「いいとき生まれた!昭和30年代」

メールマガジンバックナンバー



 第115号 文具革命



  ★☆━★☆━★☆━★☆━★☆━★☆━★☆━★☆━★☆━★☆━★☆


        いいとき生まれた!昭和30年代  第115号     


                    2011. 3. 13   


  ★☆━★☆━★☆━★☆━★☆━★☆━★☆━★☆━★☆━★☆━★☆



    こんにちは。
    皆様、ご無事ですか。
    ようやく発行できるなと思っていたら、
    とんでもない事態になってしまいました。
    被災された方には心よりお見舞い申し上げるばかりです。
    
    
    私もすごい揺れに怖い思いをしたり、
    歩いて帰ることになったりと
    大変な目に会いましたが、
    東北の被災状況を見たら、
    被害のひの字にも及びません。
    
    
    こんな中で私のノーテンキなメルマガなど
    出して良いのだろうか。
    ふだん遅れっぱなしなのに、
    よりによってこんな時に暢気にくだらないものを、
    ということにでもなったら…。
    
    
    だいぶ迷ったのですが、
    東京電力では、電力供給確保のため、
    これからは輪番停電を実施するらしいですし、
    余震も続いております。
    まだ大きい余震の可能性も排除できないということなので、
    私も安心できる状態とは言えません。
    なので、せっかくできてることでもあり、
    出せるときに出しておくことにしました。
    
    


    あまりに間が開きすぎて、
    もうランドセルといえば伊達直人、
    としか覚えてないかも
    しれませんけど、
    前回はランドセルの話から、
    当時のカバンの話に脱線してしまいました。
    

    本来前号で取り上げようとしてたのは、
    カバンではなく、
    その中身の文具のことだったのです。
    
    
    私の元には今も、
    小学入学前後のものが、
    数点残ってます。
    
    
    一番古いのは、
    卒園のお祝いで幼稚園からもらった、
    プラスチックの白い筆箱。
    当時らしい女の子(男の子には男の子の絵でした)
    の絵が入った、かぶせ蓋式のもの。
    
    
    でも、幼稚園のマークが入っていたし、
    親が用意してくれたマグネット式の筆箱があったので、
    これは学校ではなく、
    家で使っていました。
    それが幸いして、今も残っているのかも。
    当時はもう一つプラスチックの筆箱があって、
    こちらは気が向くと学校で使ってたこともありましたが、
    割れて残っていませんから。
    
    
    なにせ、プラスチックの筆箱は、
    セルロイドほどではなくとも、
    割れやすいことが難点でしたからね。
    
    
    あの、象が踏んでも壊れない筆箱が、
    強烈なインパクトで一世を風靡したのも、
    そういう事情があってこそ。
    
    
    あれは実に画期的な筆箱で、
    大いに世間の関心をひきましたが、
    いつのまにか消えてしまったのは、
    そもそもこの日本で、
    象に筆箱を踏まれる心配はない、
    ということに、
    皆が気づいてしまったからでしょう、きっと。
    
    
    じゃなくて、
    私が思うに、
    材質は画期的でも、
    形が昔ながらのかぶせ蓋式のままだったからかな
    と思います。
    
    
    マグネット式筆箱がいつ頃から出たのかは
    わかりませんが、
    昭和41年に入学した私が、
    入学用品として買ってもらってるので、
    その頃にはあったことは確か。
    
    
    それでも、セルロイドの筆箱の流れを組んだ
    蓋式のプラスチックの筆箱は、
    まだよく使われてました。
    
    
    しかし、マグネット式は、
    落としたって割れる心配もなければ、
    蓋がはずれて、
    カバンの中で開いてしまうこともない。
    
    
    それだけでも優位なのに、
    筆箱はおもちゃではない!
    という声もあがるほど、
    子供の気を引く進化をとげていく。
    もはや、象が踏んでも壊れないだけでは、
    たちうちできなくなってきたのではないでしょうか。
    
