「いいとき生まれた!昭和30年代」

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 第108号 差別意識や偏見は


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        いいとき生まれた!昭和30年代  第108号     


                    2009. 7. 22  


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  昭和30年代までは、
  昔の日本の名残がたくさん残っていたということは、
  これまでもたくさん触れてきました。
  
  
  それは、負の遺産でも同様です。
  当時は、様々な差別意識や偏見が、
  今よりずっと色濃く残っていました。
  今では差別用語とされる配慮のかけらもない言葉も、
  普通に使われていました。
  
  
  一方で、それらが必ずしも、
  侮蔑の意味で使われるばかりではなかったことも
  当時らしいといえば、当時らしいでしょうか。
  
  
  たとえば、当時の化粧品会社のコピーに、
  こういうものがあります。
  
  
  「あいの子の魅力誕生」
  
  
  びっくりしますよね。
  今だったら、
  使えない、ありえない、許されないで、
  即刻却下でしょう。
  
  
  今は、むしろ憧れられるハーフも、
  「合いの子」とか「混血児」といじめられ、
  苦労することがあったのが昔の日本。
  
  
  でもその一方で、こんなコピーが使われていたということは、
  いい意味での説得力として受け入れられる社会素地も
  充分できていたってことですよね。
  
  
  つまりは、
  なんだかんだ言いながら、
  昔も今と同様、
  日本人にはない美しさには、
  憧れていたんですよね。
  こうなってくると、
  同じ日本人でも、
  当時の日本人が理解できないんですが、
  少なくとも、このコピーを考えた人だって、
  ハーフに対して、偏見がないからこそ、
  こういう使い方をしているわけです。
  
  
  ハーフの人にしても、
  いじめられて言われるあいの子と言う言葉には、
  傷つくでしょうが、
  こんな使われ方なら悪い気はしないと思います。
  
  
  そもそも差別用語とは、
  言われた人が傷つく言葉です。
  ですから、
  どんな美辞麗句に言い換えたところで、
  差別意識がある限りは、
  差別用語であり、
  どんな言い方でも、
  悪気がなく、言われるほうも傷つかないのであれば、
  差別用語とはならないというのが、
  本来の定義であると思えます。
  
  
  今のハーフという言い方だって、
  アメリカでは差別用語だそうですね。
  以前ホームレスの時に書いたことと同じように、
  確かにこれも、直訳すれば、
  元の日本語の言い方よりひどい言い方です。
  
  
  でも、英語にすればOK的感覚になってしまう日本では、
  いけないと言われつつも、一般的に使われています。
  私もここではハーフという言い方を使わせてもらってますが、
  実際のところ、今の日本で、
  ハーフを悪い意味で使ってる人はいません。
  だから、日本では、
  ハーフが差別用語という認識が根付かないのでしょう。
  差別用語が、言い方ではなく、
  言う人の意識によって決められる、
  いい例だと思います。
  
  
  昭和30年代のヒット商品の代表格に、
  ダッコちゃん人形がありますが、
  あれだって、当時だからブームになりえたのです。
  
  
  黒人差別につながるいうことで、
  かの名作「ちび黒サンボ」が一時廃刊になったり、
  黒人を模すことに過剰反応するようになった時代だったら、
  あのブームは起りえません。
  実際、そんな時代が来た時には、
  「ダッコちゃんマークのタカラです」と言うくらい、
  会社のシンボルとなっていたダッコちゃんマークまで、
  消されてしまいました。
  
  
  黒人を模したわけではなかったダッコちゃんでもそうですから、
  黒人を模したカルピスのおしゃれなシンボルマークも、
  あっさり消されてしまいました。
  
  
  でも、アメリカの場合と違って、
  当時の日本人で、
  黒人に差別意識を持っていた人が、
  どれだけいたでしょう。
  むしろ、そんな偏見があったら、
  ちび黒サンボも、
  ダッコちゃんもカルピスのシンボルマークも、
  受け入れられないでしょ?
  むしろ愛されていたから、
  社会に溶け込んでいたのでしょ?
  黒い肌や分厚い唇などの
  黒人の特徴があるとしても、
  誰がそれを侮蔑の対象としてたでしょうか。
  当時の日本には黒人も少なかったでしょうが、
  あのお話やマークを不快に思ってた黒人は、
  なおいないと思います。
  

  侮蔑しているとして、
  黒人を描くことすら排除する意識のほうが、
  よっぽど黒人を差別してるし、
  偏見の塊になってる気がするんですけどね。
  
  
  昔、日本人が、こぞって海外旅行に出かけだしたころ
  メガネをかけてカメラを首からぶらさげているのが、
  日本人のシンボルマークみたいになって、
  揶揄されてました。
  
  
  でも、もし仮に、そんな国で、
  メガネにカメラの日本人の人形が可愛いということで、
  大ヒットして、
  みんながつけて歩いてるなんてことになってたら、
  不愉快に感じていた日本人も、
  笑っちゃうんじゃないですか。
  そして、その国の人も、
  そういう日本人観光客を、揶揄することはなくなり、
  むしろ喜んで温かい目で見てくれるようになるでしょう。
  

  そこへ、日本人を馬鹿にした姿がけしからんと言って、
  やめさせるようなものではないでしょうか。
  ましてや、それに比べたら、
  最初から黒人を揶揄する気さえなかったのです。
  
  
  つまりは、真の心からではなく、
  形からものごとを見ている目線です。
  それで、心を満足させているのです。
  差別用語でも、これが差別用語になるの?
  というものまで入ってますが、
  そういう言い方だけにこだわる感覚も、
  同じこと。
  
  
  障害者の「害」の字を、「がい」に変えても、
  障害者を苦しめる政策がまかり通ってしまう、
  そんな状態で意識が向上したとは、
  とても言えません。
  
  
  そういう、形にこだわるやり方に、
  限界があるのは当然です。
  その証拠に、意識が向上したわりには、
  今も差別や偏見はくすぶっているではないですか。
  
  
  つまりは、
  「差別や偏見は非人道的な行為」
  という形の部分だけは、
  しっかり浸透したけれど、
  心からの目線はおろそかにしているため、
  単に、差別や偏見を露骨に表すことが、
  はばかられるようになっただけのことです。
  潜在的には残っているからこそ、
  今も、様々な差別問題や偏見が実質残っているのでは?
    

