうが多いかもしれません。
  
  いつだか、ベビーカーで駆け込み乗車をしようとして、
  事故になったこともありました。
  このとき、電車の安全確認がなってなかった、
  というような話になりましたが、
  私は、正直言って、なんて無謀なことをする母親だと思いました。
  
  もし、これがおんぶだったら、
  子供の体の重みと存在を常にその背中に感じていますから、
  はじめから、自分が走る気にならなかったかもしれないし、
  この状態で走れば危険な行為ということも、
  察知できるのではなかったろうかとも、思いました。
  
  ベビーカーにのせっ放しというのは、
  言葉は悪いですが、荷物と一緒。
  だから、つい自分中心の行動をしてしまおうとする。
  
  そういうことって、考えられませんかねえ?
  どうでしょう、お母さん方。
  
  昔は、そういったちょっとした手助けから、
  話がはずんだりして、見知らぬ人からも、
  育児体験談やヒントの話が聞ける機会は、
  今よりたくさんありました。
  
  うちの場合、下が双子ですから、私が歩くのは当然にしても、
  下は一人がおんぶで、一人が乳母車でした。
  (もし今の自分が、
  ちょっと目を離すと何をしでかすかわからない子供と、
  双子の赤ん坊を連れて、こうやって外出することを考えると、
  それだけで、母の偉大さにひれ伏してしまいますわ。)
  
  もちろん、近所の人と出かけるときは、
  その人が一人の面倒を見てくれましたが、
  そうでないときも、そんな子連れでは大変、と思われたせいか、
  見ず知らずの女性の手助けは、いろいろと受けてました。
  外出時の母親の負担は、今より大変だったけど、
  ちょっとした手助けを、行く先々で得られただけでも、
  気分的にかなり違ったのではないでしょうか。
  
  ちなみに、当時は今より、双子は珍しがられました。
  だから、たいてい、そうやって行き会った人との会話では、
  妹たちがメインになります。
  
  上の子だった人は経験あると思いますが、
  赤ちゃんというだけでも、注目は下に集中しますから、
  ただでさえ、向こうが有利、
  そこに双子というカードをきられてるのですから、
  お姉ちゃんの私の立場としては、
  もうまったく勝ち目がありません。
  
  必ず、話は妹のことから始まります。
  ひとしきりの双子に対する会話の後、
  ようやく、「こちらがお姉ちゃん?」
  と私のほうに、話がまわってきます。
  
  おー、ようやく出番が来たかい。
  
  母が「そうです。」と答えると、
  
  「あらそう。ねえ。」
  
  「ねえ」とふられても、
  なんと答えていいのかわかりません。
  
  その「ねえ」は、どういう意味でしょうか?
  
  可愛いわねえ、の「ねえ」なのか、
  可愛くないわねえ、の「ねえ」なのか、
  もしかして、ねえちゃんの、「ねえ」でしょうか…。
  
  訳わかんないうちに、
  私に対する話題は、手短かに終了。
  
  まあ、もう少し発展して、
  いろいろ聞かれることはあるにしても、
  しょせん脇役、でも、そんな状態にも、
  すっかり慣れっこになってましたな。
  
  
  


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    編集後記
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  ◇前号の「車内で座る優先度は、子供が一番最後だった」という話に対し、
   そのことを忘れないで、しっかりと自分の子育てにも、
   実践されている方たちから、メールをいただきましたよ。
  
   こういう方たちがいてくださること、とても心強く思いました。
  
   ここではお二人のメールを、ご紹介します。
  
   まずは、東京の男性、Kさんのメールの一部を拝借。
  
    「今回の28号の子供は車中で立つべしですが、本当にそうですね。
    よく、子供を座らせて、自分が立っている親がいますが、
    何か親不孝な子供を育てている様に感じます。
    子供には愛情が必要であって、それは甘やかす事ではなく、
    皆で見てあげる事。
    そのことで、子供はきっちり育っていくと思います。
    だからこそ、近所付合いや他の家との交流が大事で、
    その中で子供は自我を正しく伸ばす事ができると思いますね。」
  
   Kさんのお宅は、下宿屋さんをなさっていたそうで、
   大学生たちに遊んでもらいながら育ったそうです。
   まさに、人との交流にはこと欠かない環境の中で育った、
   Kさんならではのご意見です。
  
