「いいとき生まれた!昭和30年代」

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         第125号 再会した少女フレンド


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      いいとき生まれた!昭和30年代  第125号     


                     2016. 9. 25  


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 皆様、こんにちは!
 いかがお過ごしですか。
 ほんと半年なんてあっという間ですねー。
 だから、半年に1回発行になっても
 ちっとも気にならないですよね。

 
 「うん、気にならないよ。
  あってもなくても同じだから」
 という声が聞こえたような…
 気のせいかな?

 
 まあ、さっさと始めましょう。
 最寄りの駅に併設されたビルに
 展示スペースがあって、
 自治体が地元をベースにした企画展示をしております。


 見て回るだけなら、5分もかからない広さです。
 もちろんそんな程度ですから入場は無料ですし、
 気軽に行けます。

 
 ただ残念ながらおもしろそうな企画テーマが
 少なくて、
 私もたまたまその前を通った時に、
 気が向いたら覗いてみるか程度です。
 それなりに頑張ってる努力のあとは
 感じられるんですけどね。


 そんな中で、
 1度だけヒットを放ったのが、
 「昭和の生活」をテーマにした時です。
 この時ばかりは 私も展示期間中に3回も行ってしまいましたが、
 いつ行っても誰かしら見学者がいました。


 こういう企画にはお定まりの、
 昭和の茶の間の再現展示はもちろん、
 東京オリンピックの時に、地元を聖火リレーが走った時のトーチを
 実際に手にできるコーナーなどもありました。


 盗難防止のために
 トーチは鎖につながれてたので、
 実際に走ってみることまではできなかったけど、
 それができたら、
 絶対に走ってみる人続出だったと思います。
 だって、マラソンなんてまっぴらごめんの私すら、
 手にしたら走り出したくなりましたもん。


 そういう意味ではこの鎖は、
 盗もうとする怪しい人から守るものというより、
 トーチを手に、
 走ってはしゃぎまわる怪しい大人を防ぐ効果のほうが
 大きかったのではなかろうかと思います。


 でもね、私を3回も引き入れてしまったのは、
 懐かしい昭和の茶の間でも、トーチでもありません。
 会いたくてももうかなわないと思ってたあの子が、
 いたからなんです。


 何だと思います?


 それはね…
 第70号でと・り・あ・げ・た・も・の、ウフッ!


 あ、なんか気分が悪くなった人と、
 気持ち悪い思いにさせたんだから、
 もったいぶらずに早く言えと怒る人が
 続出してるような気がするんだけど、
 これも気のせいよね。


 それはね、
 「少女フレンド」です。
 さらに隣には少年マガジンもありました。


 しかも、それを手にとって
 実際に読めるんです。
 とはいえ、これも盗難防止のため、
 紐が通されて結わえてありましたけどね。


 …って、こんな貴重な本に
 穴開けて紐通していいんかい!、
 みんなに触られてボロボロになっていいんかい!ってほうが
 先に来たんですけど。


 ただここの展示、
 別のテーマの展示の時に、
 もっと古い時代の「赤い鳥」も
 同様の展示をしておりましたので、
 びっくりしたことがあります。


 ただ本はきれいだったので、
 復刻版かな?だよな?そうだよね!
 と思って、いや思い込むようにしましたが、
 少女フレンド、少年マガジンはどう考えても、
 復刻版のわけはないので、
 かの「赤い鳥」もどうだったのやら?


