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その参
日本の季節の薬湯
お風呂好きの日本人。
季節の植物を入れて、薬湯としても楽しむ文化もありました。
その効能が季節の体調に合っているというのも、自然の妙です。
子供の日の菖蒲湯や、冬至の日の柚子湯などは、その名残でしょう。
でも実は、5月と12月だけではなく、毎月、季節にあった薬湯があるのです。
毎日ではなくても、時々楽しんでみてはいかがでしょうか。
月 | 植物 | 使用部位 | 抽出法 | 効能 |
1 | 松 | 葉 | 松の葉200〜250gをぬるま湯でよく洗い、 煮出してから漉したものを入れる。 | 血行促進、 疲労回復 |
2 | 大根 | 葉 | 1本分についている葉を、2日〜10日ほど陰干しして刻み、袋に入れ沸かす。 | 冷え症改善、 風邪予防 |
3 | ヨモギ | 葉 | 上部20cmほどの葉先5〜6本分を生のまま刻んで煮出し、漉したものを入れる。 陣痛促進作用があるので妊娠中は避けてください。 |
血行促進、 ストレス解消、 安眠 |
4 | 桜 | 樹皮 | 樹皮を50gを日干しし、煮出したものを入れる。 花はそのまま、葉を生のまま煮出しても利用できます。(詳しくはその弐 日本の民間療法薬草へ。) |
湿疹、 打ち身、 あせも |
5 | 菖蒲 | 根・葉 |
根の場合は、干して煮出してから入れる。 しかし、根は手に入りにくいですので、、菖蒲湯でおなじみの葉を入れる方法が手軽です。刻んで熱湯を注ぎしばらく置いた抽出液を作ってから浴槽に入れると良く出ます。 |
血行促進、 保湿 |
6 | ドクダミ | 葉・茎 | 生のまま刻んで、袋に入れ沸かす。 | 消炎、 抗菌効果 |
7 | 桃 | 葉 | 30〜40枚を生のまま煮出して入れる。 | あせも、 虫さされ、湿疹、 日焼け |
8 | はっか | 葉 | 陰干しした葉を30g程度、2リットルほどの熱湯をかけて蒸らした後、お湯ごと浴槽に入れる。 | 血行促進、冷房による冷え改善 |
9 | 野菊 | 葉・花 | 30gほどを熱湯をかけて蒸らした後、お湯ごと浴槽に入れる。生、陰干し共可です。 | 血行促進、保温効果 |
10 | しょうが | 根 | 1カケ分を、絞り汁やスライスにして入れる。 皮膚刺激が強いので、肌の弱い人は不可。 |
保温効果、風邪予防 |
11 | みかん | 皮 | 20個分程度を陰干し、袋に入れそのまま入れる。 | 血行促進、保温効果、美肌 |
12 | 柚子 | 実 | 5〜6個を絞り汁にしたり、半分に切って袋に入れ、そのまま入れる。 | 血行促進、保温効果、美肌 |
ご注意
自然のものでも、体質によって合わない場合も考えられますので、当然のことですが、異常が出たら無理に続けないでください。