「いいとき生まれた!昭和30年代」

メールマガジンバックナンバー



 第101号 生活の中にあったたき火



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        いいとき生まれた!昭和30年代  第101号     


                    2008. 11. 16     


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  日に日に寒さが増してきますね。
  寒いのが苦手な私にとっては、
  ため息の出る季節です。
  
  
  でも、寒くなってくると、
  昨今は見なくなったある光景を思い出すのですよ。
  昔の生活には、
  童謡にもなってるくらい溶け込んでいた、たき火です。
  
  
  ♪かきねのかきねのまがりかど〜
   たきびだたきびだおちばたき〜
   あ〜たろうか あたろうよ〜、
   きたかぜ ぴいぷうふいている〜♪
  
  
  今、改めてこの歌詞を見ると、つくづく思います。
  垣根も減ったし、たき火にあたる子供たちもいない。
  だけどその前に、北風がぴいぷう吹いてるような時に、
  たき火をしたら危ないだろが!
  
  
  …どうやら、大人になって、
  素直で純粋な心を失ったようです。
  
  
  たき火激減の大きな原因は、
  ダイオキシン問題で、
  法的規制がかけられるようになったことですね。
  今では、許されているはずの規制外のたき火まで、
  肩身が狭いような、
  悪いことをしているような風潮になってしまいました。
  
  
  でも、当時は、
  そんな小うるさいことはありません。
  落ち葉や木の枝、ちょっとした紙ごみなどを燃やすために、
  気軽に行われていました。
  ごみ収拾で持っていってもらうごみが、
  主に生ごみ主流だったのも、
  紙ごみは家庭で燃やしてしまうことも多かったからでしょう。
  ダイオキシンなんて、
  存在すら思い及ばなかった時代です。


  そりゃそうです。
  たき火は、太古の昔から行われてきた、
  人間の文化ですもの。
  まさかそこに、
  そんな問題が潜んでいるとは、誰も思いません。
  自然現象でも発生するし、
  自然界にも存在するというものを、
  今さら言われても〜という感じです。
  もっともこの問題に関しては、
  有害説と無害説、両方あるようですが、
  私ごときには、どちらが正しいかなんてわかりません。

  
  でも、当時までの生活は、
  今から比べたら、ずっと地球に優しい生活をしてきたのですから、
  たとえ有害だったにしても、そのくらいは、大目に見てあげましょうよ。
  だめか?
 
  
  とはいえ、
  まるっきり気を使わなかったわけではありません。
  ご近所さんに迷惑をかけないようには、
  気を配りました。


  洗濯物の干してあるそばとか、
  狭い場所ではやらないなどの場所選び、
  火がついている時は、必ず大人がそばについている、
  水を汲んで側に置いておく、
  後始末を忘れない、
  風の強い日はもちろんご法度など、
  いわば花火で遊ぶ時と同じような、
  常識程度のことに気をつけるのは当然の掟。
  

  今は、こういう常識すら守らない人がいることが、
  トラブルの一因となったり、
  煙慣れしてないせいか、
  煙が立ち上っているというだけで、
  拒否反応を示す人もいるらしく、
  ますますたき火のイメージが悪くなってるようです。

  
  なんだか、味気なくなるので、
  たき火がまだ生活の一部だった昭和30年代に戻りましょう。
  我が家では、
  わずかな量なら、
  庭先の地面で直接燃やしてしまうこともありましたが、
  たいていは家の前の広場や道で、
  簡易焼却炉を使って、燃やしてました。
  地面の上で直接燃やすと、
  風などで火のついたごみが飛んでいったりすることもあり危険なので、
  この手軽な簡易焼却炉は、
  当時はかなり愛用者が多かったですよね。


  え?そんなのあったかですって?
  お悩みのあなたにヒントを言えば、
  それを簡易焼却炉とは言ってなかっただけです。
  
  
  はい、その正体は、灯油やお菓子などが入っていた一斗缶。
  ことに、灯油缶だと、
  中の油の中にごみを浮かべて火をつければ、
  強力な火力で一気に燃やすことができて、おあつらえ向き。
  え?!そんなことしたっけですって?
  
  
  またまた、びっくりしてしまったあなた、
  あなたは私と違って、まだ素直さも純粋さも失っていないようです。
  自信を持ってくださいませ。
  

  もちろん、そんな危険なことは、
  間違ってもいたしません。
  よい子の皆さんも、絶対にしないでくださいね〜。
  (このメルマガを読む子供はいないと思うけど)
  
  
  使うのは、当然、空き缶になったものです。
  この缶も、いつのまにか、
  家庭用灯油の容器としては、ポリタンクにとって代わられましたね。
  蓋を開けるには、蓋の真ん中を押すということを知らない人も、
  増えているかもしれません。
  

  その空き缶の上と、
  下の方の側面を一箇所、四角く切り取り、
  空気が通るようにして使いました。
  
  
  ご近所で、同じように広場に面していた家では、
  ドラム缶を焼却炉として活用している家もありました。
  さすがにドラム缶では、
  5坪ほどの都営住宅の庭で燃やすのは迷惑と思ってか、
  それとも、ただ置く場所がなかったからか、
  (その家の庭はいろいろなものでいっぱいだった)  
  それを広場の片隅に置いてました。
  
  
  ドラム缶を手に入れるのも、
  下に穴を開けるのも、
  一般家庭ではなかなかできませんから、
  仕事関係か何かで、
  それがクリアしやすかったのでしょう。
  ドラム缶の場合、空気穴は、燃えカスのかき出し穴としても、
  重要です。
  
