「いいとき生まれた!昭和30年代」

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第14号 銭湯の話裏方編


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         いいとき生まれた!昭和30年代  第14号     


                 2004.10.15           


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  銭湯の話が続きます。
  でも、今日は銭湯の裏方の話です。
  
  私が入った銭湯は、家のそばの銭湯のほかに、
  もう一つありました。
  
  最初の頃、紹介したと思うのですが、
  父はぬいぐるみや人形の卸問屋をしていました。
  その、事務所兼倉庫代わりとして借りていた家が、
  とあるお風呂屋さんの裏にありました。
  
  父が仕事場として借りていた家は、今はありませんが、
  このお風呂屋さんは今でもあって、
  TVCMや番組などの撮影にも、時々登場しています。
  
  母の都合が悪くて子供の面倒が見られないときや、
  忙しくて母も手伝いに行くときなどに、
  仕事場に一緒に連れていかれて、
  ついでに猫の手よりはまだましということで、
  手伝いをさせられたりなどで、
  一日行ってることが、時々ありました。
  
  ここの窓からは、道をはさんで、
  このお風呂屋さんの裏方の仕事をよく見ることができました。
  午前中、当時の若主人がリヤカーをひいて出て行き、
  しばらくするとどこかからそのリヤカー一杯に廃材をどっさり積んで、
  重そうにえっちらおっちらと引きながら戻ってきます。
  すごい重労働です。
  
  そして休む間もなく、数時間かけて、それを全部薪わりして、
  細かくしていきます。
  木を割る音、それを放り投げる音は、今でも耳に残っています。
  子供心に大変だなあと思ってました。
  これも、重労働。
  
  さらにその重労働が終わると、今度は釜に火を入れます。
  これは、のぞきに行かないと見られませんが、
  そばに行くと夏などは熱くて、これまた重労働の仕事です。
  しかも、このほかに風呂場の清掃などもあるわけですから、
  いやはや、お風呂屋さんというのは、
  大変な仕事だなあと思ったものです。

  風呂屋の人は気さくで、父や母ともよく話をしていましたが、
  実によく働く人でもありました。
  でも、家族分業でなくては、とても一人では無理でしょうね。
  
  油燃料に変わってからは、この光景も消えましたが、
  これだけでもずいぶん楽になったでしょうね。
  
  そういうわけで、父の仕事場に行ったときは、
  夕方この銭湯に入っていくこともあったのです。
  でも、ここの銭湯に入る場合は、表から入ると大回りしなくてはならないので、
  いつも裏から入り、着替えも裏側にあった板の間でしました。
  ですから、ここの玄関も脱衣場も使ったことがありません。
  
  浴室へも、直接浴室の奥の戸から浴場に入って行き、
  またそこから出て行くので、
  事情を知らないお客さんなどは、
  変なところから入ってきて、変なところから出て行くなあと、
  不思議そうな顔して見ている人もいました。
  
  でも、なんだかそれが特別扱いみたいで、得意な気分の私でした。
  単に、無銭入浴かもと思われてただけかもしれないのだけど。
  
  もっとも、裏から入ったほうが早い近所の人も、
  ここを脱衣場としていました。
  
  特別扱いといえば、ずっと後のことですが、中学生か高校生のころ、
  ここの番台に座らせてもらったことがあります。
  もちろん、営業時間外でしたけど、
  番台に座ってみるかと言われ、喜んで座らせてもらいました。
  思ったより高く、思ったより見晴らしがいいものでした。
  

  そしてもう一つ、特別の湯といえば、
  前回触れた母の実家にあった五右衛門風呂に入った経験も、
  なかなか貴重なことだったかもしれません。
  
  五右衛門風呂というと、
  東海道中膝栗毛で五右衛門風呂に遭遇した弥次さん喜多さんが、
  沈めて入る底板をふたとまちがえてとってしまい、
  熱くて入れなくて、
  思案の末に便所の下駄をはいて入ったという話を思い出します。
  
  江戸っ子の弥次さん喜多さんが知らなかったということは、
  関東にはなかったのでしょうね。
  ちなみに、母の実家は愛知県です。
  
  でも、あの底板を沈めながら入るのは、
  子供でしたから思ったより大変でした。
  
  2,3人で入って、みんながあったまってるときはいいのですが、
  誰かが出ると、押さえていたバランスが崩れて、板が浮いてくるので、
  そのたびに微妙に浮かない位置に移動して、
  洗ってる人に、早く入れーだのなんだの大騒ぎしていたような記憶があります。
  
  五右衛門風呂って、疲れるなあなんて思ってました。
  底が浮かないお風呂のありがたみを感じることができました。
  
  でも、今でも露天用としてはあるようですね。
  
  

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    編集後記
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  前号のとほほほドクターさんの銭湯教育の話で、
  東京のO氏からも、
  
  「銭湯がなくなってプライベートの部分で
  他人の目を意識しなくて済む豊かな時代になって、
  その世代が親になり、まもなく、
  その子が結婚する時代が来ようとしています。

  もう戻そうにも道徳教育をすることをやめさせた、
  ある意味偏向した民主主義者と、
  教育を学校にすべて任せようとした、
  教育されていない親の責任です。」
  
  というご意見をいただきました。
  
  O氏によると、昨今人気の的となっている韓国ドラマブームも、
  昔の日本にはあった儒教精神が、今でもきちんと生きている韓国ドラマに対し、  
  それを本能的に察知した年配女性が、そこにも反応しているというご意見です。
  
  
  そういえば、この間、新聞に書いてありましたが、
  ぺ・ヨンジュンがNHKに出たときに、
  女性アナが「好みの女性のタイプは」という質問をしたのに対し、
  「ニュース番組ですから」とやんわりと話をそらしたそうで、
  アナウンサーの俗っぽさを批難していました。
  NHKでさえ、この調子なのですからね。
  せっかく韓国ドラマがブームになったのなら、
  日本がこの儒教精神を思い出して、見習うといいんですけどね。
  
  まあ、こういう場合は、韓国が日本に毒されてしまうパターンのほうが、
  ありがちかも。
  
  
  以前、日本には裸に対する健全で大らかな気風があったという話の時に
  も、O氏からは、
  「日本の伝統文化を蔑み、欧米の感覚がすべて正しいものとしたことで、
  性的におおらかな日本人の伝統や感覚は、失われてしまった」
  という見解などをいただいてます。
  
  大らかだったものを、西洋の模範という箱にぎゅうぎゅう押し込んだことで、
  本来の健全さがゆがんできてしまったのが、今の日本なのかもしれません。
  
  しかも、日本のいう西洋って、実質アメリカだけなんですから、
  なお始末が悪いです。


        
                         (ひとみ)


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