「いいとき生まれた!昭和30年代」

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 第111号 昭和の歌心



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        いいとき生まれた!昭和30年代  第111号     


                    2009. 11. 22   


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  子供の頃、
  歌番組を見ていた時に、
  母がこう言いました。
  「そのうち、こういう曲が懐メロになるんだよ」
  
  
  その時は実感がわかず、
  ケラケラ笑っておりましたが、
  あっというまにそんな時代になってしまいました。
  しかも、昭和3,40年代どころか
  昭和の歌ならもう懐メロ扱い、
  というすごい(?)時代に。
  
  
  懐メロといえば、
  戦前戦後あたりの歌だったはずなんだけど。
  時の流れって、ホント早いものです。
  

  私たちが子供の頃の懐メロ番組といえば、
  戦前からの歌手のオンパレードでした。
  戦前の代表歌手、
  東海林太郎さんの直立不動スタイルに、
  昔の歌手精神を見ることもできたのも、
  当時ならではですね。
  
  
  懐メロとはいえ、
  子供ながらに気に入る歌もありまして、
  「リンゴの唄」とか「高原列車は行く」、
  「一杯のコーヒーから」など、
  一緒になって歌ってました。
  母に、
  「あんたも随分古いわねえ。」
  とつっこまれながら。
  
  
  でも、昭和40年代初期くらいまでの流行歌は、
  わかりやすく、覚えやすく、
  歌いやすい歌が多かったと思います
  
  
  老若男女バリアフリーで歌われる歌という基準でみたら、
  昔に軍配があがるでしょう。
  今の若者でも、昔の歌が好きという人がよくいますが、
  今の歌にはないものを持っていますからね。
  
  
  また、楽しい歌、おもしろい歌、
  心を明るくつかむ歌なども、
  今よりずっと多かったです。
  そこへ加え、当時の現役だった昭和30年代の流行歌には、
  時代を反映して、
  希望や幸せがテーマの歌が目立ちました。
  
  
  橋幸夫と吉永小百合が歌った「いつでも夢を」などは、
  今でもイントロを聞いただけで、
  心がぱぁーっと明るくなる気がします。
  希望に満ち溢れていた当時の空気を一番思い起こさせてくれ、
  一気にあの時代にタイムスリップしてしまいます。
  ですから、この二人が歌っているものでなくては気に入りません。

  
  私は生まれていませんでしたが、
  大津美子さんの「ここに幸あり」なんて歌も、
  バラ色気分を盛り上げますね。
  
  
  九ちゃんこと坂本九さんなどは、
  「上を向いて歩こう」
  「見上げてごらん夜の星を」
  「幸せなら手をたたこう」
  など気分をハッピーに盛り上げる歌が続々出てきます。
   「上を向いて歩こう」なんて、
  日本のみならず海外まで波及しましたからね。
  40年代に入りますが「えんぴつが1本」
  なんて歌も、子供から大人まで歌える歌でした。
  
  
  梓みちよさんの「こんにちは赤ちゃん」。
  当時幼稚園児だった私ですが、
  この歌は、かなり思い入れを持ってました。
  
  
  いえ別に、
  母性本能あふれる幼児だったというわけじゃありません。
  何せ、自分がようやく赤ちゃんから
  脱した程度のもんです。
  
  
  実はこの歌詞に反応したのですよ。
  「♪そのちいさ〜なて〜
    つぶらなひ・と・み〜」
  
  
  「うん?ひとみ?
   これって、私の歌なんだ!
   この赤ちゃんって私のことなんだ!」
  
  
  はい、大きな勘違いなんですけど。
  
  
  で、この歌が流れると、
  「この赤ちゃんって、私のことだよね」
  って、まわりに同意を求めてました。
  
  
  当然のことながら、
  誰も肯定はしてくれませんでしたが、
  馬鹿な子供を哀れと思ったか、
  よほど嬉しそうに言っていて、
  真実を告げるのをためらわせたのか、
  否定もされませんでした。
  
  
  おかげで、
  なんでこれを言うと、
  誰もはっきり返事をしてくれないんだろうと、
  煮え切らない思いでおりましたわ。
  
  
  山田太郎さんの「新聞少年」。
  父のいない家庭で、
  病気の母親を助けるために、
  頑張って新聞配達をする、
  明るく前向きな少年の歌。
  
  
  当時だったら、
  「戦争で父親を亡くした家庭なんだろうなあ」
  なんて想像がわいたり、
  実際に家計をささえるために働く少年も、
  今より多くいたせいもあるでしょう。
  健気な勤労青年(この言い方のほうが雰囲気出るでしょ)
  の歌として、
  大衆の心をつかみました。
  
  
  流行歌を知らず知らず覚えて歌う子供時代に、
  こういった、
  前向きになれる歌を多く歌ってたということは、
  潜在意識に与える影響もなかなかよろしかったのではと思います。
  
  
  もう一つ、
  今の子供ではお目にかかれない歌手もいました。
  それは芸者歌手。
  昭和3、40年代はもう終焉期にあたるのでしょうが、
  それでも、懐メロ番組や歌番組で見る機会はまだあり、
  戦前からの芸者歌手さんたちも見ることができました。
  
  
  とはいえ、
  私が覚えているのは、
  三浦布美子さんと、
  名前しか覚えていない市丸さんだけなんですけど。
  
  
  三浦布美子さんは、
  女優がメインのようですが、
  日本人形そのまんまみたいな人だと思ってました。
  父が人形卸商をしていたことは、
  これまでも書きましたが、
  ぬいぐるみの他にも、
  日本人形やフランス人形なども扱っていたので、
  それで見る日本人形と同じように見えたものです。
  
