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その弐
日本の民間療法薬草
昔の人たちが、植物の薬効の知識を得るまでに至った過程って、不思議だと思いませんか。
どちらかというと、片っ端から試してみた結果というより、自然の力の効能を本能的に感じ取れる能力が、大昔の人たちには備わっていたのではないでしょうか。人間も自然の生き物ですから、そういった動物的な勘があっても、不思議はないと思います。
そういった能力は退化してしまった今の人間ですが、効能があることは、今も変わりありません。
昔の人が残してくれた知恵を無駄にせず、どんなに進んだ世の中になっても、生活の中に役立てていきたいものです。何より、お金もかかりませんから、試す価値はありますね。
効用ある植物はたくさんありますが、ここでは、どこにでもある雑草とか、普通なら捨てられてしまうものとか、庭先にあるものとか、比較的手に入れやすいものからいくつか選んで、その秘められた力を紹介します。
ハコベ塩 | 歯槽膿漏、虫歯予防、浄血、整腸、美肌、強壮作用 |
ハコベを丁寧に洗い、泥などをとりのぞき、平らに広げて日に干し、よく乾燥させます。 |
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ビワの葉湯 | 咳、たんが出る症状、関節炎、神経痛、リウマチ、打ち身、捻挫、打撲、皮膚炎、腫れ物 |
ビワの葉をこすり洗いし、細かい綿毛を取り除きます。 |
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桜の葉の入浴剤 | あせも、肌荒れ |
枝の手入れなどで出た桜の葉500〜1,000gを洗って大鍋に入れ、煮ます。 |
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なすのヘタの煎じ薬 | 腹痛、下痢、食中毒 |
生のナスのヘタ4〜5個を洗って、水600ccを入れた土瓶に入れ、半量になるまで弱火で煎じます。 |
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なすのヘタの黒焼き | 歯茎の腫れ痛み、歯槽膿漏、排膿 |
陰干しで乾燥させたナスのへたを、油気のないフライパンに入れ、大きめのどんぶりなどでふたをして、弱火で焼きます。 |
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スギナの煎じ薬 | 糖尿病、肝臓病、腎臓病、むくみ、膀胱炎、痰きり、尿路結石、神経痛、関節痛、吹き出物、痔の出血 |
春から夏に採取し、洗って一日干してから陰干ししてさらによく乾燥させ、乾燥剤を入れて保存します。 |
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柿のヘタの煎じ薬 | 夜尿症、しゃっくり |
日に干して乾燥させた柿のヘタ、10〜15個を、400ccの水を入れて火にかけ、半分量になるまで煎じます。 |
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渋柿のエキス | 脳卒中予防、しゃっくり、夜尿症、しもやけ、かぶれ、けが、やけど、痔の出血、血圧降下 |
青いうちに取った渋柿のヘタをとって(ヘタは上記の煎じ薬にでも)、ホーロー鍋かボウルに入れ、すりこぎなどでつぶします。 |
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オオバコ茶 | ぜんそく、咳止め、痰切り、利尿作用 |
春から夏の花の咲いている時期に、地上に出ている部分を採取します。 |
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ナンテン粉 | 健胃、咳止め、のどの痛み、二日酔い、眼病、やけど、切り傷、にきび、わきが、唇のひび割れ |
ナンテンの葉をよく洗い、水気を取った後、筋を取り除いて、平らに広げて必ず陰干しでよく干します。 |
ご注意
自然のものでも、体質によって合わない場合も考えられますので、当然のことですが、異常が出たら無理に続けないでください。