「いいとき生まれた!昭和30年代」

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第12号 銭湯の話その1


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         いいとき生まれた!昭和30年代  第12号     


                 2004.10. 1           


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  以前、友達から聞いた話です。
  温泉に行ったとき、高校生の集団と一緒になりました。
  ところが、驚いたことに、彼女らはタオルを巻きつけたままで入浴し、
  体を洗うときにもタオルの前を開けて洗い、洗い終わるとまた閉じて、
  入浴中、一度もタオルを離さなかったらしいのです。
   
  テレビの温泉番組などでタオルを巻いて入浴するのを見て、
  勘違いしているのでしょうか。
  友達曰く、お風呂なのに裸で入っている私らが馬鹿みたいだったと
  憤慨していました。
  
  裸同然の無防備な姿で外に出かけることは平気でも、
  共同風呂で裸をさらせないという心理は、
  どう解明すればいいのでしょう?
  うーん、若者の心理は、もうさっぱり見当がつかないお年頃です。
  
  今でも大勢でお風呂に入る場所はいくらでもありますが、
  そういう経験を持つ人と持たない人では、
  抵抗感が違うのでしょうか。
  男の子でも、修学旅行でパンツをはいて入浴したなんて話も、
  聞いたことがあります。
  ここまでくると、迷惑な話ですね。
  
  でも、昭和30年代生まれなら、
  誰もがお風呂屋に通った経験があるでしょう。
  私も、すっかりご無沙汰してしまっているとはいえ、
  人生の最初の頃は、銭湯に通いました。
  だから、私の中の銭湯のイメージは、今でも昭和30年代のままです。
  
  洗面器にお風呂道具を入れ、着替えなどを風呂敷に包んで、
  サンダルばきでお風呂に通いました。
  お風呂に行くよと言われると、
  自動的に風呂敷包みをかつぐように、
  飼いならされてた時代もあったようです。
  
  お風呂屋は歩いても、5分程のところ。
  履物を下駄箱に入れ、木札を抜いて、銭湯の中へ。
  番台で料金を払うのは、親の役目、
  私は、重ねてある籐で編んだ丸い脱衣籠を取りに行きます。
  ロッカーなどという、小じゃれた物はなかったですから、
  どこの風呂屋も籠だったと思いますが、
  やはりたまには盗難事件もあったようでした。
  当時はお金だけでなく、服を盗まれるということも多かったようです。
  
  服を盗まれたら、裸で帰らなくてはいけないのかと、
  本気で心配しました。  
  幸い、番台の目が行き届いていたので、
  そんな事件には遭遇しませんでしたが。

  子供心に不思議に思いながらも、言われてやっていたのは、
  そのかごに服を入れる前に、必ず逆さにしてトンと床に打ちつけてから、
  入れていたことです。
  中のほこりを出す意味だったのでしょうが、
  かごなんだから、考えたらほこりなどたまろうわけがないのです。
  単に気休めの儀式だったかしら。
  
  洗い場の蛇口のひとつに洗面器を置き、場所を確保すると、
  流し湯を浴びて風呂へ。
  もちろん、泳いだり、お湯をバシャバシャやったら叱られましたね。
  (でも、大きな浴槽に入ると、泳ぎたくなりませんか。
   温泉の大浴場などでは、泳ぎが得意でない私でも泳ぎたくなります。
   誰もいないと、つい泳いでしまったりしませんでした?
   あっ、今でもしてしまう方、いらっしゃいますか。
   大好きです。)
  
  背中を流す三助さんが、奥の扉から入ってくることもありました。
  子供心にも初めて見たときは、なんで男の人が入ってくるのかと
  びっくりした記憶があります。
  でも、誰も気にしてなかったし、三助さんのまわりは、
  いつも笑いのうずでした。

  前号で、裸に大らかだった時代の名残があったという話をしましたが、
  この三助さんもその一つでしょうね。
  もっとも、見知らぬどうしが裸で入る公衆浴場という文化自体が、
  充分その伝統を引き継ぐものですけど。
  
  ちなみに、この三助って、今は差別用語だそうです。
  で、なんと言い換えるかというと、浴場従業員。
  うーん、実に幅広い解釈ができそう。
  今はない職業だし、差別と考える感覚のほうが差別してると思いますけど、
  どうなんでしょうね。
  
  体重計も、貫禄がありました。
  荷物もはかれそうな鉄板の上に載ると、
  目の前で目盛りの針が揺れながら表示するあれ。
  これは、40年代に入っても、学校の体重測定などでも
  活躍してましたね。
  しばらくじっとして、針の動きが止まるのを
  待っていなくてはならないところに、
  人間と物との一体感がありました。
  目のいい人なら、離れていても、人の体重読めたかも。
  
  もっとも、糖尿病は贅沢病、
  猫も杓子もダイエットなどと大騒ぎする時代でもなかったから、
  体重もさほど隠すべきものでもなかった時代です。
  
  ドライヤーなどというものはなかったから、
  文字通り、洗い髪で帰りましたけど、
  冬などよく風邪をひかなかったものです。
  
  
  
  
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    編集後記
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   この間、道を歩いていたら、小学生低学年らしい子が、
   道の向こうとこっちで、こんな会話をしていました。

   「○○!今日、何時ごろ、銭湯行く?」
   「サッカークラブに行ってからだから、5時ごろかな」
   「じゃあ、俺もそのくらいに行く」
   「じゃ、銭湯でまたなー」
   
   こんな懐かしい会話が、今でも小学生の間で交わされていることに、
   ちょっと嬉しくなりました。   
   
   こういう通学途中の小学生って、けっこう楽しくて、
   たまに行き会って、聞くともなく会話を聞きながらとか、
   なんとなく見ながら歩いていると、
   おかしくて思わず顔がブニュって、
   崩れそうになってしまうことがあります。
   
   怪しい大人と思われてもいけないので、
   普通の表情を保ちながら、さりげなく歩いていくのは、
   時に、けっこうな努力がいります。

                           (ひとみ)


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