    
    マグネット式にも、
    蓋の開閉部がすりきれてくるという欠点がありましたが、
    私が買ってもらった筆箱に
    その兆候が現れたのは、
    中三の半ばくらいでしたから、
    特に問題ありませんでした。
    まるで、義務教育を終えるのを、
    見届けるかのようだったので、
    すりきれてきたのが内側だったこともあり、
    そのまま中学卒業まで使い通しました。
    
    
    しかし、筆箱の進化には気づいていた親も、
    消しゴムの進化には、
    まだ気づいてなかったようです。
    今では定番のプラスチック消しゴムは、
    すでに30年代から発売されていたようですが、
    まだ天然ゴムのほうが一般的で、
    用意してくれたのも、
    会社の事務員さんも使っているような、
    普通の天然ゴムの消しゴムでした。
    
    
    忘れもしない。
    「ヒノデワシ」というメーカーの消しゴム。
    前にヒノデワシのHPを見たら、
    このメーカーでプラスチック消しゴムの製造を始めたのは、
    昭和42年となってましたから、
    昭和41年当時のものは、
    間違いなく天然ゴム。
    
    
    でも、ヒノデワシのせいではありませんが、
    この天然ゴムの消しゴムって、
    子供がきれいに消すのはけっこうむずかしい。
    宿題をみていた母が、
    娘のあまりの消し方の汚さに、
    消し直してくれた時、
    こんなにきれいに消えるものなんだと
    初めて知ったくらいです。
    でも、自分が消すと、
    そうはならない。
    あれは不思議だったなあ。
    
    
    しかも、消しクズの始末も大変。
    机の上のみならず、
    ノートの上にも、
    細かいのがざらざら残りやすかったりしたので、
    きちんと掃っとかないと、
    残りかすで字が薄くなってるなんてことも。
    そう思って一生懸命掃えば、
    それも周りの字が薄くなる。
    ならば、この消しクズだけで字を消してやるぞ!
    と、消しクズだけでごしごししてみたり…
    
    
    …今ふと思いました。
    私、こんなことばかり覚えていて、
    本当に勉強していたのだろうか?
    
    
    しかしある日、
    たまたまプラスチック消しゴムを持っていた友達のを借りたことで、
    その素晴らしさを知ってしまったのです。
    なにせ、天然ゴム消しの欠点をすべてカバーしているのですから。
    早速、親にねだったものの、
    今のを使ってからということで買ってもらえません。
    
    
    ですが、これがまた早々減るものでもなく、
    可愛いのとか香りつきとか、
    楽しい進化をとげていくプラスチック消しゴムを
    横目で見ながら、
    ようやく3年生くらいになって、
    手に入れることができました。
    
    
    でも、使い切ってのことではありません。
    しかし一応、
    私にも仁義というものがありましたので、
    天然ゴムのものも、
    そのまま併用という形で使ってました。
    消し方も上手になってきたし。
    
    
    それで、中学になるころには、
    さすがに、だいぶ小さく丸くなってきました。
    しかし、ここまで来ると、
    愛着がわいてきて、
    筆箱から出す気にはなれません。
    もう筆箱の主みたいなものです。
    落として、教室のどっかへ転がっていった時も、
    頭では、「ま、いいか」と思いながら、
    行動は探してましたっけ。
    
    
    その消しゴム、
    今見たら、最初に紹介した卒園記念のプラスチック筆箱の中で、
    幅1センチ、縦5ミリ程の塊になって、
    ひっそりとした余生を送っておりましたわ。
    (余談ながら、ボンナイフも入ってた。)
    我ながら、物持ちの良さにびっくり。

    
    もう一つ残っているのは、
    小学2年生、昭和42年に買ってもらった24色の色鉛筆。
    入学時に買ってもらったのは12色でした。
    それまでは子供が使うのは12色が一般的で、
    幼稚園でもクレヨンなどは12色でしたから、
    これも不思議に思わなかったのですが、
    あっという間に、24色の子がどんどん増えていき、
    私も2年生になって買ってもらえたのです。
    
    
    消しゴムをケチる親が、
    よく買ってくれたものだと、
    今思えば不思議ですけど。
    
    
    でも子供にとっては
    結果オーライ。
    これで人を描いても肌色が塗れる!
    しかし、それ以上の差は、
    なんといっても金色、銀色の存在ですよね。
    実際にはなくても困る色ではないですが、
    子供にとっての24色の魅力は、
    この2色の存在がほとんどを占めていたと思います。
    
