「いいとき生まれた!昭和30年代」

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第13号 銭湯の話その2


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         いいとき生まれた!昭和30年代  第13号     


                 2004.10. 8           


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  銭湯通いは、母と妹二人とおとなりのおばちゃんと
  行くことが多かったです。
  時々は、他の近所の人も加わったりしました。
  
  でも、母が具合が悪くて行かれないときは、
  父が1人で3人を引き受けることになります。
  うちの場合、下が双子でしたから、小さい時は大変です。
  双子の赤ん坊と、これまででもおわかりのとおり、
  少しもじっとしていない幼児が一人。
  これを、銭湯に連れて行って入れる。
  今、自分がこれをするとしたら、けっこうびびります。
  
  母の場合は、お隣のおばちゃんとか近所の人などと一緒なので、
  入れるときにはまだ楽でした。
  でも、連れて行くときは大変です。
  
  昔は、一回のお産で複数の子供を生むのは、
  犬と同じということで忌み嫌われたそうですが、
  昭和30年代には、そういう観念はもうなくなっていて、
  双子というと、ただ珍しがられた時代でした。
  
  珍しがられるくらいですから、
  双子が珍しくなくなった今と違い、
  特注でもなければ、双子用の乳母車なんてありません。
  ですから、一人は乳母車、一人はおんぶという形です。
  そして、目の離せない幼児プラス、
  4人分の着替えとお風呂用具を持っての銭湯通いですから、
  その幼児に風呂敷包みくらいは、背負わせたくなる心理もわかります。
  
  一方、父の場合は、逆に連れて行くのは、
  たとえわずかの距離でも、
  この際車で行ってしまえばなんとかなります。
  
  でも、入ってからの助っ人がいません。
  そこで、銭湯の奥さんが、赤ん坊の一人をみていてくれます。
  その間に父は、私ともう一人の赤ん坊を入れます。
  
  これがけっこう大変。
  赤ん坊の体を洗うのに集中していると、
  例のごとく私はちょろちょろしだします。
  何をしてるかとふと見ると、
  石鹸箱のふたで、床を流れていく排水溝のお湯を、
  救って飲もうとしたりなんかしてるんですねえ、こいつが。
  あわててやめさせ、
  今度は、赤ん坊をチェンジして、
  再び風呂場へ…。
  そんなこんなの入浴ですから、終わる頃には、
  すっかりのぼせてしまったそうです。
  
  内風呂のない時代は、こういうときは大変でしたね。
  ほんと、親には感謝しなくてはいけません。
  
  
  脱衣所には、お決まりの牛乳ケースがあります。
  
  時々買ってもらえましたが、母の時は、
  飲みたいコーヒー牛乳やフルーツ牛乳ではなくて、
  いつも白牛乳のみ。
  子供の健康とお財布の健康のためだと思います。
  
  でも、父のときは、白牛乳でなくてもOK。
  自由に選ばせてくれます。
  子供はこういうことは、よく学習します。
  1本針の突き出た牛乳のふたをあける道具を見て、
  その使い道と使い方をわかる子は、今どのくらいいるでしょう。
  
  お決まりのポーズ、腰に手をあてて飲んでいる人は
  確かに多かったですね。
  まあこれは、今でもいるんでしょうけれど。
  でも、意識しているわけでもないのに、
  皆ああなってしまうのは、なぜなのでしょう。
  人間工学的な理由でもあるのか?
  



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    編集後記
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  前号に関して、和歌山のとほほほドクターさんから頂いたメールの一部を、
  紹介したいと思います。
  
  『いつも楽しみに拝読させて頂いております。
   hitomiさんと同じ昭和34年生まれの者です。
   私は以前から思っていた事ですが、
  近頃の若い者(この言い方自体年寄り臭くて嫌なのですが)は、
  公衆浴場(温泉なども含む)の入り方を全く知らない。
  
  特に風呂上りですが、私たちは
  「浴室から出る前に浴室の中で手ぬぐいで身体に付いている水滴、湯滴を
  十分拭い落としてから出るように」と教えられました。
  
  子供の頃私の家にはすでに内風呂があり、
  銭湯を利用する事はありませんでしたが、
  物心付いた頃には温泉などに行った際には、
  父からそういった公共のマナーを教えられました。
  
  私には子供は10歳の娘1人だけなので、
  温泉などに行っても一緒に入る事はもうありませんが、
  もっと幼い頃に一緒に浴槽に入りながらこういったマナーを教えました。
  
  入浴で濡れた身体を十分に拭わないまま浴室から出ると、
  更衣室の床がベタベタになり床が傷んだり、掃除をしてくれる人が苦労します。
  
  私は全寮制の高校生活、さらに大学も2年終了まで寮生活を送りましたので、
  小さい頃に父から教えられた事がよくわかりました。
  寮の先輩方も同じ様な事を後輩たちに徹底していたようです。
  
  最近高校時代の寮の舎監先生とお話した時に、
  やはり「パンツを穿いて入浴する若者」の話が出ました。
  舎監先生は「以前はどこのご近所にも1人や2人は恐いおじさんがいて、
  その人が若い者にいろんな事を教えてくれたものだが、
  今そんなことを意見すると、逆に殺されてしまったりするので、
  恐いおじさんもいなくなってしまった」
  とおっしゃっていました。
  
  なるほどその通りかもしれません。寮生活も私たちの頃は3〜4
  人の相部屋でしたが、今はほぼ個室に近いとの事。
  隔世の感ですね。』
  

 
  風呂場から出るとき、タオルをしぼって体を拭き、
  脱衣場に入るときは、足ふきマットで足をふき、
  それから乾いたタオルで改めて体を拭くのは常識でした。
  
  脱衣場は板の間でしたが、そこがベタベタして困った、
  ということはなかったのも、
  みんなが当然のこととして、こういうマナーを守っていたからです。
  
  でも、今の若者をこんな常識知らずにしてしまったのは、
  きちんと教えなかった親の責任。
  
  逆切れするような人間が増えて、
  怖いおじさんが消えてしまったのも、
  甘やかすばかりで、しつけはもちろん、
  年上を敬うとか、一目おく気持ちを育てなかった結果だと思います。
  
  銭湯には通った経験のない、とほほほドクターさんが、
  公衆浴場のマナーを身につけられたのも、
  親からきちんと教えられたから。
  
  そして、同じようにとほほほドクターさんから教えてもらった娘さんは、
  将来、恥をかくようなことはないでしょう。
  
  しつけの原点はそこにあると思います。
  
  子供のためを本当に思うなら、
  子供に恥をかかせないきちんとしたしつけ、大切ですね。
  
  だからこそ、親が恥を知る人間でないといけないわけですね。
  
  って、教育論メルマガか。
 
  
  
  それから前号のときに、私は、
  昭和30年代なら誰もが銭湯通いをした経験があるでしょうと書きましたが、
  銭湯通いの必要に迫られたのは、都市部の庶民だけでしたね。
  
  私の両親の実家や、その周辺の親類の家には、
  昔からお風呂がありました。
  母の実家などは、五右衛門風呂で、
  風呂場も、トイレと共に母屋とは別棟にあって、
  これこそ典型的な昔からのスタイルでした。
  
  実は、それを思い出させてくれたのは、
  このとほほほドクターさんのメールです。
  いろいろな昭和30年代があったとわかっているはずでも、
  どうしても自分の環境で考えてしまってるんだなということに、
  気がつきました。
  
  自分はこうだったという話は、テーマを問わず、
  いつでも受け付けておりますので、
  お気軽にメールをくださいね。

                               (ひとみ)
 
  

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