   確かに人との交流で、人間性が作られるのですから、
   それが豊かであればあるほど、人間性も変わってくるはず。
  
   それは、見知らぬ人との交流でも同じ。
   それが、不足するようになったから、人の心が荒んできたのか、
   荒んできたから、不足するようになったのか。
   いずれにしても、それがまだまだあった時代に育った私たちは、
   あの暖かい心を、忘れてはいけませんね。
  
   そして、もう一人、ポリシーのある育児を実践中の、
   ことママさんのメールの一部をご紹介します。
  
    「今回の電車やバスの中の席のことでは、
    私も子供達は立たせる方です。
    やっぱり、そういう時代に育ったせいでしょうか??
    空いてるときでも、何となく子供達を席につかせるのは
    抵抗があります。
    混んでるときならなおのこと。
  
    子供には「料金を半分しか払ってないんだから、
    立ってるのは当然だよね。」って言ってます。
    冷たい親かな???
  
    自分は抵抗なくお年寄りには席を譲ることができるので、
    いい時代に育ったなあ〜と思ってましたが、
    今回の話しで自分たちの世代が原因かも・・・
    と思ったら何となくショックでした。
    今、子育て真っ最中です。
    少しずつでも子供達にはいい習慣を伝えたいです。」
  
   冷たい親どころか、
   ことママさんみたいな方に育てられるお子さんは、
   本当に幸せだと思います。
  
   ことママさんが、お子さんに言っている、  
   「料金を半分しか払ってないんだから、あたりまえ」
   ってこと、私たちも、よく言われませんでしたか。
  
   妙に納得してしまう理由でしたよね。
  
   でも、変に甘やかされて、こましゃくれて育った子供なら、
   「じゃあ、大人料金払えばいいんでしょ。」
   なんて言い出しかねないけど。
  
   まあ、そういう子供にするのもしないのも、躾ひとつ。
  
   子育て(早い人は孫育てか)はいろいろ大変でしょうが、
   人の心がちょっとおかしくなってきてる時代だからこそ、
   今は昔と違うから、の一言で片づけてしまわないでほしいなと
   思うのです。
  
   このメルマガは、決して、教育を語るメルマガではないけれど、
   子供時代のことを語れば、
   これからも、こういう話は、時々出てくると思います。
   子育てしてない人間が、
   教育について語るのはおこがましいのですが、
   逆に、子育てしてない立場からだこそ、
   見えることもあるわけで、
   私なりの意見も載せていきたいと思ってます。
  
   「それは子育てしてないから言えるのよ〜」なんてことが
   あるときは、遠慮なく教えてくださいね。
  
   もちろん、そのことだけに限らず、
   皆様からのメールは、大変励みになりますので、
   大歓迎です。
  
   お返事も、時間がかかっても、必ず差し上げてますので、
   もし、出したけど何にもこなかったよ、
   なんていう方がいらしたら、それは何かの間違いですから〜。
  
   また、今までもそうですが、いただいたメールの中から、
   時々、紹介させていただくことがあります。
  
   今までは、事前に許可をいただいてましたが、
   これからは、勝手に使わせていただくかもしれませんので、
   それが困る場合は、ご面倒でも、その旨お書き添えください。
   お名前は、実名の場合は、イニシャルでご紹介させていただきます。
  
   なんだか、こちらの勝手ばかりを言って申し訳ありませんが、
   いつも、余裕をもって作成しているわけでないので、
   好き勝手に書いてるうちに、話の流れで、
   このメールをのせたいけど、
   今から許可とってたら間にあわないしなーというのが
   出てきたりすることがあるので、
   こういう形にすることを、お許しください。
  
  
  ◇インフルエンザが流行っているようです。
   この間、偶然に友人に会ったら、
   顔半分も隠れるような大きなマスクに、
   帽子を目深にかぶっているという、めちゃくちゃ怪しげな扮装。
   似てるけどそうかな…と、こちらも怪しげな目線で、
   5秒くらい眺めていたら、向こうのほうから声をかけてきて、
   ようやく確認完了できたのでした。
  
   聞けば、ご主人のインフルエンザがうつって、
   医者に行ってきたところだとか。
   そこへ恒例の花粉症が加わって、このいでたちと相成ったそうです。
   のども真っ赤だと言われたそうで、つらそうでした。
   皆様も、お気をつけて。

  
                              (ひとみ)
  
  
  
  

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