    
    この時のものがまだ残っているのです。
    妹が同じ物が載っているHPを見つけて教えてくれました。
    手前の女の子のほうの色鉛筆です。

    http://homepage1.nifty.com/nekocame/60s70s/bunbogu/bunbogu1.htm

 
    中の色鉛筆は、
    短くなってたくさん入るようになったため、
    本来のものと12色時代のもの、
    その他半端物などが、
    混在していて、わけがわからなくなってますけど。


    しかし、今思うと、
    私たち世代が学校に通った頃は、
    本当に古いものから新しいものへの
    過渡期だったんですね。
    
    
    昔からあったけど子供には贅沢だったもの、
    30年代に登場しだしたものなどが、
    40年代に入り、本格的に子供たちにも普及しだした。
    その洗礼を受けたのが私たち。
    
    
    そうそう、鉛筆だって、
    シャープペンシルが普及してきたのは、
    私たちの時代。
    シャープペン
    (シャーペンという、
    より言いやすい略語も登場したけど、
    せめてプの字入れるくらいは、口周りの筋肉使えって。)
    は明治の頃から
    あったようですが、
    子供までが気軽に使う文具になったのは、
    私たちの世代からでしょ。
    
    
    あ、シャープペンで思い出した。
    コーリン鉛筆のゴールド芯も残ってますわ。
    家ではシャープペンで書くことが減って、
    芯を変えることもほとんどなく、
    なんとなくまだあるみたいな感じなのですが、
    この会社はもうないんですね。
    必要な時には使うつもりでいたけど、
    もう貴重品でとても贅沢な芯になりそうだな。
    
    
    あの時代から比べれば、
    今は多少の進化こそあれ、
    基本はさほど変わってないと思います。
    今後、大きな変化があるとしたら、
    進化というより退化の時代になるのかも。
    つまり、文具すら使わなくなる時代への変化ということです。
    もっとも、そんな時代になったら、
    人間も退化してしまうけど。
    
    
    以前、手で文字を書いていくのと、
    キーで打ち込むのとでは、
    脳の活動量や範囲が全然違うという実験を見たことがありましたっけ。
    キーボードで書いているこの場、この状況で、
    こんなことを言っても、
    全く説得力に欠けてますが。
    (以前このこと、ここで書いたことあったかな?
     別のところだったかな?どこにも書いてなかったかな?
     あら、確かに、脳への刺激、足りてないかも。)
    
     
    ま、そんなつまらない時代より、
    楽しい進化を迎えていた過渡期に、
    ちょうど学生時代があたって
    我々はついていたのかもしれませんよ。
    
    
    
  ★☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    あれこれ後記
  ★☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━    
    
    ◇赤いマグネット式筆箱は捨てたと思ってたんですが、
     暮れに大掃除したら出てきましたわ。
     外見見る限り、ちっとも傷んでないです。
     (消しゴムにせよ、筆箱にせよ、
     持ちがよかったのは、それだけ勉強しなかったからでは?
     という疑問がわいても、無視しておいてください。)
     

     前回お話したグルーピーケースも、
     やはりありました。
     ハモニカとか、縦笛(今はリコーダーって言うみたいだけど)
     とかも。
     洗ったらきれいになりましたので、
     今後は、肺活量維持のために使おうと思います。
     ハモニカも縦笛も、
     老後?に再び活躍するとは思ってなかったでしょうけど。
    
    

    ◇前号についての、
     愛知のめのうさんからのメールをご紹介するつもりで、
     許可をいただいていたのに、
     こちらもだいぶ遅れてしまいました。
     めのうさん、本当に申し訳ありませんでした。
     では、メールから抜粋させていただきます。
    
    
     『こんばんは
    
      本日のお題(?)「ランドセル」
    
      ちょーっとした年齢差か
      地域差なのか
    
      私、マジソンバッグもグルービーケースも
      名前が???でしたw
      (要は使っていない)
     