  
  今なら、そんなものを置いておくのも苦情の元、
  子供が遊ぶ場所なのも苦情の元、
  もちろん燃やすのも苦情の元、
  となるところでしょうが、
  全く、大らかな時代でしたね。
  
  
  それだけ、ご近所の絆もあったということなのかもしれません。
  広場で遊んでいるときに、何気なく見ていた、
  その家のおばさんが、棒でかきまわしながら、
  ごみを燃やしていた光景。
  まさかそれが昭和の一こまの風景となろうとは、
  当時は夢にも思いませんでした。
  
  
  寒い日には、たき火が始まると、
  大人も子供も集まってきたりしましたっけ。
  そして、そんなふうに火を囲む時思うこと。
  どうして煙は、
  自分の方ばかりに流れて来るんだよ〜。
  煙から逃れるように、
  くるくる移動しながらあたってたことも、
  今は懐かしい思い出です。
       

  ところで、私には、
  たき火の時に、
  ついに一度もかなわなかったことがあります。
  

  ほら、たき火といえば、焼き芋でしょ〜。
  
  
  「そんなものができるほど、燃やすものはない。」
  との一言で、いつも却下されてました。
  確かに、
  落ち葉が降り注ぐような木もないし、
  燃やすのは紙ごみだけですから、
  生焼けで終わるのは、今ならわかります。
  
  
  でも、たき火で作る焼き芋、
  今だに憧れます。
  今はそばに街路樹があって、
  秋口にはたくさん葉を落としますので、
  これを、道中掃いてかき集めたら、
  焼き芋ができそうだなあと思うのですが、
  (街路樹の落ち葉を見て、
   そんなことを考えているのは、たぶん私だけだと思いますが)
  今度は、たき火のできる環境がありません。
  
  
  世の中って、うまくいかないものね。


  
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    あれこれ後記
  ★☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  
  
  
  前号で触れた尺貫法が、
  今回も期せずして、登場してまいりました。
  一斗缶。
  まだまだ言葉も現物も活躍してますが、
  今は、業務用としての需要がほとんどでしょう。


  尺貫法には弱い私も、これだけはわかります。
  一斗は、十升、
  つまり、一升瓶十本分ってことですから、
  実にわかりやすいわけで。

  
  そういえば、母が、
  一斗缶に入っているお煎餅を何度か買っていました。
  お煎餅もおいしかったけど、
  どちらかというと、
  母は一斗缶が目当てだったようです。
  空き缶は乾物や物入れとして使っています。


  最近知ったのですが、焼却炉として使う場合
  菓子缶の一斗缶だと、
  蓋を鉄板代わりにできるという利点が
  あるようです。
  子供の頃に知っていたら、焼き芋は無理でも、
  乾燥芋くらいなら焼けたかもなあ。
  今でも、アウトドアや非常時には使えそうですけどね。
  

  さて、飲食物にからむせいか、
  体積の尺貫単位は頭に入るけど、
  長さの尺貫単位にはめっぽう弱い私に対して、
  仕事関係で詳しいというかっちゃんが、
  わかりやすく説明してくれました。
  


  『一般的に使われてるのは結構簡単ですよ。

   ・一尺は約30cm(正確には数ミリの半端がありますが)
   ・六尺で一間(約1.8メートル)
   ・一寸は一尺の10分の1(3センチ)

   この3つを覚えておけば一般住宅で十分使えますよ。


   畳、ベニヤ板は半間(3尺:約90センチ)×一間(約180センチ)の寸法
   になってます。

   畳2枚分が一坪(1.8m×1.8m、約3.3平方メートル)になります。

   あと、よく見かけるのでは、
   建築現場なんかの外部を囲っているシートは一枚の幅が一間、
   空き地なんかの入口を塞いでるバリケードの幅や道路工事の時に
   舗道に並べてるカラーコーンのバーの長さなんかも一間ですよ。

   青いブルーシートも3.6m×5.4mとか2.7m×3.6mとかの大きさに
   なっています。

   塩ビやブリキの波板も幅約60センチ(2尺)で長さが六尺、7尺、・・・
   十尺になってます。

   釘は45ミリ(一寸五分)とか60ミリ(二寸)と
   いった規格になってます。
   (五寸釘って15センチになるんですね、怖し!)


   尺貫法を使ってないものでは、溝に敷いてある網目の溝蓋(グレーチィ
   ングといいますが)は1枚の長さが1メートル、ブロック塀に使われてる
   コンクリートブロックは1枚が幅40センチ、高さ20センチになっています。


   ホームセンターに買い物に行かれた時に一度「金物、建材コーナー」を
   覗いてみてください。やたら「3の倍数」の寸法規格の商品が並んでま
   すから。

   但し、くれぐれも「3の倍数」だからといって「アホ」にならないよう
   に・・・・』


  
  皆様も、「アホ」にならないよう気をつけながら、
  工事現場や建築現場、ホームセンターなどで、
  思い出してみてください。  

    
  このメールを読んで思ったのですが、
  一寸法師の身長は3センチってことですね。
  ということは、お椀の舟に箸の櫂でも、
  ちょっと大きすぎではないかい?
  こんなことばかり考えてしまう自分にあきれつつも、
  彼が都まで上る苦労って、想像以上だったってことが、
  このお話には隠されていたんですねー。
  
  
  灯油缶が思い出せない方は、
  かっちゃんが以前送ってくれたこの写真をご覧ください。
  今回送っていただいた、前号の話に登場する竹尺の写真も
  アップしてあります。
   http://wa.hitokiwa.com/photo2-4.htm#touyukan


  
  
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