 しかし、そのおかげで
 実際に手にとって中を見ることができるわけなんで、
 痛し痒しというところではあります。


 でね、何十年ぶりで出会った第一印象。
 もちろん、表紙の雰囲気は当時を思い起こさせるもので
 変わりなかったんですが、
 印象が違ったのはその厚さ。


 「え?こんなに薄かったっけ?」

 
 その厚さ、1.5センチあるかないかというところ。
 もちろん週刊まんがは月刊まんがよりは薄かったけど、
 もう少し厚みがあった気がしてました。
 でも、マガジン君も同様だったので、
 こんなもんだったんだなあ。


 子供の頃に遊んでた場所に大人になってから行って
 こんなに狭かったんだと感じた経験ってあると思うんですけど、
 その現象がこんなところにもあてはまるとは。


 とにもかくにも、
 再会したフレンドちゃんを
 喜びに震えながら、
 めくってみると…


 おー!
 あの時代がああああ!
 子供の自分が読んでいた
 見慣れたあの紙面がああああ!


 雄叫びを上げるわけにはいきませんので、
 心の中で叫びまくって、タイムスリップ!


 とはいえ、
 ここでも、
 え?こんなだった?
 と感じる発見があったことも確かです。


 それは、文字が多い!


 まずは漫画のセリフの文字。
 漫画は読書に入らない扱いを受けてるけど、
 少なくとも、今の漫画に比べたら、
 昔の漫画で読んでる活字の量は
 絶対に多いですわ。


 さらにそこへ追い打ちをかけるのが、
 読み物ページ。
 漫画雑誌とはいえ、
 活字中心の読み物ページも子供向けとはいえないくらい多い。


 もちろん読み物ページがあったことは
 覚えてますが、
 こんなにあったんだーという印象を
 受けました。


 なんだ、私たちの時代の漫画雑誌は、
 けっこう子供の読書力に貢献していたじゃないか。
 漫画ばかり読むなという風潮だったけど、
 むしろ活字に親しむように導いてくれてた本だったのではないか
 という感じがしてきました。


 もちろん文字は全部ルビ付きですから、
 知らず知らず字も覚えそうです。
 (ふりがながあるとそれに頼って字を覚えないからだめ!
  というスパルタ意見もありましたが)


 きっと、
 私たちが子供の頃、
 漫画が大人たちに受けが悪かったのは、
 戦前までの読み物中心の子供雑誌と比べられ、
 読むのが簡単すぎてレベル低っ!と思われたからなのですね。
 でも実際は今の漫画に比べたら
 ずっとずっと活字を読んでいたってことは驚きであり発見でした。


 そして、当時の漫画に読み物ページが多かったのも、
 戦前までの読み物中心の子供雑誌の影響が
 まだ少しは残っていた時代だったんだなあ
 と感じ入った次第です。


 皆さん、胸をはってください。
 私たちの読んだ漫画雑誌は
 今の漫画雑誌とは別物です。
 より頭使ってたんですよー。
 あの当時、それがわかってたら、
 子供たちは漫画に渋い反応を示す大人たちに
 反論できたのに。


 もっとも、当時そんなこと言っても、
 「もしや予知能力のある子か?」と
 思ってくれる親はまずなく、
 「先のことなどわかるか、屁理屈こねるな」などと叱られて
 終わるだけでしょうけど。


 でもね、我ながら
 不思議に思うことが一つあるんです。
 3回も行って、そのたびにフレンドちゃんを広げてるのに
 なぜか本格的に読もうとしない自分がいるんです。
 ぱらぱら中をめくって見ているだけで
 満足している自分がいるんです。


 なぜかというと、
 読んだらあの時代が壊れてしまう気がして仕方ないんです。 
 自分でもわからない心理です。
 (単に細かい字を読むのが
  わずらわしくなってただけかもよという思いは
  一応黙殺しときました。)


 でも、大事にしたい気持ちは
 どの見学者も同じだったようです。


 何か月もの期間中、
 多くの人の手にとられたら、
 どれだけぼろぼろになってしまうんだろうと心配して、
 行くたびに恐る恐る対面してたのですが、
 マガジンくんもフレンドちゃんも
 心配するほど、本は傷まなかったのです。


 きっとみんなも
 思い出を壊さないように、
 そーっとそーっと見ていたのかなと思うと
 なんだか嬉しくなりました。



   
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    あれこれ後記
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 ◇ある幼稚園の前を通ると、
  園児たちが朗読をしている声が聞こえてきました。
  「へえ、今の幼稚園って、こんなこともするんだー、
   私たちの頃は考えられないな」
  と思いつつ、前を通り過ぎると、
  その内容がちらっと聞こえました。


  「きびしーよのなかを…」


  おい、一体、何を読ませてんだい?