  政治家が、うっかり差別発言して、
  謝罪の意を表す。
  でも、反省したのは、その意識ではなく、
  口に出してしまったこと。
  
  
  そして、そういう政治家が非難される社会にはなったけれど、
  では、非難する人が、
  まったく差別や偏見を持たない人かというと、
  そうでもないでしょう。
  
  
  私だって、差別や偏見は許せない、
  意味がない、馬鹿らしいことと思ってますが、
  思わぬ形で個人的にふりかかってきたら、
  絶対に持ってないと断言できるか不安です。
  
  
  だって、もし私に子供がいて、
  その子に犯罪者の家族と結婚したいなんて言われたら、
  その人に罪はないと思っても、
  素直に喜んであげられるか、
  自信はないですもの。
  最終的に許したとしても、複雑な心境になるでしょう。
  
  
  でも、その人の人間本位を見ていくうちに、
  そういった偏見がなくなることはありえます。
  つまりは、
  差別や偏見があるところにこそ、
  積極的に向き合い、
  負の意識を取り除くべきなんでしょう。
  
  
  そして、そういう社会風潮になった時、初めて、
  今は差別も偏見もなくなったけど、
  昔は野蛮で幼稚な社会だったよね、
  って、言えるのではないでしょうか。


  昭和30年代はひどい時代だったんだよ、
  と見る向きもあるでしょうが、
  差別や偏見を表に出して、
  認めている部分を隠した社会から、
  表向きは認めているふりをしながら、
  内に差別や偏見を隠すようになった社会になっただけのこと。
  

  まあ、現在の名誉のために言えば、
  純粋に意識が変わって、
  完全に消えた差別や偏見もあることは認めます。

  
  とはいえ、それを差し引いても、
  実質、優劣にさほど差はないでしょう。
  昔の愚かさは非難されてしかりですが、
  表面的な行為だけが立派で、中身が伴わないことも、
  同じように愚かであることに変わりないのです。
  
  
  
  
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    あれこれ後記
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  ◇いよいよ日食。
   皆さんのところでは、見えましたか。
   東京は見事にアウト。
   それでも多少は暗くなってわかるかなと思いましたけど、
   日食のせいなのか天気が悪いせいなのか、
   それさえ、よくわからない程度のもんでした。
  
   
   ところで、日食の観測に、
   黒い下敷きはNGと知ってびっくりしませんでした?
   私たち、それで見ろって言われましたよね。
   私なんか、ピンクの下敷きで、
   太陽眺めた記憶があります。
   今更、だめって言われても遅いわい。


   今回の日食では、テレビなどで、
   「日食まであと○○日」と聞くたびに、
   心はすでに皆既日食状態になってしまってました。
   そんなに楽しみにしていたのかって?
   いえ、くら〜くなってたということで。
  
  
   だって、世間では日食でも、
   私にとっては、
   「50歳になる日」という意味になるんですもの。
   だから、テレビで日食と言ってるのが、
   私には50歳になる日まであと○○日、
   と聞こえてくるんですよ。
   
  
   前回の日食は、
   1963年の7月21日だそうで、
   これは私の3歳最後の日。
   そして、今度は50歳最初の日。
   こう日食がからんで来る時期に生まれたのは、
   吉か凶か?
  
  
   日食って、運気的には、
   良くも悪くも、それまでのものがリセットされて、
   新たなる再生が始まる意味があるそうです。
   しかも、今回は、
   新月とも重なるので、
   その意味合いがさらに強くなるとか。(注:次号で補足訂正あり)
  
  
   ということは、50歳になった私も
   大きく生まれ変われるってことかな?
   

   社会的に見ても、
   日食の前日に解散総選挙が確定したということは、
   やはり旧がリセットされて、
   新しい再生に向かうってことなんでしょうか。
  
  
   ところで、50歳まで来たということは、
   49歳で亡くなった織田信長の、
   「人間五十年、
    下天の内をくらぶれば、
    夢幻のごとくなり」
   って心境のところへ到達したわけです。


   そこで、昔の人生の長さをかみしめて、
   ひとまず50年を振り返り、
   感慨に浸ろうと思ったら、
   この人間五十年って、
   当時の平均寿命というわけではなくて、
   仏教から来ているものだったんですね。
  
  
   下天というのは、
   仏教世界の宇宙にある山の中腹を指していて、
   ここには四天王が暮らしているそうですが、
   人間界の50年が、ここでのたった1日。
   だから人間の一生なんて夢幻みたいなもんだということです。
  

   そういう意味だったんですか。
   人間50年やってきてこれでは、
   感慨に浸るところには、
   とても及んでなさそうなのでやめました。
   ちなみに山の頂上の天界になると、
   1日は、人間界の100年にあたるそうです。
  
  
   人間界の1日もそれくらいにしてくれとは言いません。
   でもせめて、1日48時間くらいになりませんかねえ。
   そしたら、このメルマガもたくさん出せるのに…?

                          (ひとみ)



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