  
  市丸姐さんは、
  見たら思い出すかなあと、
  You Tubeに探しに行ってみたら、
  たくさんありました。
  
  
  残念ながら、
  顔を見て思い出すことはなかったのですが、
  何より、その粋なことったらありゃしません。
  いくつになっても衰えない芸の力も素晴らしい。
  その美声にも聞きほれてしまいました。
  
  
  若い時の写真も美しかったけど、
  年を重ねた市丸姐さんも素敵です。
  今更遅すぎですが、ファンになりそう。
  見まくってしまいました。
  芸者歌手ってこんなにいいものなのね〜。

  
  ついでと言ってはなんですが、
  他の芸者歌手まで見てしまいました。
  勝太郎、美ち奴、神楽坂はん子…
  出てくる出てくる芸者歌手。
  (こんなことしてるから、
   ますます発行が遅れたんですけど。) 


  芸者さんって、
  若いうちだけが華だと思ってたけど、
  たとえ年をとって容姿が衰えても、
  ただのおばさんにはならない職業なんだなあ。
  むしろ年をとってこそ、増していく芸の力と粋。
  しまった、そういうことなら芸者になってれば良かった。
  
  
  でも子供の頃には、
  こんな粋とか芸とかなんて、
  わかろうはずもありません。
  わかっていたなら、
  今頃は芸者ケメ子。
  (いかん、昭和3,40年代の歌のことを考えていたせいか、
   こんな名前が出てきてしまった…。)
  
  
  しかし、市丸という名前を覚えていたということは、
  当時でも、わからないなりに、
  何か感じ取ってるものはあったのでしょう。
  芸者姿の歌手は、
  子供の目もひきつけましたから、
  出てくるとわりと見てましたし。
  これも、今の子供にはできない、
  贅沢豊かな体験ができていたのではないでしょうか。
  
  
  子供の頃は、大人たちが懐メロ番組を見て、
  「昔の歌はやっぱりいいわねえ」
  なんて言ってるのを、
  古いなあなんて思ってましたけど
  今は自分が同じことを言ってます。
  

  それだけ年取ったんだなあとも思ってましたけど、
  その時代を知らなくても、
  楽しめる歌がたくさんあって、
  伝統に触れることもできて、
  本当に歌の上手な人しか歌手になれなかった時代の歌謡界は、
  実際、なかなか捨てたもんじゃないのです。
   
  

  ★☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    あれこれ後記
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  ◇毎度のことながら、
   また遅れてしまい申し訳ありません。
   毎晩寝る前に、
   「ああ、今日もメルマガ作成の時間がとれなかったなあ」
   と思うと夜も眠れず…。
  
  
   なんてことはなく
   仕方ないとあきらめて、
   ぐっすり寝てしまっておりましたけど、
   気にはしていたのですよ〜。
  
  
   そんなわけで、すっかり忘れておられるかもしれませんが、
   前回は自転車の話でした。
  
  
   大阪のかっちゃんがまた写真とメールを送ってくださっていたのに、
   こちらの報告も遅れてしまいました。
   まずはメールの一部から。
  
  
    『自転車の「三角乗り」・・・懐かしい響きですねエ。
     平成の今では死語じゃないでしょうか。
     なにしろ、三角形のフレームの自転車が
     見かけられなくなってしまってますからね。
  
     私は小学校4年まで8インチの子供用に乗ってました。
     4年の誕生日に16インチの婦人用の自転車を買ってもらい、
     それからは大人用に乗っていました。
  
     当時自転車は「婦人用」と「男性用」の2種類があって、
     男性用は大体黒塗りでフレームが三角になってました。
  
     私は婦人用だったので三角乗りはしませんでしたが、
     父親の男性用に乗っていた友達は三角乗りをしてましたよ。
     (足が短かかったので、サドルに座ると足が届かなかったから?)
  
     中には、当時出始めだった
     変速ギヤ付のサイクリング車に乗ってたブルジョア(?)の
     息子もいてましたが・・・・・
  
     今は見かけることが皆無になった「男性用自転車」
     当然三角乗りも見ることが無くなりましたね。』
  
  
  
    台風でガレージの屋根が壊れ、
    修理で10月の連休がつぶれてしまったかっちゃんが、
    その前に早々と送ってくださった写真です。
    アップはしてあったのですが、
    ご紹介が遅れて申し訳ありません。
    私個人は、三角フレームもさることながら、
    この荷台に昔の自転車の特徴を感じているのですよ。
   
     http://wa.hitokiwa.com/photo2-5.htm
  
  
   ◇市丸さんのこぼれ話。
    母に市丸姐さんのことを聞いてみたら、
    「声も顔もきれいだったわよー」
    という話の後に、
    思いがけない話が出てまいりました。
  
   
    父がまだ独身の若い頃、
    人形商として見習いに入った店が柳橋にあり、
    そこの町会の盆踊りには、
    柳橋芸者の市丸さんなども参加していたそうです。
    で、市丸姐さんの前で、
    父が踊っている写真があったそうな。
  
  
    でも、そんな写真、
    私は見たことがない。
    母も、
    「そういえば、どこへいったのかしら。」
   
   
    というわけで幻の写真ですが、
    芸者の後ろならいざしらず、
    前で踊るとは大した度胸です。
    市丸姐さんも、
    「前のお兄ちゃん、へたくそね〜」
    と思いながら踊っていたかもしれません。
  
  
                              (ひとみ)  


   ※ これまでのフッターに続き、
     先月よりヘッダーにも広告が自動挿入されるようになり、
     少々うっとうしいのですが、
     私の意志ではございませんのでお許しを。
     ま、無料だから文句は言えません。
     
 
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