      まず、私の育った町は
      ほぼ全員卒業までランドセルでしたw
      壊れちゃって使えなくなっちゃった子位ですね 
      ランドセルじゃなかったのは^^;
      壊れてもどこからかおさがりで調達してたと思います
    
      中学校は男女共同じ黒い革のいわゆる「学生鞄」というヤツ
      3年生あたりになってくると
      針と糸で幅をぎゅーっと狭くしてお風呂につけて。。。
      ペタンコにして 先生に怒られる とwww
    
      で、確か
      私が中学生の時に流行ったのは
      ブックバンドだったと思う
      まぁ、これもごく一部の生徒にだけだったと思うけど
    
      高校生で流行ったのは
      スヌーピーの布バッグ
      スヌーピーでなくちゃダメなんですよ
      横型と縦型(どちらか)
      女子高生はみーんなといっていいくらい持ってましたね
    
      VANのスニーカー袋も流行りましたね
      ギンガムチェックの布袋が欲しくて
      彼氏のいる子は彼から貰ったり
      勿論、自分で買う子もいるんですけど
      スニーカーがメンズ物なので足がちっちゃいと買えないんですよね
      (私は小さくて買えなくて自分でもどきを作って持ってました^^;)
  
    
      あと、今思うと面白いのが
      ショップの紙袋
      持ち手のついてない只の細長い紙袋なんですが
      これはデザインさえよければ
      どこのお店のでもよく
      それを丈夫にする為に2枚重ねて
      鞄と一緒に持ち歩いてました』
    

    
      
    学生カバンをつぶすのは、流行りましたよね。
    細ければ細いほど、かっこいいという感覚で。
 

    めのうさんは私より2歳先輩ですが、
    流行はたった2年の差や地域差でも、
    けっこう変わるもの。   
    でもそういうことこそ、
    なかなか興味深いです。                 
    ただし、めのうさんによりますと、
    ブックバンドは本当にごくごく一部の話のようです。
   

   ◇あー、ようやく発行できました。
    しかし今後また大きな揺れが来ないことを、
    ひたすら祈るばかりの状況には変わりありません。
    自然の力の前には、
    運任せにしかできない人間の無力さを
    つくづく思い知ります。

      
    日本に生まれた以上、
    地震のリスクは切り離せませんが、
    生まれたことを感謝できるのも、
    またこの日本という国なんですよね。
  
   
                     (ひとみ)
   
  
   
     
  ======================================================================
   
   発 行 日本の小粋な和みの暮らし「和・は・は」
       http://wa.hitokiwa.com/

    このメールマガジンは『まぐまぐ!』 http://www.mag2.com/を利用して
    発行させていただいております。

   
    ☆「いいとき生まれた!昭和30年代」(月1〜2回発行)
      バッグナンバー・購読・解除 
        http://archive.mag2.com/0000135400/index.html
      バッグナンバーの内容を選んで読む場合は 
        http://wa.hitokiwa.com/merumaga.htm      



    姉妹サイト やる気元気前向き!「あっぱれぷらすサイト」
        http://www2.ocn.ne.jp/~aps/
        よりこんなメルマガも発行しています。

   ☆「あっぱれ長屋のプラス話」(月1〜2回発行)
      購読・解除 
        http://archive.mag2.com/0000115032/index.html 
      バッグナンバーは↓
        http://www2.ocn.ne.jp/~aps/ 



   
    ※メールはこのメールの返信ボタンをクリックすれば、
     返信用のメールが開きます。
     (件名はそのままでけっこうです。)


  ====================================================================== 
      

  



←前の号       →次の号

一覧から選ぶ


登録する



このページのTOPへ戻る









あっぱれぷらすサイト ぷらっとネットショップ


和ははホーム


今の日本を楽しむ和はは生活

懐かしの昭和30年代

幕末維新の時代

日本の物産名産入口

日本の旅

日本のエコロジー

こだわり国産品



日本の伝統文化を取り入れた和はは生活

日本の衣

日本の食

日本の住

日本の癒し

日本の美

日本の縁起物

日本を知る本

寄り道・和はは生活

松竹梅子の小遣い稼ぎの口入屋

メールマガジンのご案内

和ははの日本人講座

お休み処