 ◇お次は小学生の話。


  電車で私立小学校に通う小学生2人が、
  一生懸命九九を覚えていました。


  一人が二の段を言って
  「にくじゅうはち」まで
  無事言い終えた時、
  もう一人の子が
  「違うよ!」
  と言いました。


  聞いてた私もあせりましたが、
  言われた子も
  ムキになって、
  「えー!にくじゅうはちでいいんだよ!」
  と即座に言い返しました。
 
 
  すると
  その子はしれっと言いました。


  「にく、じゅうじゅうだよ」


  思わぬ答えに
  ムキになってた子も大笑い。
  私も
  座布団10枚探しに行きたくなりました。
 

 

 ◇余談ですが、これと似たような小学生のあるシーンを
  思い出しました。


  下校中の低学年の小学生二人が、
  何か主張しあいながら向こうから歩いてきたのですが、
  お互いにだんだんヒートアップ。
  まだ離れている私にわかるくらいですから、
  二人の声もそれだけ大きいわけです。


  一人は話し方がおっとりタイプ、
  一人ははきはきタイプで、
  当然、はきはきした子の方が、
  まくしたてる度合いも高く、
  なんか険悪なムードが盛り上がってきてました。
  
 
  すると、おっとりタイプの子が
  急にトーンを変えて、
  まくしたてる相手に
  「きこえな〜い」
  とのんびりした声で言いました。


  言われた子は
  ますますムキになって言い続けましたが、
  その子は我関せずという感じで、
  笑いながら同じことを繰り返し
  のんびり歩き続けます。


  何を言っても、そう返されるうちに、
  ムキになってた子も、
  ついに笑い出してしまい、
  ちょうど、二人が別れる角に来たときは、
  何事もなかったように
  「じゃあな」と仲良く手を振って別れて行きました。


  見事なお手並みに、
  私には、この子が神様の生まれ変わりに思えましたわ。
  まだ子供なのに
  大人でもなかなかできない対応を自然にやっているんですもの。
  それに、これやって逆効果になるかならぬかは、
  人間性も大きく関わってくるわけで、
  この子の言い方はその点でも
  素晴らしいものを持っていました。
  

  できるものなら、この子についていって
  こういう子に育てた親御さんに会いたいと
  思ってしまいました。
  大人の子供に
  思わず弟子入りを志願したくなった、
  子供の大人の私でございます。
  

  自戒をこめる意味で、ここに恥をさらしますが、
  なにせ、この子供の大人は、
  何か月か前も、
  職場にかかってきた、
  信じられないくらい失礼無礼なセールス電話にぶち切れて
  大喧嘩しちまいました。

  
  だって、向こうが勝手にかけてきて、
  いつもことわってるのに、
  まるでこちらが何度も電話をかけさせて手間をとらせてるみたいな
  言いがかりをつけてきたんです。
  はあ?です。
  そうやって脅して契約させようというスタンスなのか
  頭おかしくなってるのか知りませんけど、
  とにかく逆切れもいいところで、
  こちらもプッツン(ああ懐かしい言い方だなあ)
  してしまいました。


  ああいう時こそ、あの師匠を思い出さねば
  いけなかったんだ。
  

  でも、もし思い出しても
  この子供の大人は、
  「馬鹿の話はきこえな〜〜〜い」
  くらい言ってしまいそうだなあ。


  その前に、そんなのは相手にせず切るのが
  大人対応でしょ、
  と師匠にも皆さんにも言われそうなので、
  このへんで…。

                      (ひとみ)
 
 
 




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